【韓ドラコラム】「馬医」チョ・スンウが演じた白光炫(ペク・クァンヒョン)は元祖・外科医?
イ・ビョンフン監督が、「ホジュン ~宮廷医官への道」「チャングムの誓い」に続くメディカル史劇「馬医」で主人公に選んだのは朝鮮医学の発展に大きく寄与した実在の医師ペク・クァンヒョン!今回は実在の白光炫を紹介、Youtubeにて予告動画が公開されている。
「馬医」は、賎民の身分で馬医(馬の医者)から出発して獣医としての名声を手に入れ、のちに内医院の医官から御医にまで上りつめたペク・クァンヒョンの波乱の生涯を描いた作品。
【「馬医」を2倍楽しむ】では、時代背景や実在の人物、各話の詳しいあらすじと見どころ、キャストの魅力等をまとめて紹介している。
■白光炫(1625~1697)
朝鮮医学の発展に大きく寄与した人物ながら、史書に残る白光炫の記録は少ない。彼の出自は賤民出身と伝わっている。独学で鍼を学んで馬医(獣医)になった彼は、切開に用いる鍼を煮沸消毒して病巣を根本から除去することに成功した。当時、馬は移動手段としてはもちろんだが、中国への貢物としても貴重なものだった。
白光炫は、煮沸消毒を人の腫物の治療にも応用し、外科的治療法を確立した。彼の評判は王宮にまで届き、第18代王・顕宗代に内医院の医官に採用された。その後、顕宗や第17代王・孝宗の妃である仁宣王后張氏、第19代王・粛宗ら王族の治療に携わり、その功績を認められて最終的には王の主治医(御医)に上り詰めた。
『粛宗実録』には「白光炫は煮沸消毒による治療をよく行い、多くの結果を残しているから、この世の神医である」と記されている。
■ドラマのペク・クァンヒョン
チョ・スンウは2000年映画『春香伝』で俳優デビューし、その後、映画や舞台の世界で活躍してきた実力派俳優。イ・ビョンフン監督は、かねてより彼をキャスティングしたがっており、念願かなってのタッグとなった。チョ・スンウにとって本作がドラマ初出演となった(詳しくはイ・ビョンフン監督インタビューで)。
そんな彼が演じたペク・クァンヒョンは、史実とは違ってワケアリ出自を背負って登場する。両班の名医の息子だったが、医師である父が昭顕世子暗殺事件に巻き込まれて謀反の罪で処刑され、生まれたばかりの息子クァンヒョンもすぐに殺されそうになる。生まれた子が女児なら奴婢の身分として生きることができるため、奴婢ペク・ソックが生まれたばかりの我が娘とすり替えた。こうして運命が入れ替わった2人の赤ん坊が、成長して医師を目指し、運命の再会を果たす。
馬医から人を診る医師となり、御医にまで上り詰めるというのは史実と同じで、劇中、馬をはじめサルなど動物もたくさん登場する。クァンヒョンを演じたチョ・スンウが動物を診るときの視線がとても優しい。これこそがイ監督が彼をキャスティングしたかった理由の一つだ(前述のインタビュー参照)。
医官になってからは、先が刃物になっている鍼を使ってクァンヒョンは数々の外科医術を行い、これまでの脈診や鍼治療が中心のメディカル史劇とは一味違う。実父を罠にはめた真犯人捜しや、チニョン(イ・ヨウォン扮)を挟んだイ・ソンハ(イ・サンウ扮)とのトライアングルラブもチョ・スンウは優しく演じている。俳優チョ・スンウ、イ・ヨウォン、イ・サンウについては【「馬医」を2倍楽しむ】で詳しく紹介している。
◇Youtube「馬医」予告動画
【作品詳細】 【「馬医」を2倍楽しむ】