「才谷、お前は何もんや」、大河ドラマ「龍馬伝」―NHKオンデマンド
法を武器に大藩と渡り合う龍馬―、大河ドラマ「龍馬伝」第42回「いろは丸事件」が、NHKオンデマンドの見逃し番組サービスに配信されている。視聴料金は315円。
慶応3年(1867年)4月23日、長崎から大坂に向かっていたいろは丸は、夜の瀬戸内海を航行中、徳川御三家である紀州藩の船・明光丸と衝突、沈没してしまった。龍馬(福山雅治)ら海援隊は明光丸に乗り移り翌朝福山の鞆の津にたどり着く。龍馬らの見舞いに訪れた紀州藩の役人は1000両箱を手渡してそのまま立ち去ろうとする。龍馬は1000両をいろは丸の乗客のためにと受け取りながらも、「わしらのものはまた別」と、沈んだ船と積荷の賠償をかけた談判を申し入れる。
いろは丸沈没の報を聞いた弥太郎(香川照之)は激怒、船を借りていた大洲藩から3万両の賠償を求められていることを話すが、龍馬は紀州に全額払わせると言い放つ。龍馬は弥太郎と後藤象二郎(青木崇高)に、紀州に泣き寝入りした前例を作るべきではないと談判を承知させる。
龍馬は紀州出身の陸奥陽之助(平岡祐太)を気にかけようとするが、陽之助は勘定奉行だった父が失脚させられた事を話し、紀州藩との談判に臨む決意を語る。そして土佐商会の命運をかけた弥太郎も加わっていよいよ談判が始まる。
龍馬は明光丸の航海日誌などを材料に紀州藩の非を追及するが、紀州側は相手にしようとしない。それでも食い下がる海援隊に、紀州は長崎奉行の裁定を仰ぐべきと言い放って退席する。
そこで一考を案じた龍馬は、お元(蒼井優)に頼んで紀州を揶揄する小唄を歌わせ、長崎じゅうに流行らせる。業を煮やした紀州藩は、勘定奉行・茂田一次郎(中尾彬)までが出てきて2回目の談判に応じる。一方龍馬は、後藤を説得し談判への協力を取り付ける。
またも自分たちの言い分を押し通そうとする紀州藩だったが、龍馬は「万国公法」を持ち出し、法による裁定を主張。茂田は日本に報で裁ける者などいないと突っぱねようとするが、後藤がイギリス海軍提督を連れて現れ、形勢は一転する。
海援隊の名を世に轟かせた「いろは丸事件」を描いたエピソードだ。まさに裁判ものの映画を観るような談判のシーンは手に汗握る。そこに一層迫力を加えているのが、紀州の勘定奉行役・中尾彬の重厚な演技だ。
そしてラスト、刺客と太刀を交える龍馬の殺陣にも注目だ。(足立謙二)
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大河ドラマ「龍馬伝」第42回「いろは丸事件」 NHKオンデマンド