ついに最終回へ「二度目の裁判」―ジャンルもロマンスも制圧、チソンという“答え”
残すところあと2話の「二度目の裁判」は、名実ともにチソンの代表作を更新したと言っても過言ではない一作となった。
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ディズニープラスで配信中のMBC金土ドラマ「二度目の裁判」((판사 이한영) は、回を重ねるごとに視聴率を伸ばし、2026年MBCドラマの好スタートを象徴する作品として存在感を確立した。
巨大ローファームの言いなりとして生きてきた判事が、10年前に回帰し、巨悪に立ち向かう――。法廷ドラマ、回帰もの、勧善懲悪という“王道の掛け算”の中心で物語を牽引したのは、主演のチソンだ。
本作は、実績あるヒットの方程式を備えた作品でもあった。法廷ものや回帰ものという枠組みに、悪を裁く勧善懲悪のテーマなど、視聴者が好む要素を盛り込んでいる。
特筆すべきは、ロマンスの説得力だ。回帰前の妻ユ・セヒとの関係性では、硬質になりがちな法廷サスペンスに柔らかな感情の呼吸を与え、視聴者からは「現実の既婚者であることを忘れさせるほど自然なケミ」との声も多く寄せられた。ジャンル性と感情線、その両立こそが本作の強度だった。
悪役たちとの関係性も見応え十分だった。チソンは、最終ボスであるソウル中央地裁・刑事首席部長判事カン・シンジンを演じたパク・ヒスンと、腹の内を見せない綿密な心理戦を繰り広げ、終盤まで緊張感を保った。相手の言葉に従う忠臣のように振る舞う一方、内面を語る独白シーンでは断固たるカリスマを放つなど、懐の深さを感じさせる演技を披露した。
本作の原作は、10年以上前に発表されたウェブトゥーン(およびウェブ小説)。
演出を手がけたイ・ジェジン監督は、「ウェブトゥーンはキャラクターの外見だけで善悪が明確に伝わる長所があるが、ドラマでは現実的に再現が難しい部分もある」としたうえで、「俳優の演技だけに委ねるのではなく、視聴者が人物を理解しやすい表現にすることを重視した」と語っている。
原作の骨格は活かしつつ、善悪の単純化に寄りかからない人物造形へ―。チソンの立体的な演技は、こうした演出方針と噛み合い、イ・ハニョンというキャラクターに“今の時代性”を与えた。こうした作品性と俳優陣の好演は、数字にもはっきりと表れた。
視聴率について、イ監督はインタビューで率直な心境も明かしている。
「昨年はMBCにとって厳しい一年だった。うまくいってほしいという思いから、二桁視聴率を願望のように口にしていた」としつつ、「強力な競合作もあり、似たテイストの作品もある中で、決して楽なスタートではなかった」と振り返った。
本作は初回4.3%でスタートし、第5話が視聴率10%を突破。第9話13.5%を記録。その後も、10~13%を維持し、順調な歩みを見せている(ニールセン・コリアの全国世帯基準)。
イ監督は「回を重ねるにつれて視聴率が上がっていったことに、より大きな意味を感じている。多くの人の力で完成した作品なので感謝が大きい」と語る。近年、外部制作が主流の後半作業をMBC内部スタッフと共に進めたという。こうしたことも“ひとつのチーム”として完走できたドラマとして、本作が局にとっても特別な一作となった。
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終盤からは物語のスピードが一気に上がっている。イ監督は、最終回の視聴率目標としては「15%を超えたい」と語っている。
大衆文化評論家のキム・ソンスは、「「二度目の裁判」はチソンの活躍が際立った作品。複雑な状況に置かれた人物を余裕をもって演じ、頭脳戦を繰り広げるなど立体的な演技を見せた。シーズン2、3まで期待したくなる作品だ」と評した。
こうした期待に対してイ監督は、最終回については「ハッピーエンド」と断言。「物語はきちんと完結するが、さらに広げられる余地は残している」という言葉は、シーズン2への期待も自然と抱かせる。
ジャンル性、時代性、そしてロマンス――すべてを成立させた「二度目の裁判」。その中心で物語を支え切ったチソンは、今年下半期に放送予定のJTBCドラマ「アパート」(原作:아파트)を次回作に選び、現在撮影の真っ最中だという。新築の大規模マンションで“闇金”を手に入れようと入居者代表に立候補した結果、マンション不正を暴くことになる元暴力団員の物語で、チソンは元暴力団のヘガン役を演じ、再び新たな一面を見せる予定だ。
「二度目の裁判」第13話と第14話(最終回)は、いずれも10分拡大編成。13日(金)・14日(土)21時40分から放送される。巨悪との最終決戦の果てに残るのは正義か、それともさらなる闇か──その結末は、いよいよ目前だ。