落語がブームになっている― ドラマや映画にも落語家が登場し、落語の世界を表から裏から描いてみせてくれる。そのせいか、寄席でも若い客を見かけるようになった。
この『おかしな奴』は、「フーテンの寅」に出会う前の渥美清が、実在の落語家を演じたものだ。戦前の落語の世界や、世間での芸人の位置が垣間見えて、なかなかに興味深い作品である。
三遊亭歌笑は、生まれつきのユニークな顔つきと酷い近眼とで、周りから馬鹿にされてきた。そこで落語家になることを決意し、金楽師匠に弟子入りする。
修業に励み、腕を上げていくが、いまひとつ人気が出ない。あるとき、石川啄木の詩集をヒントにして、独特の節回しをもった新作落語を編み出すのだった……。
終戦直後の一瞬を駆け抜けていった落語家、三遊亭歌笑。当時の芸人には珍しく、華やかさを持ち合わせ、大人気を博す。落語というのが、単に枯淡の芸ばかりではないことを教えてくれる。
芸達者な渥美清に加え、若き春風亭柳朝や佐藤慶らが同門の落語家を演じていて、それもまた見ものだろう。
『おかしな奴』 渥美清が演じる、昭和のモダン落語王、三代目三遊亭歌笑。
スタッフ: 監督: 沢島忠キャスト: 渥美清、三田佳子、南田洋子配信期間: 年月日 ~ 年月日
(c)東映
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