弱り目に祟り目のホン・グギョン…「イ・サン」第57-58話あらすじと見どころ動画-NHK
流産と見せかけて元嬪(ウォンビン)の想像妊娠をうまく処理したつもりのホン・グギョンだったが、流産の原因がヒョイ王妃の用意した薬のせいとしたために、ホン・グギョンはますます窮地に立たされることになる。
第57話は、想像妊娠を隠すための元嬪の策略を見破るシーンが、58話では、サン、ヒョイ、ホン・グギョンの三人三様の苦しい胸のうちが一番の見どころとなっている。
【第57話】
サンは元嬪の流産の原因がヒョイ王妃が与えた薬だという主治医の報告にショックを受ける。執務室でサンが一人悩む姿には視聴者も胸を打たれるはず。一方、主治医に命じて王妃に罪をかぶせることにしたホン・グギョンも苦しんでいた。彼は酒びたりになるほどの罪悪感にさいなまれていたのだ。
ヒョイに全幅の信頼を置くサンだが、ヒョイを信じる決定的な場面が、チャングムでおなじみの王様の食事を作る水剌間(すらっかん)で観られる。ここでサンは改めて、ヒョイの優しい人柄に触れ、二人で見つめあうシーンがある。互いに信頼しあう夫婦愛がそこにあった。サンとソンヨンとはまた違う穏やかで美しい二人の絆に注目しよう。ところで、サンという人物は、一度信じた相手はとことん信じるようだ。今回も、ヒョイに対してもグギョンに対してもサンの態度は一貫していた。
そのころ、自分が疑われているとは知らない王妃は、体に良い茶を持って元嬪の見舞いに行くが、面会を断られて帰る。この後、サンの母の恵嬪が訪ねてくるのだが、ここで元嬪が用意周到の実にいやらしい手口で、自分の流産がヒョイの責任であることをほのめかす。そのいやらしい手口はドラマで確認しよう。ここでまたまた恵嬪が大騒ぎをする。この人が騒ぐとろくな事がないのだが…。
万事休す!というとき、ヒョイを窮状を助けたのはソンヨンだった。ソンヨンは、元嬪の懐妊祈願の屏風を描く際、元嬪がある薬を飲んでいたことを思い出したのだ。これがヒョイの無実を、ひいては元嬪の想像妊娠の事実をつまびらかにすることになる。果たしてその薬とは…?
本筋とは少々ずれるが、今回、春画の師匠が都を後にする。ソンヨンが見送ることになるのだが、別れの間際の二人のシーンがとても美しい。交わす会話も胸に沁みるが、その場面がまるで1枚の絵を切り取ったように美しいのでお見逃しなく。
【第58話】
元嬪が飲んでいたのは益母草という妊娠促進薬だったのだ。これを妊婦が飲むと流産する恐れがある薬で、妊婦なら誰もが知る心得でもあった。
ヒョイがすべてを知って真実を告白するように迫られたことを元嬪から聞いたグギョンは、あわててサンの元に駆けつけるが、サンのそばにはヒョイがいた。この場面のグギョンの顔に注目しよう。鳩が豆鉄砲を受けるとは、まさにこのことだろう。果たして、ヒョイはサンにすべてを告げたのだろうか?
観念したグギョンはすべてを白状する決心を固めるが、ある出来事が原因で彼は自白することもできなくなる。その出来事とは…?
一方、元嬪は恵嬪に会いに行き、飲んではいけない薬を飲んだと、あくまでも想像妊娠の事実は隠そうとする。彼女は家紋を守るため、兄のホン・グギョンは知らないことにして、一人で罪をかぶろうとする。グギョンも一時心が揺れるが、サンの自分への深い信頼の気持ちを知りすべてを白状する。さあ、ここでサンがどんな台詞を吐いたのかは、ドラマで確認されたい。
ところで、イ監督は、ヒョイと元嬪という実在の二人の人物を正反対の人物として描いている。ヒョイ王妃は、控え目で温厚で、側室たちにも優しく決してやきもちを焼いたりもせず、政治にも口を出さず内助に徹した。歴代の王妃の中でも屈指の素晴らしい王妃と、ほぼドラマでも史実に近い人物に描いている。違うのは、想像妊娠をしたのは元嬪ではなく、ヒョイ王妃だった。といt詳しくは後日紹介するのでお楽しみに。
一方、元嬪はドラマと同じくホン・グギョンの妹だが、わずか12歳で輿入れし、翌年、13歳で他界している。輿入れに際してはホン・グギョンが妹の生んだ子を世子にして外戚として、確固たる権力を手にしようとしたのだ。歴史上のグギョンは、妹の死があくまでもヒョイの毒殺であると主張する。
果たして、このあたりの事情を、イ監督はどう描くのか?ドラマは7日(金)夜10時から2話連続で放送される。
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