【20世紀ロックの歴史を追え!その⑤】ラテン・ロックの超偉大なるバンド『サンタナ』

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98年ロックの殿堂入りし、ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリストの一人に選ばれた孤愁の調べを奏でるギタリスト、カルロス・サンタナ。その彼が率いる自身の名を冠したバンドが『サンタナ』だ。

スムーズでウォームなギターサウンドに積極的に取り入れられたラテンのリズム。ロックには違いないが、ロックを超越していた。70年代以降のブルース、そしてラテン・ロック/ジャズ・ロックを語る上で『サンタナ』は欠かせない。

メキシコ出身のカルロス・サンタナがリーダーとなり、サンフランシスコで結成された”サンタナ・ブルース・バンド”を経て、1969年にコロムビア・レコードからのデビュー。その時。バンド名を『サンタナ』と改名。ウッドストック・フェスティバルなどでもアクトを張り、その後1970年にリリースされた2ndアルバム『Abraxas (日本名は”天の守護神”)』はビルボード・アルバム・チャートで1位獲得。その後30年以上に渡って数々の金字塔を打ち立ててきた。

バンド『サンタナ』にとって二度目の大きなターニングポイントと言えるのは間違いなく1999年のアルバム『スーパーナチュラル』リリース時だろう。このアルバムは久々に全米1位獲得を果たしセンセーションを巻き起こす。最終的にアメリカのみで1500万枚、全世界で2500万枚以上という驚異としか言いようのないセールスを叩き出す。または、『スーパーナチュラル』はグラミー賞史上最多となる9部門を受賞。ヴォーカルにマッチボックス・トゥエンティーのROB THOMASを迎えたシングル「Smooth」は、ビルボードのHOT 100で12週連続で1位を獲得。ここでも驚異的なセールスを記録するとともにラテン・ロックの新しい方向性を提示してくれた。

確かに『スーパーナチュラル』のセールスにはローリン・ヒルをはじめとする数々のミュージシャンのコラボの成果もあるかもしれない。
だが、それだけじゃない。
より哀切に訴えかけ、円熟味を増したブルージーなカルロスのギターが、バンドのサウンドの中で存在感を増しているだけじゃなく、ロックサウンドの調和と言う完成へと達した。
驚異的なセールスはその賛辞が数字で現れたわけなのだ。

いまYahoo!動画はサンタナのベスト盤リリースを祝し、”サンタナ 「ヴェリー・ベスト・オブ・サンタナ」 スペシャル”と題し、ベスト盤の中から代表的な5曲をフルコーラスで無料配信している。

ラテン・ロックの雄、サンタナと縁遠かった人もこれを機に数々のサンタナの名盤に触れて欲しい。
オトナが余裕の中で聞ける…そんなサウンドをいまのサンタナは放っている。
  • 2007年10月15日 ~

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