NHK大河ドラマ 三姉妹

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番組情報
いまでも、NHKの大河ドラマと言えば歴史上の人物が主人公というイメージが強い。実際、これまで放送されたほとんどの大河ドラマで主人公は実在の人物だったが、何作かは架空の人物を主人公に据えたものもあるのだ。
そうした「歴史的な人物ではない主人公」の、最初のものが大河ドラマ第五作目『三姉妹』であった。なおかつ初めて女性を主人公にした作品でもある。原作は『赤穂浪士』と同じ大佛次郎。
1967(昭和42)年の放送だが、この年は明治100年目にあたるため、幕末から明治へと移行する時代を舞台にしている。

三姉妹主人公の旗本永井家の三姉妹を岡田茉莉子、藤村志保、栗原小巻が演じ、とくに栗原小巻がこれによってアイドル的な人気を得た。また、反骨の浪人・青江金五郎を山崎努が好演。三姉妹や青江を取り巻いて歴史的な人物が数多く登場する。西郷隆盛(観世栄夫)、坂本龍馬(中村敦夫)、勝海舟(内藤武敏)などなど。
平均視聴率は19.1パーセント、最高視聴率は27.0パーセントであった。

ビデオが現存しているのは第19話と総集編前編の一部だけである。これもまた当時は貴重だったビデオテープの使い回しのためだ。19話では、尊皇攘夷を掲げた長州藩士が京へと上り、禁門の変(蛤御門の変)が起こる。三姉妹の長女・むらと三女・雪は、戦火を逃がれて、命拾いをするのだが……。

京都で起きた「禁門の変」は「蛤御門の変」とも呼ばれる。
御所には九つの門があるが、蛤御門はそのうちの一つ。天明の大火のときに焼けて開いた姿を「蛤」に例えられ、一般には「蛤御門」と呼ばれるようになった。
朝廷へと直訴をはかる長州藩が、蛤御門を守る会津、桑名、薩摩藩と衝突し、両軍が大砲などを撃ち合う戦となったのである。いまも、御門の梁には撃ち込まれた銃弾が残っている。
戦いそのものは一日で幕を閉じた。しかし、逃げた長州藩が御所や長州屋敷に火を放ち、京都の町は火の海となり、2万軒以上の家屋、東本願寺や仏光寺なども焼失。消火するまで3日を費やしたという。
これ以降、逃げた長州藩は朝敵となるのだが、後に坂本龍馬の仲介による薩長連合が成るまで、長州藩は薩摩藩を宿敵と見なすようになる。
  • 音楽:佐藤勝/原作:大佛次郎/脚本:鈴木尚之
  • 岡田茉莉子、栗原小巻、山崎努、中村玉緒、観世栄夫、米倉斉加年、瑳峨三智子
  • 年月日 ~ 年月日

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