今、トレンドは“K-ムーダン(巫女)”―「鬼宮」『K-POPデーモンハンターズ』「仙女と彦星」、悪霊コンテンツが人気

07月30日14時14分芸能
SNS「귀궁」、Netflix『케이팝 데몬 헌터스』、tvN「견우와 선녀」

いま注目を集めているのは、韓国コンテンツにおける“悪霊”と“ムーダン(巫女)”――。

韓国の伝統的なシャーマニズム文化を土台にしながら、ホラー、ファンタジー、ロマンス、さらにはK-POPと融合させた作品群が国内外で人気を博している。単なる恐怖演出にとどまらず、霊的世界観や歴史的背景を物語の核に据えることで、多彩なジャンルに広がりを見せているのが特徴だ。



代表的な例として、「鬼宮(ききゅう)」(귀궁)やNetflixのアニメ『K-POPデーモンハンターズ』(케이팝 데몬 헌터스)、そして昨日最終回を放送した「仙女と彦星」(견우와 선녀)が挙げられる。

「鬼宮」は朝鮮時代を舞台に、巫女ヨリと悪神となった龍カンチョリの因縁を軸に描いたファンタジーロマンス時代劇だ。巫女の運命を拒む主人公ヨリに龍の霊が憑依することで物語が動き、王宮に潜む悪霊たちとの戦いが展開される。主演は宇宙少女ボナことキム・ジヨンとBTOBのユク・ソンジェで、放送開始以来Lemino配信の韓流・アジア作品ランキングで2か月連続1位を獲得するなど高い人気を誇る。⇒【「鬼宮」を2倍楽しむ】

一方、2025年6月20日にNetflixで配信が始まった『K-POPデーモンハンターズ』は、昼はK-POPアイドル、夜は悪霊を狩るデーモンハンターという二重生活を送るガールズグループ「ハントリックス」を描いた斬新なアニメ映画だ。韓国の民話や文化を背景に、迫力あるアクションとK-POPの音楽が融合して世界26か国以上でNetflix映画ランキング1位を獲得。主題歌「Golden」はビルボード「ホット100」で4位に達し、アニメーションのOSTとして歴史的快挙となっている。⇒【関連記事】

そして、6月23日~7月29日まで放送したtvN「仙女と彦星」では、星に宿る精霊と悪霊が絡み合う神話的物語が展開された。古代の韓国神話にシャーマニズム的要素を掛け合わせ、悪霊との戦いと精霊の世界を描く。死の運命を背負った少年と、その運命に抗う巫女の少女が織りなす18歳の初恋救済ロマンスだ。全話Prime Videoで独占配信中。⇒【全話あらすじと見どころなど】

これらの作品群に共通するのは、韓国の伝統的なシャーマニズム(ムーダン)が単なる背景設定にとどまらず、物語の芯に据えられている点だ。特に『K-POPデーモンハンターズ』のマギー・カン監督は「ムーダンの儀式“グッ”が音楽とダンスで妖怪を追い払う様は、現代のライブコンサートと本質的に通じている」と語り、伝統と現代文化の融合を意識した演出が評価されている。

また、悪霊は単なる敵役ではなく、過去の痛みや社会の影を象徴し、主人公たちの成長や和解の契機となる複層的存在に描かれている。これは、韓国の伝統信仰を再評価しながらも、感情的・精神的な深みを加える試みとして各作品で共通するテーマとなっている。

総じて、韓国コンテンツにおける「K-ムーダン」ジャンルは、悪霊を題材に伝統文化や現代エンターテインメントを巧みに結びつける新しい潮流であり、今後も国内外でさらなる影響力を持つ存在として注目されている。悪霊はもはや恐怖の対象だけでなく、物語の重要な動力源であり、視聴者の心に響く深いメッセージを伝えている。

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