Netflix「あなたが殺した」第7・8話：原作“ナオミとカナコ”の開かれた結末に決着をつけた【最終回ネタバレ】

Netflixで全8話一挙配信中の韓国ドラマ「あなたが殺した」（당신이 죽였다）は、家庭内暴力に苦しむ女性が親友とともに夫殺害を企てたことから、次々と予期せぬ事件に巻き込まれていく——。

原作ドラマの枠を超え、心理の深層と赦しを描いた最終章・第7話と第8話のあらすじを紹介する。※以下ネタバレを含む。

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「あなたが殺した」は、「あなたが殺した」は、家庭内暴力から逃れるため、殺人を企てる2人の女性が、予期せぬ事件に巻き込まれていく姿を描いたサスペンススリラーで、原作は奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』。2016年に日本でも広末涼子と内田有紀主演で実写化された作品だ（【日本版あらすじと見どころ（ネタバレあり）】）。

■キャスト（原作）
チョ・ウンス役：チョン・ソニ／小田直美：広末涼子
チョ・ヒス役：イ・ユミ／服部加奈子：内田有紀
ノ・ジンピョ役：チャン・スンジョ／服部達郎：佐藤隆太（二役）
チン・ソベク役：イ・ムセン／チン社長：高畑淳子
ノ・ジニョン役：イ・ホジョン／服部陽子：吉田羊
　ほか


■第7話「ウンスとヒス、そしてジニョン」
あなたが殺した
刑事ジニョン（イ・ホジョン）は、目の前に現れた兄そっくりの男チャン・ガン（チャン・スンジョ二役）を車に乗せる。チャン・ガンは運転しているのが刑事だと気づき車から降りて逃げる。格闘の末、チャン・ガンを制圧したジニョンは、彼が持つ兄の携帯電話を取り上げる。その履歴から彼がウンスやヒスに連絡し、母に金をせびったと知る。

一方、行方不明のウンスを探すヒスは、チン・ソベク社長（イ・ムセン）の助けを借りて彼女を発見。傷を負ったウンスは「これはヒスのためじゃない、自分のため」と語り、今なお続く母のDV被害やカン夫人のDVを苦にした自殺に際して、自身のトラウマの連鎖を断ち切るためだと明かす。

チン社長は「罪は隠せても、良心は消せない」と諭すが、過去に報復の連鎖で息子を殺された経験に苦しむ彼は、最終的に二人を庇う立場を取る。「あんな畜生は殺すべきだった」と吐き捨て、チャン・ガンの処理を引き受けるが、ウンスは自ら決着をつけようと動き始める。

その頃ジニョンは、チャン・ガンを自宅ガレージに監禁。酒に溺れる母ジョンスクを遠ざけつつ、兄の携帯を漢江に投げて処分する。やがてチン社長が尾行で“拉致犯”がジニョンだと突き止め、昇進を控えた彼女が「兄を完全な被害者に仕立てよう」としていることが明らかになる。

ヒスとウンスの前に現れたジニョンは、証拠をねつ造し「夫の金を盗んだヒスがDVを装い、親友ウンスと共謀して夫を殺した」という筋書きを作り上げる。

一方、脱走したチャン・ガンはジニョンを呼び出し、30億ウォンでジンピョの死体を見つけると交渉する。しかし、目的の場所から出てきたのはノロジカの死体だけだった。

ジニョンはヒスに連絡し、ウンスを助けたければ罪と認めて死ねと脅す。ヒスはジニョンの指示通り練炭自殺を図り、車内に自白書が残されていた。



■第8話（最終回）「ウンスとヒス、そして私たち」
画像：Netflix「あなたが殺した」より
チャ刑事は、ジニョンが自分をわざと混乱させたと勘付く。母ジョンスクからの電話でチャ刑事が自宅捜査にやってきたと聞いたジニョンは、母に対応に出るな、ジニョンのマンションに避難するよう指示する。

ウンスはジニョンを呼び出し、「あなたが兄のDVを止めていれば、殺さずに済んだ」と訴えるが、ジニョンは「DVなんて罪にならない」と吐き捨てる。怒りに燃えたウンスは、彼女の出世の弱点を突き、大統領室への異動を妨害。逆に窮地に立たされたジニョンは焦りを隠せない。

大統領室秘書官に事情説明に向かうジニョンだったが、母ジョンスクからの電話で自宅マンションに急行。監禁していたチャン・ガンが死亡していた。母が息子だと思っていた彼が別人だと知り、さらにジンピョが死んだと聞かされ、衝動的に殴り殺してしまったのだ。ジニョンは母とともに遺体を車のトランクに詰め、遺棄しようとするが、チン社長の部下マ所長とウンスの車に後を追われ、激しいカーチェイスの末に事故を起こす。
開いたトランクから遺体が発見され、現職警官による遺体遺棄事件として世間を騒がせた。

一方、チン社長に救出され病院で意識が戻ったヒスは、携帯にチャ刑事から「嘘の証言をしましたね」というメッセージを確認する。そしてジニョンからの脅迫のメッセージも受け取る。

その頃、ヒスは自首し、チャ刑事にすべてを告白。軽症で済んだウンスもまた、素直に証言する。チン社長の支援のもと、二人は裁判に臨み、ヒスは全て自分から始まったとウンスをかばう。ウンスは幼少期に母への暴力を見て見ぬふりをした自分の罪を語り、裁判で償いの意志を示す。

エピローグでは、出所したヒスをウンスとチン社長が出向かえ、その後二人はベトナムの「チンガン商会」で働いていた。ショートヘアのヒスは、傷のない脚で新しい人生を歩いていた。金髪になったウンスはサーフボードで大きな波に立ち向かっていた。その先には、光が差していた—。

■原作「ナオミとカナコ」との違い
原作では、空港へ逃亡する2人をパトカーのサイレンが追う“開かれた結末”で幕を閉じる。しかし韓国版は、2人はしっかり罪を償い、新しい人生を歩きだすというスッキリした結末だった。

特に裁判でウンスが語った「見て見ぬふりは暴力と同じ」という言葉で、暴力の連鎖を断ち切り、赦しへと至る彼女たちの姿は、より人間的で救いのあるラスト。「トンネルを抜けた先には、必ず光がある」——出口の見えない苦しみを抱える人々への、静かなエールとなる最終回だった。最終回、イ・ムセン扮するチン社長の髪もスッキリ短髪になっていた。

「あなたが殺した」はNetflixで全話配信中だ。

◇YouTube｜『あなたが殺した』予告編 – Netflix

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