「リセット~運命をさかのぼる1年~」おススメ鑑賞コラム:イ・ジュニョク&ナム・ジヒョンが導く、人生のリセットの先とは…

2021年04月02日12時00分ドラマ

日本のドラマ「リピート~運命を変える 10 ヶ月」を韓国で大胆にリメイクしたミステリー・サスペンス「リセット~運命をさかのぼる1年~」が、本日4月2日(金) DVD-SET2、レンタル VOL.7~12(最終巻)まで一挙リリース!映画・ドラマの執筆で活躍している佐藤結によるおススメコラムが到着した!予告動画は作品公式サイトで公開中だ。



「リセット~運命をさかのぼる1年~(原題:365)」(全12話)韓国ドラマ紹介「リセット~運命をさかのぼる1年~」は、人生を“リセット”する幸運のチケットは、連続殺人事件への入り口だった──見始めたら止まらない、究極のミステリー・サスペンス。

信頼する先輩を殺された刑事ヒョンジュとひき逃げ事故で車椅子生活となった人気ウェブ漫画家のガヒョン。生きる気力を失っていた2人のもとにある日突然、「現在の記憶はそのままに、1年前に戻ることができる」と女性の声で電話がかかってくる。彼女によって集められた男女8人とともに1年前に“リセット”し、完璧な人生を目指すも、参加者が相次いで謎の死を遂げる連続殺人事件に発展。想定外の運命に巻き込まれた2人は事件を解決し、未来を変えることができるのかー!?

●「もし、自分だったら 1 年前に戻って何をするだろうか?」 「去年の今頃は、あんなことができていたのか……」
リセットこの 1 年、何度、そんなことを思っただろうか。仲のよい友人たちと大声でしゃべりながらおいしいものを食べること。映画を見に韓国に行くこと。好きな舞台を劇場で見ること。家族で他愛もない話をしながらカードゲームを楽しむこと。などなど。あまりにも“当たり前”だと思っていたことが、自分にとっていかに大きな意味を持っていたかということに遅まきながら気づいた。そんな今だからこそ、見ず知らずの人間から「1年前に戻ってみませんか」と提案されることから始まるドラマ『リセット~運命をさかのぼる 1 年~』は、見る者に切実な問いを投げかける。「もし、自分だったら 1 年前に戻って何をするだろうか?」と。

●「まったく見ず知らず」のはずだった人々の、隠されていた因縁が明らかになっていく…
リセットドラマの主人公は、親しかった先輩を殺され生きる気力を失っていた刑事チ・ヒョンジュ(イ・ジュニョク扮)と、売れっ子ウェブ漫画家ながら、交通事故によって下半身不随となってしまったシン・ガヒョン(ナム・ジヒョン扮)。謎の精神科医イ・シンから「現在の記憶を残したまま1年前に戻ることができる」“リセット”の方法を知らされた二人は、彼女によって集められた人々と一緒に過去へと向かう。1 年前に戻り、人生をやり直すチャンスを得たヒョンジュは先輩刑事を助け、ガヒョンも交通事故を無事、避けることができる。しかし、運命を変えることを望んで過去へとやってきた“リセッター”たちは、なぜか、一人、また一人と命を落としていく。どうやらその背後には、精神科医イ・シン(キム・ジス扮)の思惑がありそうだと気づいたヒョンジュとガヒョンは調査を進めていく。

話数を重ねるごとに「まったく見ず知らず」のはずだった人々の、隠されていた因縁が明らかになっていくこのドラマでは、“リセット”という奇想天外な設定を大枠に置きながら、登場人物それぞれの人間性が細かく描き出されている点が興味深い。たとえば、最年少の“リセッター”で、ガヒョンとも親しくなっていく浪人生キム・セリンが見せていく裏の顔や、廃車場に勤め、危ない仕事も躊躇しないように見える強面のペ・ジョンテが秘めていた切ない事情など、「第一印象とはまったく違う」姿は、人間の持つ複雑性を表している。また、そのことが、彼ら彼女らが“リセッター”として選ばれた理由ともリンクしているという展開に引き込まれる。「真実を探っていく」ことが使命である刑事と、「物語を構成し、意味を生み出していく」ことが得意な漫画家という職業を持つ二人が水先案内人となっていく設定もうまい。

リセットそうした個性豊かなキャラクターたちを演じる俳優陣の好演も見逃せない。刑事チ・ヒョンジュ役はデビューから間もない時期に出演した『怪しい三兄弟』(09)でのエリート刑事役も懐かしいイ・ジュニョク。近年は『秘密の森〜深い闇の向こうに』(17)で演じた検事など、クセのある役柄も見事に見せる俳優へと成長した。『リセット』では、誠実な心を最後まで失わないヒョンジュを力強く演じている。そんな彼と協力していく漫画家シン・ガヒョン役は、『善徳女王』ほか、数々のドラマで主人公の少女時代に扮した後、『あやしいパートナー〜Destiny Lovers〜』(17)や『100 日の郎君様』(18)に主演してきたナム・ジヒョン。1 年前に戻ったことで心に深い傷を負うが、勇気を持って真実に向かっていく姿が感動的だ。そのほか、ドラマ『花郎<ファラン>』(16)や映画『完璧な他人』(18)のキム・ジスや、ドラマ『ダーリンは危機一髪!』(19)などのドラマだけでなく、ラッパーとしても活躍するヤン・ドングン、深く響く声が魅力のベテラン俳優ユン・ジュサンといった俳優たちが、一筋縄ではいかない人物になり切っている。

「新型コロナウイルスの感染が広がる」という未来を知りながら、1 年前に“リセット”することができたら、私たちは何をするだろうか。人より先にマスクや消毒用アルコールを買い占める? あるいは親しい人々を説得して、一緒に少しでも安全と思える場所に移住する? しかし、いくら自分が“知っている”からといって、他の人たちを出し抜くようなことをして、その後の人生を心穏やかに過ごすことができるだろうか。そう考えると、結局は、今できる“最善のこと”に力を尽くしていくしか選ぶ道はないのかもしれない。「1年前に戻ってみませんか?」という提案から始まる『リセット 運命をさかのぼる 1 年』を見て、そんなことを考えた。
執筆:佐藤結(ライター)

■キャスト
イ・ジュニョク「青い鳥の輪舞〈ロンド〉」「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」
ナム・ジヒョン「100日の郎君様」「あやしいパートナー〜Destiny Lovers〜」
キム・ジス「花郎<ファラン>」「輝く星のターミナル」

■スタッフ
演出:キム・ギョンヒ「仮面の王 イ・ソン」
脚本:イ・ソユン「エア・シティ」/イ・スギョン

「リセット~運命をさかのぼる1年~」⇒Amazonでチェック
DVD-SET1 発売中
DVD-SET2 2021年4月2日(金)発売
※同時レンタル開始
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(C)2020MBC

公式サイト
予告編

kandoratop【作品詳細】【「リセット」を2倍楽しむ】