【大河コラム】「西郷どん」薩摩藩を二分する“由羅騒動”と“お由羅の方”を駆け足で紹介

2018年01月28日08時00分ドラマ
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NHK大河ドラマ「西郷どん」第4話「新しき藩主」では、薩摩藩を二分する「お由羅騒動」と呼ばれたクーデターが起きる!今回はそのお家騒動のあらましと、発端になった“お由羅の方”について駆け足でご紹介しよう。

※各話の予告とネタバレあらすじは【「西郷どん」を2倍楽しむ】でまとめて紹介している。

「お由羅騒動」が起きたのは西郷隆盛(吉之助/吉之介)が22歳の時。薩摩藩第10代藩主の島津斉興(しまづなりおき)の後継をめぐって持ち上がったお家騒動。

■2人の後継候補者
藩主・島津斉興には嫡男・斉彬(なりあきら、1809~1858年)がいた。母は鳥取藩主・池田治道の娘・弥姫(いよひめ) で、島津家に嫁いで周子(かねこ)と改名した正室。斉彬は江戸で生まれて、洋楽を好む曾祖父・重豪(しげひで)の影響を受けて開明的で、早くから高い評価を受けていた。順当にいけば、斉彬が藩主となるはずだったが、斉興は浪費家の祖父・重豪が藩の財政をひっ迫させたこともあって批判的。そんな重豪に愛されている斉彬を嫌っていた。

藩の財政を立て直した調所広郷(ずしょひろさと)たちは、保守的な斉興の五男・久光(1817~1887年、ひさみつ)を後継に推して激しく対立した。久光(当時は忠教/ただゆき)の母が側室・お由羅。

■お由羅の方(1795~1866年)
お由羅の方は、江戸薩摩藩邸で奉公をしていた時に斉興に見初められて側室になった。斉興との間に1女2男をもうけた。お由羅の方がこの騒動にどこまで関わっていたかは不明。

■流血のお家騒動
後継争いは、斉興の密貿易に絡んだ悪政などの罪で調所広郷を失脚させ、斉彬優勢で進んだが、斉彬派が久光とお由羅の暗殺を企てているとの疑いで、光久派が反撃。
西郷どん激怒した斉興によって、斉彬派の首謀者・赤山靭負(あかやまゆきえ)ら10数名が切腹、そして遠島や謹慎など合計50名以上が粛正された。
西郷が教えを受けていた大久保利通の父・利世も遠島となり、大久保利通自身も免職となり、家族は困窮。そんな大久保を西郷は何かと助けた。

この騒動を機に西郷と大久保は有志たちとグループを結成して時勢について語った。このグループは後に「精忠組」と呼ばれる。

■ドラマで描かれるお由羅騒動は?
第3話で、西郷の仲間たちが「腹黒妾め!」と言い捨てた由羅は、「瀬戸は日暮れて~♪」の「瀬戸の花嫁」で国民的歌手となった小柳ルミ子が憎らしく演じている。

また、第3話では調所広郷の最期も描かれる。広郷は、密貿易に絡んだ悪政を幕府から取りざたされ、「すべて自分がやった」と斉興をかばって自殺を図ったと描いている。
実在の広郷については、コチラで詳しく紹介している。

さあ、第4話では「お由羅騒動」をどう描くのか?史実では切腹処分となった赤山靭負(あかやまゆきえ)を演じるのは沢村一樹。
そして、瑛太扮する正助(後の大久保利通)親子の運命は?

見逃した回のあるかは、【「西郷どん」を2倍楽しむ】の前回ネタバレで復習しよう!

「西郷どん」(せごどん)は、NHK(日)【総合】よる8時より、【BSプレミアム】よる6時より放送。再放送は毎週土曜日午後1時05分よりNHK総合にて。

原作:林真理子。出演:鈴木亮平/黒木華/瑛太/北川景子/桜庭ななみ/渡部豪太/塚地武雅/大村崑/水野久美/錦戸亮/松坂慶子/風間杜夫/渡辺謙ほか。

番組公式Twitterアカウントは「@nhk_segodon」。番組公式Instagramアカウントは「nhk_segodon」。第2話予告動画は番組公式サイトで視聴できる。

NHK 大河ドラマ「西郷どん」番組公式サイト
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