Netflix「ガス人間」日韓で高評価 日本は怪演、韓国は社会派サスペンスとして絶賛(※ネタバレあり)

20時00分ドラマ
Netflixにて独占配信中

Netflixで世界独占配信中の日本オリジナルドラマ「ガス人間」が、日本と韓国で異なる視点から評価され話題となっている。(以下、一部ネタバレあり)



1960年公開の東宝特撮映画「ガス人間第一号」をベースにした本作は、小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、竹野内豊ら豪華キャストが出演。映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』Netflixシリーズ「地獄が呼んでいる」のヨン・サンホが脚本・エグゼクティブプロデューサー、『ガンニバル』の片山慎三が監督を務めた日韓クリエイターによる共同プロジェクトとしても注目されている。

日本では世界的モデルUTAの俳優デビューやFilmarksでの高評価が話題となっているが(※関連記事)、視聴者のレビューを見比べると、日本と韓国では作品を高く評価するポイントに違いが見えてくる。

■日本での評判:実力派キャスト陣の"怪演"に絶賛
日本ではレビューサイトやSNSを中心に、豪華キャスト陣の演技力に称賛の声が集まっている。
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23年ぶりに実写共演した小栗旬と蒼井優は、「鬼気迫る心理戦に引き込まれる」と高評価。事件の真相を執念深く追う刑事・岡本賢治を演じた小栗には「激シブで格好いい」「人情味と執念がにじむ演技が圧巻」、報道記者・甲野京子役の蒼井には「強さと脆さを併せ持つ新境地」「真実を追い続ける眼差しだけで物語を成立させている」といった感想が寄せられている。

画像提供:Netflix画像提供:Netflix第4話で物語の中心となる動画配信者の兄妹を演じた林遣都と広瀬すずへの評価も高い。顔に大きなあざを持つ妹・華歩を演じた広瀬には「最初は本人と気付かなかった」「ここまでイメージを覆すとは思わなかった」と驚きの声が続出。視聴数を追い求め暴走する兄を演じた林にも、「こんな林遣都は初めて」「兄妹のドラマに涙した」と感動のレビューが多く見られる。

画像提供:Netflix画像提供:Netflixさらにネット上で大きな話題となっているのが、元ヤクザで上場企業社長・森靖利を演じた竹野内豊の激変ぶりだ。眉を剃り落とし、長髪に全身の刺青、真っ白な歯という強烈なビジュアルで登場し、「最後まで竹野内豊だと分からなかった」「エンドロールを見て驚いた」「ここまで役作りをするとは」といった反応が相次いだ。イベントでは、青年期を演じた野村周平に合わせ、自らも眉を剃って撮影に臨んだことが明かされ、その徹底した役作りにも注目が集まっている。

こうした実力派俳優たちの体当たりの演技が、「単なるSF特撮ではなく、重厚な社会派サスペンスとして最後まで一気見してしまう作品」と高く評価されている。


■韓国での評判:ヨン・サンホらしい社会派サスペンス
一方、韓国では少し異なる視点から本作が受け止められている。
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韓国のレビューブログやThreadsなどで特に話題となっているのが、物語の鍵を握る謎の施設「ホワイトセンター」の存在だ。

劇中では、保護を名目に社会的弱者を集め、極秘プロジェクトの実験対象として利用した末に、その存在を隠蔽してきた施設として描かれる。この設定について韓国の視聴者からは、1970~80年代に韓国で実際に起きた大規模な人権侵害事件「兄弟福祉院事件」や「仙甘学園事件」を思い起こしたという感想が数多く投稿されている。

「ファンタジー特撮だと思って見始めたら、韓国の暗い歴史と重なって鳥肌が立った」「SFホラーというより社会派ダークサスペンスだった」といったレビューも見られ、現実社会の問題を描いた作品として高く評価する声が目立つ。

実は、この「兄弟福祉院事件」は、オク・テギョン主演の韓国ドラマ「ブラインド」に登場する「希望の福祉院」のモチーフとしても知られる事件だ。そのため、日本の韓国ドラマファンにとっても、本作の背景設定にはどこか既視感を覚える人も少なくないだろう。

こうした受け止められ方は、ヨン・サンホ作品らしい特色とも重なる。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』では極限状態に置かれた人間のエゴを、『地獄が呼んでいる』では群衆心理や社会の暴走を描いてきたヨン・サンホ。本作でも、ガス人間による連続予告殺人を軸にしながら、権力構造や格差、弱者の切り捨てといったテーマを盛り込み、SFホラーを骨太な社会派サスペンスへと昇華させている。

韓国では「日本ドラマでありながら韓国ノワールの空気を感じる」「ヨン・サンホらしく人間の業を描いた作品」といった評価が多い一方、「後半は感情に訴える展開がやや強い」「終盤は賛否が分かれる」といったファンならではの声も見られる。

また、『ゴジラ-1.0』を手掛けた白組によるVFXについても、「ドラマシリーズとは思えない完成度」「ガス化する映像表現や第1話の爆発シーンはハリウッド級」と称賛するレビューが相次いでいる。
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日本では俳優陣の怪演や映像表現、韓国では社会性やヨン・サンホらしいテーマ性――。同じ作品でありながら、国によって異なる視点から高く評価されていることも、「ガス人間」の大きな魅力と言えそうだ。


■続編を予感させるラストに考察続々 「京子では?」との声も
また、ラストシーンをめぐる考察もSNSで盛り上がりを見せている。エンディングでは、小栗旬演じる岡本刑事の部屋にガスのようなシルエットが入り込むが、その姿がUTA演じるガス人間(レン)の力強い描写とは異なり、どこか細く儚げだったことから、「あれは蒼井優演じる京子ではないか」「新たなガス人間の誕生を示唆しているのでは」と推測する投稿も見られる。ヨン・サンホ作品らしく、解釈の余地を残したラストが続編への伏線ではないかと期待する声も上がっており、配信開始直後からさまざまな考察が交わされている。

「ガス人間」(全8話)はNetflixで世界独占配信中。

■配信情報
Netflixシリーズ『ガス人間』
Netflixにて、7月2日(木)より世界独占配信(全8話一挙配信)
出演:小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、UTA、芋生悠、伊島空、こばやし元樹、古館寛治、川瀬陽太、野村周平、中島歩、斉藤柚奈、柊木陽太、三河悠冴、松浦祐也、モーリー・ロバートソン、吉原光夫、三石琴乃、近藤芳正、和田光沙、髙嶋政宏、賀来賢人、森川葵、原日出子、中野英雄、夏川結衣、酒向芳、ピエール瀧、岡部たかし、青木崇高、竹野内豊
監督:片山慎三
脚本:ヨン・サンホ、リュ・ヨンジェ
原作:『ガス人間第一号』(監督:本多猪四郎/脚本:木村武)
エグゼクティブ・プロデューサー:ヨン・サンホ、市川南、大田圭二、臼井央、佐藤善宏(Netflix)
企画・プロデュース:馮年、呉良次
プロデューサー:小野田壮吉、ヤン・ユミン
企画:山内章弘
VFX:白組
VFXスーパーバイザー:髙橋正紀、新堀巧
企画・製作:東宝
共同企画・制作:WOWPOINT
制作プロダクション:TOHOスタジオ
配信:Netflix

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