巨匠・黒澤明の作品画コンテ集がiPadアプリでリリース

日本が世界に誇る名匠・黒澤明の作品作りに迫るiPadアプリ「黒澤明 画コンテ作品集　～Akira Kurosawa DRAWINGS～」が、App storeにリリースされている。価格は1500円。

黒澤監督の数ある作品の中から「影武者」「乱」「夢」「八月の狂詩曲」「まあだだよ」「海は見ていた」の6タイトル、全75枚の画コンテを高画質解像度で収録。各映画の詳細や画コンテの説明、使われた画材、画材のサイズなどを一枚一枚細かく紹介している。画像はスライドショー機能で閲覧することもできる。

この世を去ってから12年になる黒澤明監督だが、その存在は時代を超え、国境を超えて評価され、現代の若いクリエーターたちにも広く影響を与えている。そんな黒澤のもう一つの顔が画家としての一面だ。青年期には画家を志していた黒澤は、18歳の時二科展で入選したほどの画才の持ち主だった。

映画の世界に入ったのち、「影武者」の制作が暗礁に乗り上げた折、「せめて、動かぬ画であろうとも、世界中の人たちに見て貰いたい」との思いから描き上げたのが黒澤独特の「画コンテ」の始まりだったという。アプリにはこの「影武者」の画コンテももちろん収録されている。

黒澤が以後残した画コンテは2000点以上といわれており、今回はその代表的なものを厳選して収録されているというわけだ。

“世界のクロサワ”にはまった世代も初めて知る世代も、その芸術性の断片に触れられる絶好の機会と言えるだろう。

黒澤明 画コンテ作品集　～Akira Kurosawa DRAWINGS～