【韓ドラ時代コラム】「テプン商事」2PMジュノが描く―97年狎鴎亭の“オレンジ族”の自由と苦悩

前回の記事では、2PMのイ・ジュノ主演のtvNの新ドラマ「テプン商事」が描く1997年の時代背景を紹介した。今回は、その時代背景をより深く理解するために、当時の若者たちの象徴的な存在であった狎鴎亭(アックジョン)の「オレンジ族(오렌지족)」について詳しく解説する。➡【韓国を変えたIMF時代とは】
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「オレンジ族」とは
「オレンジ族」とは、1990年代後半の韓国、特にソウルの狎鴎亭・清潭洞(チョンダムドン)などの高級住宅街や商業エリアで、派手な消費やナイトライフを楽しむ裕福な若者たちを指す俗語である。名前の由来は、当時のファッションやライフスタイルにおける「オレンジ色」の象徴性にある。
彼らは外車に乗り、ブランド服を身にまとい、クラブやカフェで夜を楽しむライフスタイルを貫いた。

IMF危機と「オレンジ族」の対比
1997年のIMF経済危機は韓国全体に深刻な影響を与えた。多くの企業が倒産し、失業率が上昇した中、一般市民は生活の困難に直面した。しかし、「オレンジ族」と呼ばれる若者たちは、経済的な不安をよそに派手な消費や夜遊びを楽しんだ。
社会の格差や不公平感を象徴する存在として批判を受けることもあったが、彼らの自由で奔放な生き方は、当時の若者文化の一つの形として注目された。
「オレンジ族」と「テプン商事」
tvNの新ドラマ「テプン商事」は、1997年のIMF危機を背景に、狎鴎亭で奮闘する若者たちの姿を描く。主人公たちは「オレンジ族」と呼ばれる若者たちと出会い、彼らの生き様や価値観に触れ、成長していく。
当時の社会情勢や若者文化をリアルに再現し、視聴者に懐かしさと新鮮さを同時に届ける作品となっている。

現代から見た「オレンジ族」の意義
現在、1990年代の韓国社会や文化は懐かしさと共に再評価されている。SNSやメディアでは、当時のファッションやライフスタイルが再注目され、「オレンジ族」の文化も取り上げられている。
彼らの自由で奔放な生き方は、当時の社会情勢や価値観を反映しており、今の若者たちにも共感を呼ぶ存在である。
■狎鴎亭について
場所:韓国ソウル特別市江南区にある高級住宅街・商業エリア
特徴:韓国屈指のブランドショップや高級カフェ、レストラン、クラブが集まるおしゃれな街
歴史的背景:1980年代以降、裕福層が集まる地域として発展し、1990年代には若者文化の発信地として注目された
文化的意味:狎鴎亭は「都会的で洗練されたライフスタイル」の象徴で、特にIMF前後の1990年代後半には、自由で派手な若者=“オレンジ族”の活動拠点となった

◇YouTube|テプン商事 | 予告編 | Netflix
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