黒海に眠る亡霊
地球上で最も謎に満ちた海、黒海(ブラックシー)。酸素が欠乏し硫化水素が充満した海底には、生物が生息する代わりに、数世紀経った現代も時間が止まったかのような沈没船や難破船が横たわっている。20世紀を代表するタイタニックの発見を指揮した世界的な海洋地質学者ロバート・バラードが、鉄のカーテンに覆い隠された黒海の海底を探る調査へと乗り出した。1500年前、ビザンティン帝国の勢力は南ヨーロッパからアジア諸国へと伸びていくにともない、黒海は港として繁栄した。が、それと同時に荒波にのまれた船も多かった。バラード率いる海洋探検チームが、最先端のロボット(遠隔操作探査機)とともに当時の姿そのままの状態で海底に眠る難破船を探しだし、黒海の知られざる秘密に迫っていく。
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