「ソル薬局の息子たち」の苗字は“ソン”?

特集 韓ドラここが知りたい ドラマの不思議
韓国KBS週末ドラマ「ソル薬局の息子たち」は、2009年4月から始まったドラマで、最終回48.6%の驚異の視聴率を叩きだした2009年最大のヒット作。出演は、ソン・ヒョンジュ、イ・ピルモ、ハン・サンジン、チ・チャンウクで、チョ・ジョンソンが脚本、イ・ジェサンが監督を務めた。

「ソル薬局の息子たち」は、恵化(ヘファ)洞にある一軒の薬局、ソル薬局を舞台に、ソン・ヒョンジュン演じるソン・ジンプンを中心に、結婚できない4人の息子の話を愉快に描くホームドラマ。
「主人公の名前はソン・ジンブン。苗字はソン!なのに彼の家はソル薬局…ここでフツフツと疑問がわいてきた。「ソン薬局じゃないのかい!」これって、鈴木さんちの経営する薬局の店名が鈴村薬局というのと同じなわけで、なんともすわりが悪い。これには、何か深ーい訳があるはず。早速調べてみると…。

ところがである。誰に聞いてもわからないのだ。もちろん、韓国の公式サイト、ネットの掲示板、ドラマ紹介の雑誌などで調べて見たがわからない…。そもそも誰も不思議に思っていないのだ。そこで調査方法を変えて、ソルの意味を調べてみた。ソルに該当する日本語は、「率、松、(音階の)ソ、ブラシ」などがあった。薬局の店名と言うことを考えれば、松薬局が妥当だろう。

日本では“松”とくれば松の湯!薬局ではあまり聞いたことがない。ためしにヤフーで検索すると、大阪に1件あった。しかし、住所を見ると大阪市内の松という住所。これは、地名が店名の由来だろう。

そこで最後の頼みの綱、韓国から来た友人に聞いて見た。下手な先入観を与えないために「韓国の薬局で多い名前ってある?」すると、しばらく考えた後、彼女の口から出てきたのは…なんと、「ソル薬局かな?」だった。「やったっー!」ついでにその理由を聞いてみると、「韓国では、古くから松の実や葉っぱを漢方薬として使うことが多い」という答えが返ってきた。そういえば、イ・ビョンフン監督のドラマ「チャングムの誓い」で、少女だったチャングムがグミョンと、月明かりの元で松の実を刺していた。「商道(サンド)」にも登場していた。韓国の友人が言うには、料理で、蒸し物をする際には今でも松の葉を敷いて、その上に食材を乗せたりするそうだ。

「ソル薬局の息子たち」の長男は薬剤師で、店の起源は彼のおじいさんの漢方薬局から始まったらしい。つまり、韓国では、“松薬局”といえば、漢方薬局という意味も含んでいるのかも。今度は、韓国のネットで「ソル薬局」を検索してみた。あるある「ソル薬局」というのが続々と出てきた。

日本では、銭湯の名前や、松竹梅とランキングの識別に使われる松という言葉が、韓国では漢方を意味するとは…改めて、国ごとに違う文化の違いが見えてきた。

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  • 不明

脚本:チョ・ジョンソン
演出:イ・ジェサン
登場人物:ソン・ヒョンジュ、イ・ピルモ、ハン・サンジン、チ・チャンウク