「ポッサム‐運命を盗む」(原題) 時代劇初心者~上級者までお勧め!時代背景②朝鮮王朝中期(考)
9月10日(金)よりKNTVにて日本初放送されるチョン・イルとクォン・ユリ(少女時代)共演の「ポッサム‐運命を盗む(原題)」、今回はドラマの舞台となった朝鮮時代中期について駆け足でご紹介、スペシャルサイトではドラマの見どころやハイライト映像、相関図など公開している。
【「ポッサム‐運命を盗む」を2倍楽しむ】では、ドラマの見どころやキャストの紹介、時代背景、放送にあわせて各話のあらすじと見どころも紹介するので視聴の参考にどうぞ。
「ポッサム‐運命を盗む(原題)」は朝鮮王朝第15代王・光海君の時代が舞台。寡婦を連れ去り再婚させる風習“ポッサム”をテーマに、男やもめと後家になった王女が、王宮に潜む陰謀を明らかにするため、夫婦を偽り共に生活するロマンス時代劇。※ポッサムについては時代背景①で詳しく解説。
光海君(キム・テウ)■史実を絡めたフュージョン時代劇
本作はフィクションだが、光海君の治世である王朝中期を舞台にしており、実際にあった事件や実在の人物などもたくさん登場する。チョン・イル主演の「ヘチ 王座への道」は主人公が王族で朝廷を中心にストーリーが展開したが、本作は主人公が荒くれ者という設定でスタートし、市井を中心に展開するので時代背景を知らなくても楽しめる。ストーリー展開もテンポよく、ロマンスもたっぷり描かれるので、時代劇初心者や苦手な方にもお勧めできる一作だ。とはいえ、派閥の対立や、光海君、イ・イチョム、キム・ゲシ、キム・ジャジョムら実在の人物が多数登場するので、歴史に詳しい方ならドラマの深堀や先読みなどもできそうだ。
※500年以上続いた王朝の歴代王については【朝鮮王朝系図】で確認できる。
■王朝中期は政争と戦乱の時代
朝鮮王朝は1392年に高麗の武将・イ・ソンゲが即位してスタートし、1910年まで500年以上続いた。開国当初から後継者問題で政争が起きるが、4代王・世宗の時代に内政・外交ともに安定した。朝廷内では新旧勢力が対立し新勢力が政権を掌握するが、新勢力が東人派と西人派に分裂。
大北派首長:イ・イチョム(イ・ジェヨン)一時は均衡を保っていたが、王朝中期の16世紀末になると2度の日本からの侵攻(壬生倭乱・丁酉再乱/文禄・慶長の役)により、国土は荒廃、民は疲弊し、戦乱以前に政権を担っていた東人派は北人派と南人派に分裂し、さらに北人派は大北派と小北派に分裂する。後継者が決まらないまま第14代王・宣祖が死去すると、大北派は戦争で大きな手柄を立てた側室の子である光海君を推し、小北派は宣祖の正妃が生んだ永昌大君を推す。結局、光海君が王位に就き、これにより巨大な権力を手にした大北派は永昌大君を亡き者にし、対立する西人派に謀反の濡れ衣を着せて一掃する。これが1613年の「癸丑獄事」(または七庶獄事)だ。しかしこれが、光海君廃位の名分を与えることとなり、1623年、西人派は綾陽君(後の仁祖)を擁立し、クーデター「仁祖反正」を引き起こすことになる。
※朝鮮王朝のドラマで厄介なのは分裂を繰り返す政治派閥(党派)。その流れは【党派の年表】で確認できる。
【ドラマの年表:朝鮮王朝】拡大する■同じ時代を描いたドラマは?
朝鮮時代を舞台にしたドラマはたくさんある。王朝の開国から後継者問題で揺れた初期を描いた作品には「六龍が飛ぶ」や「私の国」など。王朝中期で光海君の治世を舞台にしたドラマは「華政(ファジョン)」をはじめ、「王になった男」「ノクドゥ伝~花に降る月明り~」など特に多い。「華政(ファジョン)」では、癸丑獄事や仁祖反正なども比較的史実に沿って描いており、本作でキーマンとして描かれるイ・イチョムやキム・ジャジョムらも登場するので、「華政(ファジョン)」を視聴された方にとって本作はスピンオフとしても楽しめそうだ。
※【ドラマの年表:朝鮮王朝】で同じ時代を舞台にしたドラマが確認できる。
かつては暴君とされた光海君は、近年新解釈で名君としても描かれることが多い。果たして本作で光海君はどんな王として登場するのか?また、チョン・イル扮するバウが実在の人物かどうか探ってみるのも面白い。「ポッサム‐運命を盗む」(原題)は、KNTVで9月10日(金)午後8時より2話連続で放送される。
◇KNTV「ポッサム-運命を盗む(原題)」
2021年9月10日スタート 金20:00-22:30 2話連続、日本初放送(全20話)
(再放送)木11:30-14:00
◇KNTV「ポッサム-運命を盗む(原題)」スペシャルサイト
■視聴方法
KNTVはスカパー!、スカパー!プレミアムサービス、ひかりTV、J:COMほか各ケーブルテレビで視聴可能。
◇KNTV視聴方法ページ
【作品詳細】【「ポッサム‐運命を盗む」を2倍楽しむ】