「暗行御史~朝鮮秘密捜査団~」第15-16話(最終回)ネタバレあらすじと見どころ:農民の反乱と兄弟が夢見た世

2022年01月29日08時00分ドラマ
@KBS

イギョム(キム・ミョンス/エル)たちは、元領議政キム・ピョングンと手を組んだ観察使ハクスを成敗することはできるのか?WOWOWにて放送・配信中の韓国ドラマ「暗行御史<アメンオサ>~朝鮮秘密捜査団~」、2022年1月28日(金)に放送した第15話「奴隷市場」と第16話(最終回)「民のために」の詳しいあらすじと見どころを紹介しよう。

※2月4日からは、現代の男性の魂が朝鮮時代の王妃の体に入り込んだことから巻き起こる騒動を描く、“魂入れ替わり”のラブコメディ要素を含んだ時代劇「哲仁王后 俺がクイーン!?」を放送する。



「暗行御史<アメンオサ>~朝鮮秘密捜査団~」は、朝鮮時代の王室の秘密捜査官である暗行御史と御史団が、民衆の無念を晴らすために不正腐敗に立ち向かっていく痛快時代劇。

■第15話「奴隷市場」
深手を負ったチョン・ゲスを何とか医者の所に連れて行ったものの、追っ手の兵に見つかる。イギョムとイボムは協力して危機を脱する。チョン・ゲスは息を引き取り、「あの場でハクスを殺すべきだった」と止めたイギョムを恨むイボム。「もし、ハクスを殺していたら、奴は罪人ではなく義人となり、全州も荒廃しただろう」というイギョムの言葉も受け入れず、「兄上が奴を生かした。そのせいで他の人が死ぬようなことになれば、命で償ってもらう」と対立の姿勢を見せる。

戻ってきたイギョムから経緯を聞いたダインたちは、捕らわれた者たちを心配するが、イギョムは、そう簡単に彼らを処刑しないと考える。だが、ハクスが女性を多く捕らえて行った理由が分からない。

王宮。ダイン/ヨンシンが縁談を断った上に、姿を消したと知った王は、すぐにダインを連れ戻せと命じる。そこで領議政チャン・テスンはいつものように王命を口実にチェ武官を全州へ派遣する。

陶器村の人々と隠れていたスネが、病の子を医者の元へ連れて行き、医師からチョン・ゲスの死を聞く。そこに、盗賊の一人が怪我を負ったと聞きつけたペ裨将が聞き込みにやってきて、スネは監営へ連行されてしまう。その様子を御史団一行が偶然目撃する。捕らえたのがスネとは知らないハクスは彼女の投獄を命じる。
※裨将(비장ピジャン):朝鮮時代、地方官に随行した幕僚格の武官。

御史団はぺ裨将の屋敷に押し掛け、「捕らえた陶器村の者たちを奴婢市場で売り飛ばすつもりで、女は高値で売れるので大勢連れて行った」と聞き出す。このままではスネも売り飛ばされてしまう。イギョムは、以前、自分たちも売り飛ばされそうになった民家で情報を得ることに。ところがそこには先客としてチェ武監が宿泊しており、女主を脅して奴婢市場の通行手形を手に入れることに成功する。人々を救出したらダインを漢陽に連れ帰るという約束で、チェ武監も作戦に合流する。

翌日、奴婢市場に乗り込んだ御史団一行。そこには常民(良民)のスネもいた。スネから、「『自売文記』を書かされて連行されたこと、中には薬にする肝臓を取るために奴婢を買うこともある」と聞く。商談に入り、全員を買い取るというイギョムに、奴婢商人は1万両で奴婢市場ごと売りたいと持ち掛ける。渋るイギョムに「役人に賄賂を贈っているから無許可でも安心。新しい観察使ハクスは奴婢まで提供してくれる」ととっておきの話をする。そこにハクスが御史団逮捕に乗り込んでくる。実は、イギョムが暗行御史として奴婢市場を調べていると知ったハクスが、キム・ビョングンに相談し、「御史が盗賊と結託して謀反を計画しているという名分で捕らえろ」という知恵を授けられたのだった。ハクスと対峙したイギョムは兵に取り囲まれるが、チェ武監の助けで危機を脱出する。
※自売文記(자매문기、チャメムンギ):本人や家族を奴婢として売るための文書。詳しくは【朝鮮王朝豆知識】「◆身分階級」参照。

一方、蜂起の準備していたイボムは、スネが官軍に捕らわれたと聞き今月末の決行を決め、「ハクスに天誅を下し、王には民への弾圧と収奪を禁止し、人らしく生きられる世の中を作ると約束してもらう」という反乱の目的を仲間と共有する。

イギョムを取り逃がし焦るハクスは、ビョングンから今度は「暗行御史出頭をできなくすればよい」という奸計を授けられる。そして自売文記の中に“カン・スネ”の名前を見つけ、奴婢市場からスネを連れ出す。

ついに決行の日。イボムは武器を棺に潜ませ役所へ向かう。その頃、イギョムに説得され漢陽に戻ることにしたダインは、鳥の死骸をみて不吉な思いがよぎる。ダインと別れたイギョムとチュンサムは、暗行御史出頭のための配備兵のいる兵営へ向かうが…。

■見どころ
チャン・テスンとチェ武官のお決まりのやり取りが笑える。ハクスたちが盗賊と呼ぶチョン・ゲスたちを医者は義人と呼んでいる。奴婢市場では人々を物扱い。奴婢のチュンサムの辛そうな表情をお見逃しなく。冒頭ではイギョムとイボムの兄弟連携はうまくいったものの、またもや喧嘩別れに。最終回で、2人の仲は修復できるのか?

暗行御史ep16■第16話(最終回)「民のために」
ダインと別れ、御史出頭の準備に入ったイギョムたちの前にハクスが現れる。「暗行御史を妨害する者は重罪となる」と言うが、ハクスは、イギョムが盗賊の後ろ盾という理由をつけて兵たちを引きさがらせない。スネも人質にしたと聞いたイギョムたちは抵抗するも捕まってしまい、馬牌まで取り上げられる。

イボムたち一行は、仲間に喧嘩騒ぎを起こさせ検問通過に成功。漢陽に戻る道中、ダインは檄文の存在を知り手に入れる。それは「観察使に制裁を加えるために蜂起する」というイボムが、同志を募るために配ったものだった。決行日は今夜。ダインの説得に負けてチェ武監も一緒に全州に戻る。

監営に連れていかれたイギョムは、捕らわれたスネと再会。ハクスはスネが禁教の天主教徒だと教え、かつて見逃してやる代わりに自分の夜伽をしろと命じたが、断り、処刑にしようとしたと明かす。「スネを守ってくれ」というイギョムとの約束を守るために、イボムがスネを連れて逃走したのだと知り、申し訳なさに涙を浮かべるイギョム。ハクスはそんなイギョムに「盗賊と天主教徒と結託している罪と引き替えに、全羅道では民を平和裏に統治しているという偽証文を書くよう脅すが、イギョムは「お前たちは民の税で禄をはむ。恥ずかしくないのか!」と声を荒げる。

投獄されたイギョムたちは脱獄を試みるも軍官に見つかり、奴婢市場に連行すると連れ出される。ところが人気のない場所で軍官はイギョムたちの縄を解き、「観察使の下で犬死するより、御史について少しでも義を尽くして死にたい」と持ち出した馬牌もイギョムに返す。部下たちも軍官に続き、軍官はスネを安全な寺に連れて行く。

全州に戻ったダインたちは、流刑に処されたはずのキム・ビョングンが悠然と輿で監営に向かう姿をみて、イギョムの計画が失敗したと察して捜しに行く。その頃、全州市場にはイボムの檄文に賛同した農民たちが続々と集まっていた。

その夜、イボムたちは武器を持たせた農民たちと監営に到着するが、人気がなく、イボムは数名で監営の中に入る。罠だった!ハクスの兵に包囲され、捕まり、門の外の農民たちも一網打尽にされてしまう。

翌朝、準備が整い暗行御史出頭のとき、ダインがやってきて、監営の前でビョングンとハクスが一緒にいたこと、檄文を見せてすでにイボムたちが蜂起したはずだと教え、奴婢市場に捕らわれている人たちを救うのが先決だと提案する。御史団が奴婢市場に到着したとき、まさに証拠隠滅のために奴婢たちが殺害されるところだった。イギョムは彼らを解放し、後をダインたちに任せて監営へ急ぐ。

御史団の兵を引き連れ監営に到着したイギョム。静まり返った監営を不審に思いながらも中へ入ると、流血して倒れているイボムを発見し、駆け寄って抱き起す。するとハクスの兵がイギョムを包囲。ビョングンと共に現れたハクスは「御史が盗賊と内通していた。御史に同意する者は同罪として罰する」と声を荒げる。無実を口にするイギョムに、ビョングンは「無実なら、この罪人の首を斬って無関係だと証明しろ」と刀を投げ出す。観念して「私を殺してください」というイボム。刀を手にしたイギョムは「何と残酷な兄弟の縁だ」と刀を捨てる。

そこに、ダインとチェ武監が奴婢商人たちや解放された人々を引き連れてやってくる。ダインは「常民を無理に奴婢にして不法売買をしようとした」と告げ、奴婢商人が「そうした奴婢は全員ここから送られてきた」と証言。なおも罪を認めないハクスは「逆らうものは容赦なく殺せ」と怒声を挙げ、緊張が走ったとき、イギョムが「民を守るべき者たちが民の無念な叫びを聞いても殺せるのか?」と声を挙げる。さらに軍官が「恥ずかしくないのか!私たちはあの者たちの悪行を知っているだろ!」と叫ぶ。イギョムの「民のために働きたい者は武器を捨てろ」という言葉に、軍官が武器を捨て、次々と兵たちも捨てる。イギョムはハクスとビョングンを連行させるが、兵の手を払ったビョングンが短刀でイギョムに襲い掛かり、兄を庇ってイボムが胸を刺される。崩れ落ちる弟を抱きしめたイギョムは、イボムの遺体をスネのいる寺へ運び葬るよう匪賊団に指示し、蜂起の首謀者が死亡したために残った者の罪は問わない。また、獄中の者は赦免し、強制的に奴婢にさせられ者には身分回復を宣言すると、大歓声が上がった。

罪人たちを連行し、漢陽に帰る御史団一行。スネを見かけたイギョムは、皆を先に行かせ死んだはずのイボムと再会。イギョムはイボムを助けるために死んだふりをさせたのだった。礼を言うイボムに、「私たちの夢見た世の中のために努力しよう。お前もいい世の中を作ってくれ。そうすればまたいつか会える」というイギョムに、「はい。兄上」と素直に答えるイボムだった。

無事漢陽に戻った御史団。朝会(重臣たちとの会議)で王は、イギョムの功をねぎらうも、「監察使を殺そうとしたのが弟というのは誠か?」と問う。イギョムは異母弟であることを認め、重臣から反乱の背後にいたのかと追及される。領議政チャン・テスンは、「民を食い物にするハクスに対する反乱で、より大きな蜂起を食い止めたのです」と弁明。イギョムは、「彼らが蜂起したのは、自分たちの声を聞いてほしいからで、彼らの夢見る世の中が実現しないなら、また反乱は起きます」といい、彼らの夢が「人間らしく生きられる世の中」と教え、民の声に耳を傾けてくださいと。王は、御史が民心を慰め、騒ぎを落ち着かせた。したがって乱に関わった者は誰も処罰せず、今後、農民たちの反乱に関して不問にする。ピョン・ハクスは流刑、キム・ビョングンには極刑を科する」と宣言する。

夜、イギョムとダインは月に向かって願掛け。「この世から苦しむ人がいなくなるよう」という願いはダインと同じだからと、イギョムは「君と生涯を共にし、今のように生きられるように」と別の願いを口にし、「叶う気がする」と答えるダイン。そんな2人を祝福するように雪が降る。

イギョムは『請婚書』を認めるが、王に呼び出される。どうやら“暗行御史ソン・イギョム”を騙る偽御史が横行しているらしい。イギョムは本物の御史を派遣して解決してほしいと願うが、イギョムほどの御史はいないと言われ、自らその任につく羽目に。正式な求婚を期待するダインに、またもや暗行御史として慶尚道へ行くことになったと報告するイギョム。怒ったダインは「戻るまで待てというつもり?私は待てないわ」といって立ち去ってしまう。

意気消沈のイギョムは、慰めてくれるチュンサムにも暗行御史になると言い、呆れられる。そんなチュンサムに『贖良文記』を見せ奴婢から常民になったことを教えてやる。夢がかなったことを「死んでもこの恩は忘れない」というチュンサムだが、御史団は拒否。
※贖良(속량、ソンニャン):お金や穀食で奴婢の身分から脱するか、国家または主人に功を立てて奴婢の身分から常民の身分になる制度。

単独で新たな暗行御史として出発するイギョムだったが、南大門を寂しくくぐるとチュンサムが待っていた。そして彼の合図に男装のダインがニッコリ顔を出す。フルメンバーがそろって、いざ、暗行御史のお出ましだ!

■見どころ
最終回冒頭。敵兵の長い槍を使ったイギョム役のエルのアクションがカッコいい。ここでイギョムにやられ、ハクスから見捨てられた軍官の表情に注目しよう。この軍官は、第10話でイギョムに助けられた人物。
今回のダインのお手柄は大きい。そして、自分を守って胸を刺されたイボムとその仲間たちの罪を帳消しにしたイギョムの機転も鮮やか。せっかくわだかまりが溶けた兄弟が、離れ離れになるのは悲しい。とはいえ、民のためとはいえ匪賊団は盗賊。他に方法はない。
せつない兄弟の別れはあったものの、胸トキメクプロポーズや新たな暗行御史出発など胸がスカッとする“サイダー時代劇”だった。同時間帯に大ヒット作「ペントハウス」の放送があり、初回視聴率5.0%と静かなスタートをきったが、「ペントハウス」終了後はどんどん数字を挙げ、最終回は14.0%で有終の美を飾った。(数字はニールセン、全国視聴率調べ)



■キャスト
ソン・イギョム役:キム・ミョンス(エル/INFINITE)
ホン・ダイン/ホンラン役:クォン・ナラ
パク・チュンサム役:イ・イギョン


WOWOW「暗行御史<アメンオサ>~朝鮮秘密捜査団~」番組サイト
 2021年12月3日スタート 金19:00-21:25 2話ずつ放送
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kandoratop【作品詳細】【「暗行御史~朝鮮秘密捜査団~」を2倍楽しむ】