「大岡越前8」第7話 天一坊事件編―2話連続・将軍吉宗落胤騒動の全貌(ネタバレあらすじ&見どころ)

07月20日21時03分ドラマ
画像:NHKBS時代劇「大岡越前8」より

NHK BS時代劇「大岡越前8」20日と27日は、2話連続で忠相(高橋克典)が将軍・吉宗(徳重聡)のご落胤の問題に取り組む。本話のゲストは加藤雅也、藤枝喜輝、六平直政、山崎樹範、川島鈴遥ら。前編となる第7話「天一坊現る」のあらすじ(ネタバレあり)と見どころを紹介する。次回予告はHPで公開される。



「大岡越前8」とは

江戸の町を舞台に、南町奉行・大岡忠相(高橋克典)が仲間たちとともに事件や人情に向き合い、“大岡裁き”を繰り広げる時代劇シリーズ。2024年の第7シリーズに続き、高橋克典が2期連続で忠相役を務める。

美村里江、勝村政信、寺脇康文らおなじみのキャストに加え、今作では嶋田久作、山崎一輝らが新たに参加。各話に登場する豪華ゲストも見どころのひとつだ。⇒【高橋克典×風間杜夫ほか豪華各回ゲスト紹介】

■第7話「天一坊現る」

将軍・徳川吉宗のご落胤(隠し子)を名乗る詐欺事件が発生。かつて吉宗の父・紀州大納言光貞の落胤を騙った中川正軒は、大岡忠相によって逮捕され、極刑の可能性を告げられる。しかし、正軒に扇動された浪人たちは、友部喜八郎(山崎樹範)の娘・美和(川島鈴遥)の涙ながらの訴えにより、「社会や政にも責任がある」との判断から百叩きの刑にとどまった。

その頃、十数年前から美濃の古寺で育った天一(藤枝喜輝)が戻ってくる。和尚(六平直政)は5歳の孤児・竹三を天一と名付け育てたが、2年前に寺を出ていた。寺には和尚と旧知の浪人・赤川大善(國府田達也)、藤井右京(谷田歩)がおり、天一は「葵の紋入り短刀」と「将軍吉宗のご落胤のお墨付き」を見せる。さらに、浪人の軍師・山内伊賀亮(加藤雅也)が現れる。伊賀亮も和尚と旧知である。

実は、天一は放浪中に老女・お三を殺し、「短刀」と「お墨付き」を奪っていた。それは、かつて若き吉宗が紀州で関係を持った清乃(お三の娘)が身ごもった際、吉宗が渡したもので、伊賀亮はこれらを利用し天一を吉宗のご落胤に仕立て上げる計画を立てる。

吉宗自身も清乃との過去を認めたことから、天一坊一行は大坂・京都で支持者を集め、江戸へと向かう。伊賀亮は大岡忠相の鋭い眼力を警戒する。やがて吉宗は忠相を訪ね、「二品」を渡した20年前の事情を語り、天一坊の真偽を確かめてほしいと頼む。

天一坊一行は品川入りし、天一坊は美和に接近、「身の回りの世話を」とそばに置く。一方、忠相の命を受けた三次が天一坊を調べ、伊賀亮が軍師として扇動していることを報告。老中・松平左近将監による証拠調べで一行は「本物」とされたが、忠相は再吟味を申し入れ、「一行が金集めや人集めで吉宗に恥をかかせた」と訴える。そのため吉宗は忠相に「閉門」を申し渡すが、忠相は密かに屋敷を出て水戸中納言(横内正)に窮状を訴える。

天一坊の元には浪人たちが仕官を求めて殺到し、喜八郎も美和に取り持ちを頼むが、美和は父への情からこれを断る。天一坊は「親を知らぬ自分」と彼女の思いを比較し戸惑う。

吉宗の嫡男が病弱なこともあり、天一坊の存在は水戸家にとっても重大問題に。水戸家の動きを知った吉宗は忠相を再び呼び、天一坊が偽物ではないかと疑念をぶつける。忠相は「自分の手で再度調べたい」と申し出、吉宗はこれを許可。忠相はすぐに結城新三郎(寺脇康文)と北島駿介(財木琢磨)にあることを頼む。

天一坊一行に「大岡越前屋敷での再吟味」が伝えられ、その夜、伊賀亮が忠相の前に姿を現す——



■第7話見どころ


本話の最大の見どころは、将軍の子どもを名乗る偽者・天一坊と、それを見破ろうとする大岡忠相との頭脳戦。嘘の証拠をもとに人々をだまし、権力を手に入れようとする天一坊に対して、忠相は冷静に真実を追い、正義を貫こうとする。

何やら過去に因縁があるらしい忠相と伊賀亮との緊張感あふれる駆け引きも物語に深みを与えている。敵味方それぞれの過去や思惑が絡み合い、見逃せない展開が続く。さらに、親子の絆や人を信じる気持ちが丁寧に描かれることで、単なる善悪の対立ではない人間ドラマが浮かび上がる。

将軍・吉宗や老中たちも関わる大事件として、物語のスケールは大きく、歴史ドラマとしての迫力も十分である。実力派の俳優たちによる熱演も見どころで、特に高橋克典と加藤雅也の対決は見る者を引き込む。次回第8話と2話連続で展開されるこの一話はスリルと感動が詰まった、シリーズの中でもとりわけ印象的なものとなっている。

■第8話「越前と天一房」予告


次回第8話「越前と天一坊」では、天一坊が、吉宗のご落胤か否かの再吟味では、忠相と伊賀亮の丁々発止が続く。が、ただただ父と会いたいと言う天一坊の言葉に、忠相は芝居でない何かを感じはした。しかし、紀州に調査に向かった新三郎達が持って帰る報告を待つ時間稼ぎのため、忠相は、伊織(勝村政信)に協力してもらい、仮病を使う。再吟味を任せた忠相の結論が遅いことに、吉宗は怒りを爆発させる。

■放送・制作情報

放送日時:6月8日(日)より毎週日曜 18:45~19:28(全8回)
放送局:NHK BS、NHK BSP4K
脚本:尾西兼一(2・3・7・8話)、いずみ玲(1・5話)、森脇京子(4・6話)
音楽:山下毅雄、小笠原肇
主題歌:由紀さおり
出演:高橋克典、勝村政信、寺脇康文、美村里江、近藤芳正、高橋光臣、嶋田久作(新キャスト)、柄本時生、石井正則、金山一彦、山崎裕太、加藤頼、黒川英二、財木琢磨、由夏、亜呂奈、中村加弥乃、山﨑一輝(新キャスト)、高橋長英、徳重聡、松原智恵子、田村亮 ほか

制作統括:本木一博(NHK)、落合将(NHKエンタープライズ)、白石統一郎(C.A.L)

演出:矢田清巳(1・4・7・8話)、六車雅宣(2・3話)、濱龍也(5・6話)

NHK BS時代劇「大岡越前8」HP

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