【韓ドラコラム】<秘密の扉>世子の師・朴文秀(パク・ムンス)は正義の暗行御史でデキる政治家!

2018年11月12日21時00分ドラマ

韓国ドラマ「秘密の扉」で思悼世子の師役で登場するパク・ムンス(イ・ジェフン扮)は、「暗行御史パク・ムンス」主人公で朝鮮王朝時代に実在した国民的ヒーロ!今回は実在の朴文秀とドラマで描かれるパク・ムンスを紹介、作品公式サイトなどで予告動画が公開されている。
「秘密の扉」相関図

■朴文秀(1691年生~1756年没)
代々続く少論派の名門の家に生まれた朴文秀は幼少期から優秀で、33歳で科挙に合格し文官となった。しかし、朝鮮王朝第21代王・英祖が即位し老論派が政権を取ると失職してしまう。その後、英祖が党派に偏らない蕩平政治を行い復職。1727年「暗行御史」として密使嶺南(慶尚南北道)に派遣される。「暗行御史」とは、王命を受けて地方官の不正摘発と民心調査の目的で隠密に地方に派遣される官吏で、選ばれたのは官僚社会の汚れや派閥のしがらみにとらわれていない清廉潔白な人物たち。朴文秀もまたそうした人物で私利私欲のない彼の行動は民からの信頼を得た。その後も多くの功をたてた彼は、1728年の「李麟佐の乱」では討伐軍の従事官として功を立て、1741年には御営大将として咸鏡道で飢民の救済をして記念碑も建てられた。

民からは英雄と称えられた彼だが、両班の弊害を論じるなどして煙たがられ弾劾や左遷、懿昭世子(22代王・正祖の兄)が死亡すると責任追及されて済州島へ流刑にされてしまう。だが、翌年には赦免されて現在の副首相に相当する右参賛に昇進。地方官の悪政を暴いた朴文秀は、政治家としても党派を超えた実用的な政策を行おうとした。
子の居なかった彼は伯父・朴泰漢の孫の1人を養子として迎え1756年に死亡、享年66歳だった。

■ドラマなどで人気のキャラ
隠密に地方に出かけて悪を成敗する!まるで「水戸黄門」のような勧善懲悪の朴文秀の暗行御史としての活躍は、尹仁完原作×梁慶一作画による漫画『新暗行御史』(月刊サンデーGENE-X(小学館)Amazonでチェック)として刊行され、初の本格的な日韓共同合作アニメ映画としても製作されて日本では2004年12月4日に公開された。
暗行御史またドラマでは「朝鮮王朝500年 閑中録」(1988年、MBC)でピョン・ヒボンが、「御史出頭!~暗行御史パク・ムンスの事件簿~」(1999年、KBS、Amazonでチェック)でアン・ジェモが、「暗行御史パク・ムンス」(2002年、MBC、Amazonでチェック)でユ・ジュンサンがカッコいい朴文秀を演じている。
また、晩年政界で活躍する政治家・朴文秀としては「秘密の扉」ではイ・ウォンジョンが渋い演技で魅せてくれる。
「秘密の扉」相関図

kandoratop【作品詳細】【「秘密の扉」を2倍楽しむ】

NHK「秘密の扉」番組公式サイト
 2018.09.02スタート 日21:00-
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