ベルリンフィルライブ、6月14日はバレンボイムがカーターの協奏曲とR.シュトラウスを振る!

この1月からベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は「Digital Concert Hall」と銘打って、公演のライブ配信とオンデマンド配信を有料で開始している(=既報)。
6月14日(日)午前3時(日本時間)からのライブでは、ダニエル・バレンボイムの指揮により、エリオット・カーターの2つの協奏曲をリヒャルト・シュトラウスの2つの管弦楽曲で挟み込んだプログラム。
世界一長寿の作曲家といえば間違いなくこの人であろう、昨年12月に100歳の誕生日を迎えたアメリカの作曲家エリオット・カーター。たびたびカーターの曲を取り上げて初演も数多く行ったバレンボイムが、カーターのピアノ協奏曲とフルート協奏曲を演奏する。独奏者がいずれも初演を行った演者というのも珍しい。
《ダイアログ(対話)》と題されたピアノ協奏曲は、もともと今回独奏するニコラス・ホッジス(1970-)のためにBBCラジオ3が委託した作品で、ピアノソロと18の楽器からなる室内オーケストラのために作曲された。2004年に初演。ピアノとオーケストラが対話するかのように音列を応酬する。ホッジスは現代音楽を得意とし、多くの初演やCD録音がある。
フルート協奏曲は、ベルリンフィルとボストン響の共同委託作品で、2008年9月のエルサレム国際室内音楽祭で、バレンボイムの指揮で初演された。ヨーロッパでは今回が初演となる。独奏はベルリンフィルの首席フルート奏者のエマニュエル・パユ(1970-)。ソロとしても活動し、1990年以来毎年のように来日していることから日本にもファンが多い。カーターは鋭いアタックが出せないとの思いから長らくフルート協奏曲を遠ざけてきたが、このときに初めてフルートのための協奏曲を書いたという。
前後に置かれるのが、リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)の「ドン・ファン」(1888)と「ティル・オイレンシューピゲルの愉快ないたずら」(1895)。ともに器楽の達人と言われるR.シュトラウスらしい色彩豊かな管弦楽曲である。
現代音楽の協奏曲を後期ロマン派の管弦楽曲で挟み込んだプログラム。100年を経た管弦楽の隔たりを目の当たりにできる興味深いコンサートになりそうだ。
配信開始:6月14日(日)午前3時00分(日本時間)
視聴方法:公演ごとの視聴と年間通しチケットによる視聴がある。
詳しくはこちらのナビコン記事を参照。
ベルリン・フィル「Digital Concert Hall」