『夢』 黒澤明が、自ら見た夢をもとに撮ったオムニバス。

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映画監督とは、まず、印象的な映像をフィルムに焼きつける「画家」でなければならない。そこに物語を紡ぐ作家としての力量が加わり、音楽の配分を行なって、総合芸術たる映画の作り手となれる。
黒澤明は、もともと画家志望だっただけに、とくに映像に独自の作家性が表れていると言えるだろう。この『夢』は、ほとんどストーリーはないに等しく、そんな映像作家としての魅力が満載されている。

自ら見た夢をモチーフに、8話のオムニバス形式。たとえば、第1話「日照り雨」は天気雨の際に狐の嫁入りがあるという言い伝えが現出するし、第5話「鴉」は麦畑で絵を描くゴッホと飛び立つ鴉、また、第8話「水車のある村」では時の止まったかのような村落での光景と、幻想と現との往還が描かれる。

作者らしき人物を、8話を通して寺尾聰が演じているが、これ以降、抑えた演技が得意になったようだ。倍賞美津子、原田美枝子、笠智衆、いかりや長介らに交じって、マーチン・スコセッシがゴッホの役で出ているのも注目である。
  • 監督: 黒澤明
  • 寺尾聰、倍賞美津子、原田美枝子
  • 年月日 ~ 年月日

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