シン・ヘソン、“名品をまとう詐欺師”の美学 衣装が語る「サラ・キムという女」の真実

11時00分ドラマ
Netflixシリーズ「サラ・キムという女」全話Netflixで独占配信中

Netflixで独占配信中のミステリー・スリラー「サラ・キムという女」(레이디 두아)は、巧妙な詐欺と心理戦、そして“ブランドの虚構”を描く物語として注目を集めている。

その中心に立つのが、シン・ヘソンが演じるサラ・キムだ。彼女の魅力を決定づけているのは演技力だけではない。劇中で披露されるファッションそのものが、キャラクターの正体を語る重要な装置として機能している。

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「サラ・キムという女」は華やかな名声を手に入れようと心に誓った高級ブランドの地域CEOサラ・キムと、彼女の虚栄心の奥にある真実を執拗に追う刑事の姿を描くミステリー。

本作の衣装は単なる華やかなスタイリングではない。サラ・キムという女性の階級意識、野心、虚構、孤独を表現する“もう一つの脚本”として設計されている。


■人格を演出するモノトーンの衣装設計


画像提供:Netflixより画像提供:Netflix
サラ・キムの基本スタイルは、黒・白・グレーを中心としたミニマルなモノトーン。構築的なジャケット、直線的なシルエットのパンツ、身体のラインを強調しないドレス。無駄を削ぎ落としたデザインは、彼女が作り上げた完璧な人格の象徴だ。
サラキム画像提供:Netflix
高級ブランド企業「ブドゥア」のトップとしての威厳を表現する場面では、シャープなスーツと硬質なアクセサリーを着用し、冷静さと支配力を強調する。一方、過去の記憶や素顔が垣間見える場面では、柔らかなニットやナチュラルメイクに変化する。衣装の変化は、そのまま彼女のアイデンティティの揺らぎを映し出す。
サラキム画像提供:Netflix
視聴者は、どの服が“本当の彼女”なのか分からなくなる。それこそが物語の仕掛けであり、ファッション演出の核心だ。


■“名品”という幻想を視覚化するスタイリング


本作は偽物ブランドを巡るサスペンスでもある。サラ・キムは、ブランドの価値が必ずしも品質ではなく、欲望や幻想によって成立することを知っている。

衣装チームはこのテーマを反映し、ヨーロッパの名門ブランドを思わせるシルエットや質感を再現しながら、どこか冷たい印象を残すスタイリングを構築した。完璧すぎるほど整ったスーツ、光沢を抑えたバッグ、極端にシンプルなジュエリー。それらは豪華でありながら、人間味を削ぎ落とした印象を与える。

サラキム画像提供:Netflix

特に新作発表会の場面で着用するキラキラ光るグリッタードレスは、第1話オープニングと本編終盤の重要シーンの両方で登場。同じ衣装でありながら、彼女の表情と心理がまったく異なることが、サラ・キムという人物の崩壊を鮮烈に浮かび上がらせる。

衣装そのものが、“名品とは何か”という問いを観る者に投げかけるのだ。



■8年ぶり再共演が生んだ大人のケミストリー


サラ・キムを追う刑事パク・ムギョン役を演じるのは、イ・ジュニョク。2人は8年前、社会派サスペンス「秘密の森~深い闇の向こうに~」で共演している。当時は検事同士の複雑な関係を演じたが、本作では“追う者と追われる者”という構図で再び対峙する。

サラキム画像提供:Netflix

2人は宣材写真でも、物語のテーマである“欲望と正体”を象徴的に映し出している。シン・ヘソンは構築的なブラックドレスやシャープなセットアップをまとい、無機質な美しさと冷たい野心を体現。一方、イ・ジュニョクはロングコートやミニマルなスーツで、真実を追う刑事の孤独と執念を静かににじませる。

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■取調室での対峙を彩るアイボリーコート


二人が初めて直接対面する取調室。シン・ヘソンが身にまとっているのが、アイボリーのフーデッド・ウールコートという、静かで気品ある装い。華やかさを抑えた柔らかな色合いが、サラ・キムの“作られた人格”と、どこか脆い本心を同時に感じさせる。

サラキム画像提供:Netflix

その柔らかなコート越しに投げる視線に対し、イ・ジュニョクの鋭い視線がぶつかる瞬間――衣装の質感までもが、2人の心理戦を際立たせる演出となっている。


■衣装を人格として演じるシン・ヘソン


2月10日に開催された【制作発表会】で、シン・ヘソンはブラックダブルジャケット+ワイドパンツのオールブラックスーツを披露。ベルトでウエストマークしたオーバーサイズが、ベールに包まれたサラのセクシー&パワフルさを先取りだ。 刑事役イ・ジュニョクのレザーコート×ホワイトシャツと並ぶと、ケミも抜群と注目を集めた。

サラキム「サラ・キムという女」制作発表会

シン・ヘソンは制作発表会で、サラ・キムを表現するために衣装とメイクを徹底的に変えたと語っている。清純、華麗、素朴という複数の顔を、服装の変化で演じ分けたという。

彼女の強みは、衣装に支配されるのではなく、衣装を人格として演じることにある。同じ黒いスーツでも、冷酷な経営者にも、怯えた女性にも見える。その微妙な違いが、サラ・キムというキャラクターを立体的にしている。


■サラ・キムのファッションが映す現代社会


「サラ・キムという女」の衣装は、単なるラグジュアリーではない。欲望の象徴であり、身分を隠す仮面であり、罪を覆う鎧でもある。そして同時に、虚構に依存する現代社会の鏡でもある。

サラキム画像提供:Netflix

サラ・キムがまとう一着一着は、彼女の嘘と真実、成功と孤独、華やかさと空虚さを語り続けている。ドラマを観るときは、ぜひ彼女の服にも目を向けてほしい。そこには、セリフでは語られない物語が確かに存在している。

サラキム画像提供:Netflix


「サラ・キムという女」はNetflixにて全8話一挙独占配信中。全8話一挙配信中。あなたはどの“サラ・キム”が本物だと思うだろうか

なお、navicon【「サラ・キムという女」を2倍楽しむ】では、全話ネタバレあらすじ、見どころ、制作発表会レポートなど深掘りしていく。

kandoratop【作品詳細】【「サラ・キムという女」を2倍楽しむ】