劉邦の大風歌 ―漢建国記―全44話
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紀元前202年、項羽を制した劉邦は、漢王朝を建国し初代皇帝に即位。そんな折、楚王・韓信が項羽軍の残党・鍾離昧をかくまったとの報が入る。韓信は百戦百勝の大将軍だったが、斉から楚に移され、軍の指揮権と財産権をほぼ失っていた。結局、鍾離昧は項羽が記した地形図を残し、自害。韓信は、その首を持って劉邦に謁見するが、敵の残党をかくまった罪で拘束される。一方、皇后の呂雉は、劉邦が側室の戚夫人を寵愛していることに不満を抱いていた。
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罪を許されたものの淮陰侯へ降格された韓信。一方の蕭何や張良は、劉邦に疑いを持たれぬよう無欲を強調していた。韓信の行く末を案じた蕭何は隠棲中の張良を訪ねる。劉邦のもとには７人の皇子がいる。呂后の子・盈は皇太子だが臆病。戚夫人の子・如意は主張をはっきり述べ、薄夫人の子・恒は、学問は優秀だが力強さに欠けていた。そんな中、南越の王が長沙に侵攻。北は匈奴に攻め入られ、劉邦は兵を率いて自ら出征したが、匈奴軍に包囲されてしまう。
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白登山で匈奴に包囲されてから、三日三晩。状況を打開したい劉邦は、陳平を冒頓単于の妻、閼氏の所へ遣わした。豪華な装飾品を送り、冒頓への口添えを頼もうというのだ。そして劉邦自身は単独で冒頓の駐屯地に乗り込む。一方、南越を訪れた陸賈は、王を名乗り長沙国の征服を企てる趙佗に会い、漢への帰順を促す。長安では、韓信と肖二が密会していた。韓信に絶大な恩を感じている肖二は、苦境に立つ韓信を命をかけて援助すると誓う。
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帰京した劉邦は、匈奴を鎮圧するため、娘の元を冒頓単于に嫁がせようとしていた。しかし趙王・張敖に思いを寄せる元は反発。劉邦は、別人を身代わりにすることを思いつく。薄夫人のもとには弟の薄昭が訪れていた。恒は薄昭から馬術を教わり、叔父への尊敬の念を強くする。そんな中、劉邦の父・劉太公が病に倒れた。代王の後任を、劉氏一族の中から選出してほしいと言う劉太公。その場に居合わせた呂后は自分の親類を推薦するが、劉邦の反発に遭う。
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劉邦は、代国で反乱を企てた者を討伐するため自ら兵を率い、長安を出る。韓信は体調不良を理由に出征を辞退。劉邦の留守に乗じ、呂后と劉盈の暗殺を企んでいた。一方の劉邦は、行き先を代国から邯鄲に変更。応援を依頼していた淮南王の英布と梁王の彭越の出方を探るためだ。おりしも英布と彭越はひそかに落ち合い、出兵すべきかどうかを相談していた。そんな中、韓信の密かな企みを知った呂后は、劉邦の留守中に韓信を始末しようと画策する。
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蕭何からの書状が偽物だと悟りつつも参内した韓信は、呂后の目の前で自害する。梁国の王・彭越も捕らえられ、蜀に流罪となる。蜀への道中、呂后に遭遇した彭越は、劉邦への口添えを頼むが、その場で殺されてしまう。ある日、皇太子がつけるべき龍のにおい袋を、戚夫人の子、如意が身につけていた。呂后は激怒し、如意に平手打ちの罰を与える。如意の傷跡から事情を知った劉邦は、自分の死後、皇后が権力を握ることを危惧し始める。
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劉邦が現皇太子の盈を廃し、第三皇子の如意を立てると宣言した。自らの亡き後、呂后の専横を恐れての策だったが、嫡子の皇位継承は周以来の伝統である。大臣たちから相談を受けた張良は、４人の賢人・商山四皓を訪ねるよう助言する。張良と商山四皓からの書簡を受け取った劉邦は、如意の皇太子就任を諦める。そんな中、異姓王の１人・英布が謀反を起こした。劉邦は病床の身を押して親征し、負傷する。結局、如意は趙王に、恒は代王に任命された。
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劉恒は長い悪路を経て、代国へと到着。漢の北境にある代国は、匈奴の襲来が多く、貧困にあえいでいた。劉恒は幼いながらも、いつか民の暮らしを豊かにすると誓う。劉邦は、死期が近いことを察し、戚夫人と故郷の沛に戻る。劉邦の死後について策を巡らす呂后と審食其。丞相の蕭何は、呂后の専横を食い止めようと考えていた。その頃、代国の料理店に、呂后の甥で代国の廷尉である呂強が現れる。店を経営する余勝という男は、韓信の忠臣・王都尉だった。
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朝議の席で、皇帝の庭園を民に開放すべきだと提案した蕭何。劉邦は、私欲のための提案だと思いこみ、蕭何を投獄するが、それは粛清を逃れるための芝居だった。劉邦は、自分の死後は長安に留まらず息子を頼って趙国へ行くよう戚夫人に話す。代王の劉恒は張武という少年と友達になり、貧しい庶民の生活をかいま見る。代国の廷尉・呂強は、代王の評判を落とそうと企んでいた。劉邦は異姓の王を廃し、功績のない者には爵位を与えないことを宣言する。
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雲中郡へ視察に出かけた代王劉恒は、通りがかりの料理店で、呂強の横行ぶりを耳にする。そんな中、劉邦がついに崩御した。呂后は、息子の領地へ向かうよう夫人らに命ずるが、戚夫人の息子・如意だけは長安に召還すると主張。如意の殺害を恐れて抗議した戚夫人は、獄舎に入れられてしまう。劉邦に続き丞相の蕭何も死去。新たに丞相となった曹参らの助言を受け、新皇帝の盈はこれまでの政治方針を踏襲。一方で、母の呂后に対して不信感を強めていく。
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