世界・七つの海の物語~神秘の生き物たち~全8話

シリーズ最後の今回は、インド洋の沿岸、東アフリカの海をめぐる。強い海流にさらされる島の海底では、巨大な裂け目や高さ800メートルも切り立つがけが見られるが、険しい地形はカラフルな魚や生き物たちのすみかとなっている。夜の海では、サンゴが殻からたくさんの触手を出して活動している。それは彼らが動物でもあることを思い出させる。そこではサンゴ同士の激しい生存競争も垣間見られる。さらにサンゴの殻の年輪から、古代の気候を探る研究も紹介する。さらに、美しく繊細なタツノオトシゴも発見。海底で見つかる遺物は時代も文化も幅広く、海が文化の架け橋だったことが分かる。最後は世界最大の魚、ジンベエザメの群れに遭遇。巨大な体で悠然と泳ぐ様は圧巻だ。チームはインド洋に面した東アフリカの海岸を訪れる。タンザニアでは強い海流がぶつかる島の海底を調査。地形は険しいが、海流は様々な生き物も運んできているようだ。夜のサンゴ礁では、2種類のサンゴから独特な方法の陣取り合戦が見られる。また、推定300歳とされるサンゴの殻の年輪から、過去の気象パターンを調べる研究に参加。うまくいけばサイクロンなどの災害を予測できるかもしれないという。さらに、南では可愛らしいタツノオトシゴを発見。水槽に入れて観察するが、デリケートな彼らは20分以内に海に戻さないと弱ってしまうため、データ収集は時間との戦いとなる。19世紀、サイクロンで沈んだ村の調査からは、アジアの青磁や15世紀のペルシャの遺物も発見され、豊かな貿易の歴史が分かる。チームは単独行動が多いジンベエザメを6匹も発見、すぐそばを泳ぐという貴重なチャンスに恵まれた。集めたデータは、インターネットのデータベースに送り、世界中での研究に役立てることも忘れない。
  • シリーズ・プロデューサー:ヘレン・トーマス、エグゼキュティブ・プロデューサー:アン・レーキング
  • 再生時間 : 46分
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    8000k/5000k
  • 420円
    全8話2688円/14日間
    7日間
  • 2011年03月25日 ~

(C)BBC 2008

第7夜は世界で3番目に大きな海、インド洋。海を羽ばたくように優雅に泳ぐマンタを見ることができる。マンタに群がる小さな魚たち、その間には見事な共生関係があるのだ。しかし、自然は今、人間の営みとせめぎあっている。チームはサメの乱獲を 目の当たりにすることに。さらに気候の変化を知るため、黄色い円筒形の観測装置・アルゴフロートを海に沈める作業も行う。難しい作業にはチームも緊張気味だったが、無事にデータを受信し、歓声をあげる。タンザニアでは、サンゴの養殖作業を見学。水中の棚に小さなサンゴがたくさん置かれた様子は、まるで畑のようだ。ジュゴンの観察には、飛行機も使った水陸両面作戦が行われる。インド洋の西岸、アフリカのモザンビークの海辺では、大型のエイやマンタが優雅に泳ぐ姿が見られる。サメに食われたらしい傷跡を持つマンタも多いが、古い皮膚組織や寄生虫を食べてくれる小さな魚たちのおかげで健康を保っているようだ。そのサメも食物連鎖の中では大事な存在だが、フカひれ目当ての乱獲でその数は激減している。現場を目撃したチームは憤りを隠せない。人間による温暖化もまた、海と気候を変えている。それを知るための装置・アルゴフロートを海に沈めるのに参加する。この機械から送信される位置や水深、水温や塩分などのデータは気候の変化の予測に役立つ。サンゴ礁もまた、インド洋では危機的な状況にある。天敵のオニヒトデの駆除を行うほか、そのサンゴを畑で作物を育てるように、人工的に育てる試みを見学する。最後は人魚のモデルとも呼ばれるジュゴンを探す。子供を含んだ小さな群れの発見に成功し、チームは喜びにわく。
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  • 2011年03月25日 ~

(C)BBC 2008

今夜は、氷に包まれた北極海で起こっている変化と、そこに生きる生物たちを追う。温暖化の影響により、氷の減少が深刻な北極海。これまで衛星による監視に頼りがちだった場所の氷の下にも実際に潜り、減少の過程を解き明かす。大きなホッキョクグマの発見に成功するが、氷の下に生きるプランクトンなどの小さな生き物たちも興味深く、氷に閉ざされた地にも自然と命のサイクルがあることを語りかけてくる。大きな丸い頭と、微笑んだような顔、純白の体がかわいらしいシロイルカの群れにも出会う。また、北極海にもカラフルなサンゴや海草の森が茂る場所があるのを発見。大きな体と長い牙が立派なセイウチの群れにそっと近づいて、頭数のカウントも試みる。チームは北極の氷に覆われた海に向かう。氷は太陽光を反射して地球を冷ましてくれる存在だが、温暖化の進行でそれが減少しつつある。一刻も早い調査が必要な場所だ。海に浮かぶ巨大な氷の下に潜ってその構造を調べ、形成され、また溶けていくサイクルの秘密に触れる。氷の上を歩くホッキョクグマも目撃するが、生態系を支えている、極寒の水中に適応した小さな生き物たちも観察する。また、人間と北極海の重要な接点となった捕鯨の歴史も振り返り、かつて捕鯨の対象だったシロイルカを捜しに行く。道中ではアザラシに出会い、シロイルカも30頭ほどを間近で観察。氷の海も不毛な場所ばかりではない。氷河が作る入り組んだ地形、フィヨルドの浅瀬では海流の影響がサンゴや海草が広がる豊かな海を生み出しているのを見る。最後は100頭近いセイウチの群れにも接近。彼らが温暖化からプラスの影響を受けている事実も明らかになる。
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(C)BBC 2008

第5夜は、研究が進んでいなかった紅海の南部に注目する。地球の陸地は今も分裂を続けているが、紅海の底でまさに分裂している裂け目に触れることに成功する。また、地球温暖化による水温の上昇で数を減らしているサンゴが、紅海では元気に成育している。その鍵となるサンゴが放つ鮮やかな蛍光の光を調査する。チームの一人、フィリップは、世界的な海洋学者だった祖父ジャック=イヴ・クストーが1960年代に作った海底居住施設を再訪、亡き祖父と父の夢に思いを馳せる。さらに、第2次大戦中に沈んだイタリア船からは大量の爆弾を発見。危険はないか? 最後はハンマーのような奇妙な形の頭をした珍しいサメ、シュモクザメが登場する。アフリカとアラビア半島に挟まれた細長い海、紅海。戦争のため、あまり人の手が入らずに残されていた南部にチームは向かう。ジブチの海底では、1年に2センチずつ遠ざかるというアフリカとアラビアの陸地の境目の亀裂に到達。大地が分裂する現場は、新しい海の誕生の場でもある。エリトリアでは、通常よりはるかに高い水温の中で生きているサンゴを発見。その秘密に迫るため夜のダイブを行った一行は、闇の中で光るサンゴを目にすることに。スーダンでは、チームのメンバー、フィリップの祖父ジャック=イブ・クストーが作った"海底村"を訪れる。今は亡き祖父と父が交わした手紙に彼らの夢と情熱を読み取り、涙するフィリップ。また、紅海がヨーロッパと植民地を結ぶルートだったことを思い起こさせる沈没船にも出会う。乱獲によって希少となったシュモクザメが、この紅海ではまだ群れをなしている姿に、チームはこの地の豊かさと、海のたくましさを改めて感じるのだった。
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(C)BBC 2008

今回訪れるのは、太平洋の東の端、メキシコに面したコルテス海。クジラやイルカをはじめ、生き物の種類の豊富さでは世界有数の美しい海だ。アシカの繁殖地では海に潜り、たくさんのアシカが地上とは打って変わった機敏さで泳ぎ回るのを目にする。また、海の底の大陸分裂の現場では地下から熱水が吹き出るポイントを発見。その熱で、ゆで卵作りに挑戦する。夜の海では、不思議な光を放つ大きなイカの群れに出会う。興味深いのは生き物ばかりではない。沈没船は過去の移民たちの苦闘を語りかけてくる。最後は巨大なマッコウクジラの群れを間近で観察する。クジラが吹き出す息を採取するラジコン・ヘリコプター作戦の結果は?太平洋の東の端、メキシコ本土とバハ・カリフォルニア半島に挟まれた細長い海はコルテス海と呼ばれている。生き物の種類の豊富さで有名なこの海も、人間の影響で変わりつつある。食糧不足に悩んでいるはずのアシカが、ある島でのみ数を増やしている。その謎に迫る。海底で地殻が動いている証拠である熱水の吹き出す場所を発見する。また、生態系のバランスの変化は様々な形で現れるが、アメリカオオアカイカの大発生もその一つ。夜間のダイビングでは、なんと彼らが光る姿を目にすることに。コルテス海と共に生きる人間の営みも観察対象。かつて外国からの労働者を運ぶのに使われていた沈没船や、自然のバランスを壊さない地元の人々の漁のスタイルにも注目する。食物連鎖の上位の存在としてマッコウクジラを捜しに行った一行は予想以上のクジラの群れに遭遇。健康状態を調査するため、吹き出す息の採取にラジコン・ヘリコプターも駆使される。
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(C)BBC 2008

第3夜となる今回は、南極大陸を取り囲む南極海への旅。ここは今、温暖化の影響を最も強く受けている場所と言われている。チームはタスマニア島沖を中心に海と生き物を調査。まず、高さ数十メートルに及ぶ巨大な海草、ジャイアントケルプの減少の理由に迫る。ケルプの森は生き物たちの大事なすみか。色鮮やかで可愛らしい、まさに神秘の生き物"ウィーディーシードラゴン"に出会う。水中の洞窟(どうくつ)では古代生物の化石を発見。そこから海と大地の変動の歴史を読み取ることができる。土の成分によって赤く染まった海ではサンゴやサメの卵などを発見。大型のタコや優雅に泳ぐオットセイの姿も印象深い。生態系を守るため、ケルプの天敵であるウニを食べるエビの放流にも参加する。 南極大陸を取り囲む海、南極海。この地球温暖化の最前線では、かつては海を覆いつくした巨大な海草ジャイアントケルプの減少が深刻だ。潜った一行は色鮮やかな魚に出会うと共に、ケルプには痛手となる水温の上昇を確認。水中の洞窟(どうくつ)への潜入では、洗濯機の中にいるような強い水流に出くわすが、そこでタスマニア島と南極大陸がかつて一つだったことを示す化石を発見する。タスマニアの手付かずの姿を残した自然を求め、チームは二手に分かれる。一方はサンクン・バレーと呼ばれる赤い海に潜入。ここは通常なら深海でしか見られないサンゴが、浅い所で見ることができるのだ。もう一方のチームは、大きなタコが打ち上げられる浜に向かい、その謎を解き明かす。チームの一人、海洋学のエキスパート・トゥーニは、「イルカやクジラの心配だけでなく、生態系全体を考えなければならない」と訴え、ケルプを保護するべく、その天敵であるウニを食べてくれるエビの放流に参加する。
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(C)BBC 2008

第2夜は、人類の歴史と深く関わる地中海。2億年前から姿を変えていないという珍しいサメ、カグラザメを探す。普段は深海に住むカグラザメが海面近くまで上がってくるのは珍しく、貴重な観察となる。”ツナ・ファーム”と呼ばれる大規模な養魚場では、たくさんの大きなマグロが泳いでいる姿が見られるが、問題も提起される。古代ローマの沈没船からは陶器のつぼが発見され、繁栄した超大国の文化を今に伝えてくれる。今と昔の水位の変化を調べるために潜った洞窟(どうくつ)では、塩水と淡水の境目を発見し、水と光のゆらぎが生む幻想的な光景を目撃。最後は、映画「ジョーズ」で知られるホオジロザメの観察に挑戦。水中に吊るしたおりに入って現れるのを待つが、果たして現れるのか?西洋文明の故郷とも言える地中海の調査は、メッシーナ海峡でのカグラザメの観察から始まる。危険な夜のダイブは難航するが、ついにカグラザメを見つけ、その手で触れることに成功する。マグロを捕まえて育てる広大な養魚場も訪れるが、チームはまだ若いマグロが違法に捕らえられている現状も指摘する。シチリア島の南では、古代ローマの沈没船を調査。ワインが入っていたらしい”アンフォラ”と呼ばれる陶器のつぼを発見するほか、その盗掘を防ぐための新たな試みも紹介する。スペインのマヨルカ島では、東海岸の地下の洞窟(どうくつ)を探検。内陸から海へつながる洞窟(どうくつ)では、海の水位がかつてずっと低かった証拠が見られる。また、淡水と塩水の境目では水に不思議なもやがかかっているのを見る。シチリア海峡では、子育てをするためにやって来ると思われるホオジロザメを探す。特製のエサをまき、準備万端整えて待つが、作戦は次第に根比べとなっていく…。
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(C)BBC 2008

第1夜となる今回は、世界で2番目に大きな海、大西洋。バハマ諸島では、35億年前の生命の誕生時と近い状態を保っているという巨大な穴に潜る。中にはなんと紫色に染まった海が待っていた。しかし、ここの水は強い毒素も持っている。機材も錆びさせるその中で、どれだけ潜っていられるのか?水中の洞窟(どうくつ)に眠る先住民族の神聖な墓地も探検。19世紀に座礁して沈んだイギリスの軍艦の近くではたくさんの大砲も発見する。サメが誤ってはえ縄漁の針にかからないようにするための2つの実験にも挑戦。水につけると電気的な変化をもたらす金属を使う方法と、サメが嫌うにおいの液体をまく方法。たくさんのサメが泳ぎ回る中に飛び込んで行っての実験の成果は?チームは広大な大西洋で、海の過去と未来を調べることに。まずはバハマ諸島の海に空いた巨大な円形の穴、通称”ブラックホール”に潜る。毒素を含んだ水は紫色に染まり、高い水温で一行を驚かせる。そして、かつてこの海を行き来した人類の過去と出会うため、ヨーロッパ人に滅ぼされたルカヨ族の水中の墓所を訪れると、そこには板で挟み頭部を平らにした独特な遺骨を発見する。バハマの浅い海では座礁する船も多い。19世紀の沈没船を調査し、大砲やいかりから、かつてイギリスとアメリカの戦争の際に沈んだサウサンプトン号であることを特定することができた。未来に目を向けさせるのは外来種の脅威。見た目は華やかだが、ほかの魚を食い荒らすハナミノカサゴは、人間の手で大西洋に持ち込まれたものだ。また、サメが不用意に人に近づかない対策として、追跡用のタグの取り付け、水に電気的な変化をもたらす金属板、サメの死骸から抽出した液体を散布する実験を行う。
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(C)BBC 2008