NHK「アンという名の少女」最終回考:第8回ラストはシーズン2で起こる事件の幕開け!

2020年11月01日23時40分ドラマ
Marvin Moore ©2017 Northwood Anne Inc.

11月1日(日)、NHK総合で「アンという名の少女」最終回(全8話)が放送され、借金返済の目途も立ってハッピーエンドで終わった!しかし、これはシーズン2で起きる大事件の始まりに過ぎなかった!シーズン1最終回の振り返りと、その後のシーズン2と3についてネタバレなしで紹介しよう。
※NHKプラスで1週間見逃し配信⇒NHKプラスについて

※11月8日からは日・韓でもリメイクされた「グッド・ワイフ 彼女の評決」のスピンオフのシーズン2「グッド・ファイト2」を放送する。

※2020年11月20日より毎週日曜、【「アンという名の少女」シーズン2の各話のあらすじと見どころ】を2話ずつ更新。



「アンという名の少女」は、カナダの小説家ルーシー・モード・モンゴメリによる小説『赤毛のアン』をカナダCBCとNetflixにより共同製作したテレビドラマシリーズ。全3シーズン制作され、NHKでは1シーズン(全7話)を8回で放送した。
【「アンという名の少女」を2倍楽しむ】では、各話の詳しいあらすじと見どころ、豆知識などまとめて紹介している。

■シーズン1振り返り
最終回は船の沈没での負債の穴埋めに、マシューがグリーン・ゲイブルズを抵当に入れて銀行から融資を受けたものの、無理がたたって寝込んでしまい、マリラとアンが借金返済に奮闘する展開だった。

大人の事情が満載で、子供と見るには刺激が強すぎ、大人が見ても辛い展開が多かったシーズン1だったが、マシューの優しさに何度も泣かされた。マシューとマリラ、周りの人びとに支えられアンにも幸せな家族ができたが、周りのみんなもアンによって多くの気づきがあった。お隣のリンド夫人、ダイアナと彼女の両親、クラスメート、そして何よりマシューとマリラはアンによって、人生観が大きく変わった。特にマリラは剛直すぎるその性格ゆえに、アンを傷つけ自分自身さえがんじがらめになってしまうこともあったが、アンによって心に余裕ができ、最終回では「愛から生まれる助け」を素直に受け入れることもできた。

周りに多くの影響を与え成長したアンだが、ダイアナの支えがなければアンのグリーン・ゲイブルズでの生活もこううまくはいかなかったはず。いつもどんな時も味方になってくれたダイアナは、時にはマシューやマリラ以上にアンの力になってくれた。そしてダイアナの大叔母ジェセフィンの存在も大きい。彼女は、男性ではなく女性である親友を生涯愛した。心から人を愛することと社会常識にとらわれないことを、アンに教えてくれ、アンの生涯の道しるべとなった。最終回でも決して親切の押し売りではなく、さらりとカスバート家を救い、グリーンフィールズを守ってくれた。

シーズン1の最終回には多くの伏線が散りばめられており、シーズン2と3で回収していくことになる。最も気になるのは、ラストで新聞広告を見てやって来る2人の男たち。マリラが出した新聞広告は下宿人募集の広告で、2人はその下宿人としてやって来るのだが、彼らはジェリーを襲った暴漢。カフェでアンとギルバートの後ろに座っていた男たちだった。シーズン2はこの2人のためにアヴォンリーでとんでもない騒動が起きる。

また、借金返済のためにマリラのアメジストのブローチを売りに出したことで、マシューの懐中時計と一緒に、カスバート家の2つの形見が店のショーウィンドに並ぶことになってしまった。だが、これはいずれカスバート家に戻って来る。はたしてどんな経緯から戻って来るのか?シーズン2ではマシューとマリラのロマンスや胸のトキメキも描かれる。

アンの交友関係も気になる。ダイアナは親の決めた人生レールをそのまま歩いていくのか?最終回までアンに意地悪したジョシーとは仲良くなれるのか?アンによって学ぶことと夢を持つことを知った、手伝いの少年ジェリーは?そして、顔を突き合わせると喧嘩ばかりのアンとギルバート。明らかにお互い好意を持っているはずの2人だが…ルビーとの三角関係は勃発するのか?

こうした問題を解決するシーズン2と3で展開されるエピソードをネタバレなしで紹介しよう。

■シーズン2(全10話)
●アヴォンリーに金脈?
カスバート家の下宿人の1人があるものを発見し、アヴォンリーに金が出るのではないかという噂が広まる。バリー家では金鉱を当てようとするが、マシューとマリラは慎重になる。一方、もう一人の下宿人は、アンを妹のようにかわいがってくれる。ところが、ある人と出会い、「直観を研ぎ澄ませ」と教えられたアンは、下宿人2人に不信感を抱く。
果たして、本当にアヴォンリーで金が見つかるのか?

●ギルバートに新しい友達!
広い世界を知るために蒸気船で働き始めたギルバートは、そこで気のいい黒人男性バッシュと知り合い友情を結ぶ。人種差別が厳しい世の中でバッシュと行動するギルバートは、ある出来事から将来の職業について真剣に考えることに。
ギルバートが考えた職業は?

●容姿に悩むアンがイメージチェンジ!
学校でキスゲームに参加したアンは、ジョシーたちにいじわるされ、美しさと愛の関係に真剣に悩む。キスゲームでアンに救いの手を差し伸べてくれたコールもある悩みを抱えており、非凡な者同士の2人は特別なつながりを感じていく。そんなある日、美に憧れるアンはイメージチェンジを図るが…。
アンはいったいどんなイメージチェンジをするのか?そしてコールの悩みとは?

●新風を吹き込む女性教師!
フィリップス先生に代わって女性教師ステイシーがやって来るが、親たちは斬新な教育法を実践するステイシーを受け入れずに、ステイシーは解雇の危機に陥る。アンたちはある作戦を立ててステイシー先生を救おうとする。そんな中、コールは人生を変える決断をする。
斬新な教育法ゆえに問題も起きる。型破りのステイシー先生の教育でアンたちは何を学ぶのか?

■シーズン3(全10話)
●自分のルーツが知りたいアン!
マシューやマリラとの生活は幸せに満ちたものだったが、アンはプリンスエドワード島の先住民であるミクマク族の少女カクウェットとの出会いで、自らの出自について知ろうとする。そんなアンを見て不安に駆られるマリラは反対する。アンは、先祖捜しをしながら自分の心に真っすぐに向き合い、進むべきを見出していく。
マリラはなぜアンのルーツ捜しを反対するのか?アンの出自は明らかになるのか?

●先住民の同化政策!
政府の方針で、ミクマク族の子供たちにも平等に教育を受けるチャンスが訪れる。アンの友人カクウェットも、多くのことを学ぼうと、夢を抱いて寄宿学校に入るが…。
寄宿学校ではどのような教育が行われるのか?

●アンの記事が大問題に!
ステイシー先生のもと、アンたちは新聞を発行していたが、アンが書いた女性に関する進歩的な記事が、ジョシーを傷つけ、読者たちの怒りを招く大問題に。
シーズン1の最終回(豆知識で紹介)で、ジェセフィンが別れ際に、「いつかアンが男名でなく、自分の名前で本が出せるように」と、1冊の本を手渡してくれたが、アンは本名で進歩的な記事を書く。いったいアンは何を書き、なぜジョシーを傷つけることになるのか?

●アンの友情と愛!
アンが、ダイアナのある秘密を知ったことで友情に亀裂が入ってしまう。そしてやっとギルバートへの想いを確信したアンだったが、お互いの勘違いのためにすれ違ってしまったまま、それぞれ大学進学という新たな門出に踏み出す。
ダイアナの秘密にはジェリーが関わって来る。一方、ギルバートの婚約者(?)まで登場して、アンの初恋は実るのか?

虐待、性描写、ジェンダー、人種差別など目を覆いたくなるエピソードもたくさん描かれる本シリーズ。シーズン1を観始めた視聴者の中には、主人公アンの癇癪にイライラした方も多かったのでは?しかし、孤児ゆえの辛い経験と過酷な環境で育ったアンが、現代より偏見の強かっただろう当時で生き抜くためには、「思い出より想像する方が好き」(第1話)のアンのセリフのように、想像の翼を広げるしかなく、問題行動を起こしてしまうのも理解できる。

そんなアンの心情を丁寧に描いた本作。残念なことにシーズン3が打ち切りとなり、最終回は少々駆け足になった感が残念だったが、全シーズン通して、現代社会にも通じる問題提起がいくつもされており、見ごたえのある作品である。そんな本作のシーズン1~3はNetflixで独占配信中だ。

■キャスト(声のキャスト)
アン・シャーリー:エイミーベス・マクナルティ(上田真紗子)
マリラ・カスバート:ジェラルディン・ジェームズ(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン(浦山迅)
ダイアナ・バリー:ダリラ・ベラ(米倉希代子)
ギルバート・ブライス:ルーカス・ジェイド・ズマン(金本涼輔)
レイチェル・リンド:コリーン・コスロ(堀越真己)
ジェリー・ベイナード:エイメリック・ジェット・モンタズ(霧生晃司)

■原作・制作
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ

NHK番組サイト
 2020.09.06スタート 23:00-24:00 NHK総合
NHK|どーがレージ「アンという名の少女」予告動画

Netflix

【作品紹介】【シーズン1作品紹介】【「アンという名の少女」を2倍楽しむ】