「終活シェアハウス」笑って泣いて心揺さぶられる第7話─“人生の再出発”の裏に待っていた残酷な現実
NHKBS「終活シェアハウス」第7話(11月30日放送回)では、世代を超えた悩みや恋愛、そして“第二の人生”に向き合う姿が重層的に描かれた。笑いと温かさに包まれつつも、ラストには胸を締め付ける展開が待ち受ける。第7話は今夜12月6日(土)23:30から同局で再放送される。
物語は、翔太(城桧吏)と美果(畑芽育)の関係が自然と恋人らしい空気を帯びていくところから始まる。さりげないやり取りの中にも互いを意識する気配が漂い、“カメ・ハウス”の面々も微笑ましく見守る。一方、歌子(竹下景子)は新刊採択を目指し、“創作おせち料理”づくりに全力投球。恒子(市毛良枝)や美果のアイデアに刺激を受けながら、一風変わった料理が次々と完成していく。
そんな中、おせち撮影を担当するカメラマン・藤原(瀬良俊)が美果を親しげに呼ぶのを聞き、翔太が思わず嫉妬。美果はその姿がまんざらでもなく、初々しい恋模様が描かれる。
一方、瑞恵(戸田恵子)は孫の子守を頼まれたことで、娘・桜(小林涼子)の離婚問題に直面する。桜を説得しようとするも届かず、さらに疎遠だった長男・雄太郎(大谷幸広)が3人目の子どもを授かったと知り、心の距離の深さに落ち込む。寂しさを抱えた瑞恵は、マッチングアプリで知り合った外国人男性との交際を始めてしまう。
同じ頃、厚子(室井滋)は恋人・沼袋(石坂浩二)との同居に向けて部屋探しを開始。しかし高齢を理由に契約を断られ、想像以上の“年齢の壁”に直面することになる。
物語が大きく動くのは、歌子の創作おせち完成パーティー。瑞恵は突然の「結婚します」宣言をし、場は騒然。実は彼女は120万円を騙し取られたロマンス詐欺の被害者だった。家族の中で“誰かのための立場”として生き、自分自身として認められなかった過去を抱える瑞恵は、「名前で呼ばれた」温もりに心が揺らいでしまったのだ。
そこへ桜と雄太郎が駆けつける。雄太郎は「恥をかかせるなら施設へ入ってくれ」と心ない言葉を放つが、厚子が激怒し、これまで瑞恵が家族のために必死で踏ん張ってきた人生を訴える。歌子たちもその思いを支え、瑞恵は仲間の優しさに涙する。
しかし、最もショックを受けたのは翔太だった。瑞恵のマッチングアプリ登録を手伝ったのは彼自身であり、その責任を感じてしまう。
騒動が収まり、皆でお汁粉を囲む穏やかな時間が戻った。その後、厚子がようやく希望の物件が見つかり喜んでいたその時、恋人・沼袋の突然の訃報が届くのだった。
笑いと涙、希望と喪失が交錯する第7話。登場人物それぞれの人生が大きく動き始める、忘れられない一話となった。
「終活シェアハウス」は、大学生・ 速水翔太(城桧吏)と林美果(畑芽育)が、4人のシニア世代の熟女たちが自由に暮らすシェアハウス“カメ・ハウス”の住人(竹下景子、室井滋、戸田恵子、市毛良枝)と世代を超えて“人生のしまい方”と“これからの生き方”を一緒に考える、温かくて少し切ないヒューマンドラマ。
次回12月7日放送の第8話では、沼袋が登山中に遭難死したという一報で、“カメ・ハウス”の日常は一変する。沼袋と事実婚の約束をしていた厚子は、彼が自分に告げずに単独登山に行ったことで「自分は本当に愛されていたのか」とふさぎ込む。翔太も美果とともに厚子を励まそうとするが、就活の佳境が重なって思うように支えられないばかりか、ようやく受かったインターンの先行きにも暗雲が立ち込めるのだった。
■作品概要
放送:BSP4K・BS 2025年10月19日から 毎週日曜 22:00~22:45<全10話>予定
原作:御木本あかり
脚本:水橋文美江、鈴木裕那
演出:塚本連平、宮下直之、下向英輝
主題歌:DREAMS COME TRUE 『サンキュ.』
出演:城桧吏、畑芽育、竹下景子、室井滋、戸田恵子、市毛良枝、石坂浩二、猫背椿、日野陽仁、でんでん 他
◇NHKプレミアムドラマ「終活シェアハウス」HP
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