Netflix発『K-POPガールズ!デーモンハンターズ』が海外制作で世界席巻 K-POPの新たな可能性と課題

08月15日23時55分映画
画像提供:Netflix / Netflixシリーズ「K-POP デーモンハンターズ」独占配信中

Netflixのアニメ映画「K-POPガールズ!デーモンハンターズ」が国際的に大きな注目を集めている。この作品はK-POPをテーマにしており、そのオリジナルサウンドトラック(OST)はアメリカとイギリスの主要音楽チャートでトップに立つほどの人気を博している。

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物語に登場するのは、3人組のガールズグループ「ハントリックス」と5人組のボーイズグループ「サジャボーイズ」だ。彼らはダンスと歌でファンを魅了し、その音楽は明確にK-POPのスタイルを反映している。
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作品の舞台が韓国であるだけでなく、日常の細かな描写からも韓国文化が色濃く表現されている。

一方で、この作品の制作は韓国ではなくアメリカだ。日本のソニーの米国子会社、ソニーピクチャーズアニメーションが制作し、配給はNetflixが担当。OSTはユニバーサルミュージックの傘下にあるリパブリックレコードからリリースされた。海外資本と制作陣が手がけた韓国文化コンテンツに対し、「技術は外国が担当し、利益は資本家が得る」という意見もある。

しかし、多くの専門家は「K-POP」というジャンルとして、今回のOSTを十分に認めている。特に韓国系の作曲家や歌手が多く関わっていることから、韓国とアメリカのコラボレーションとして位置づけられている。評論家によれば、K-POPの特徴である共感とコミュニティ意識、そしてダンスミュージック中心の構成も忠実に踏襲されている。

「K-POP デーモンハンターズ」の成功により、韓国文化への関心が高まり、国立中央博物館の前には関連グッズを求める人の列ができるまでになったという。作中、彼女たちが韓国のカップ麺やキムパ(韓国海苔巻き)を食べており、SNSでは韓国の食文化を模したチャレンジも流行し、K-POPのファン層は若者中心から幅広い年齢層や性別へと拡大している。
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しかし一方で、海外が韓国文化をより洗練された形で表現できている現状に対しては、業界内から警戒感も示されている。K-POPのスタイルを踏襲する海外グループが増え、グローバルに競争する時代になったことが指摘されている。

さらにOSTの音楽面では、単純なフレーズの繰り返しではなく、メッセージ性の強い歌詞や明確なメロディ、ボーカルとラップの多彩な組み合わせなど、従来のK-POPの良さを踏襲している。音楽関係者によれば、現地向けに音楽スタイルを変える努力はされてきたものの、K-POPらしさを強調した今回の作品の成功は多くの課題を投げかけている。

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この成功を受けて、元SMエンターテインメント代表は「K-POPの本質を生かしたことが米国での成功を後押しした」と話し、K-POPの次なる市場展開については、「核心的なファン層の深掘りと同時にライトファンへの拡大、そしてグローバルな視点での競争力強化とアイデンティティの確立が必要だ」と示唆している。

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