NHK「蒼ざめた馬」マークは呪いを解けたのか?難解な結末は視聴者への挑戦か!?【後編ネタバレ】

オズボーン役のパーティ・カーヴェルの最新作「刑事ダルグリッシュ」に注目!NHK総合にて2022年3月20日(日)午後11時に放送予定の「蒼ざめた馬」後編のネタバレあらすじと見どころを紹介、NHK公式サイトで予告動画が、YouTubeのプライムビデオ公式サイトで英語版の予告動画が公開中だ。
「蒼ざめた馬」は、2015年からスタートしたBBCクリスティー生誕125年記念特集ドラマの第5弾で、これまで同シリーズの脚本を掛けてきたサラ・フェルプスによる人気シリーズの最新作だ。⇒作品詳細
60年代のロンドン。ある日、ジェシー・デイヴィスという女性が病死体で発見され、彼女の靴の中から9人の名前が書かれた謎のリストが見つかる。そこには何故か主人公・マーク・イースターブルックの名前もあった。古美術商のマークは美しい妻ハーミアと再婚したが、1年前に浴室の事故で亡くなった前妻デルフィーヌのことが忘れられず、今も夢にうなされるほど思い悩む日々。さらに愛人のトマシーナ・タッカートンと密会した翌朝、マークは彼女が死んでいるのに気づき逃げ出してしまう。謎のリストには、タッカートンの名前も書かれていた。
やがてリストの名前にあった人物が、一人また一人と死んでいき…自分にも死が迫っていると感じたマークは、同じくリストに名前が上がっているオズボーンに〈蒼ざめた馬〉の3人の魔女に呪いをかけられたのではないかと囁かれ、〈蒼ざめた馬〉のあるマッチ・ディーピング村を訪ねることに…。⇒もっと詳しい前編あらすじ
何かを暗示させる前妻の死と、マークの中で過去と現在が入り混じり、視聴者は落ち着かない気分に…。トマシーナの継母イヴォンヌと、クレメンシーの甥のデビッドから〈蒼ざめた馬〉で行われた、3人の魔女による呪いの話を聞き出したマークは思いももよらない行動に出る。
そして、衝撃の結末が!?このなんとも不可思議な結末についての解釈は、とうぜん視聴者それぞれに委ねられているはずなのだが、本国イギリスでは放送終了直後に、SNSで視聴者たちが大議論を繰り広げる騒動に発展、かなりの盛り上がりをみせたようす。
“髪が抜けて死に至る呪い”の原因は、犯人が被害者に服用させたタリウムによる中毒症状だった。古くは脱毛剤として使われていたこともあるタリウムだが、その毒性の強さから現在ではタリウムを使った脱毛剤は販売されていない。今も殺鼠剤などに利用されることもあり、中毒の治療薬としてはプルシアンブルー(紺青)が用いられる。ルジューン警部の病状が同一犯によるものと誰かが気づければ、特効薬で完治できそうなのだが…。
それにしても、60年代のシックな装いのロンドンの風景には心が躍る。気軽に海外旅行が楽しめなくなった今、欧米ドラマの背景から旅気分にひたるのも楽しいのでは?本作で、怪しげな人物ザカライア・オズボーン役を務めたパーティ・カーヴェルが、2021年11月に放送されたばかりの最新作のドラマシリーズ「刑事ダルグリッシュ」で、70年代のイギリスを舞台に、孤高の詩人刑事ダルグリッシュを演じている。カーヴェルのダルグリッシュはすこぶる渋くてカッコイイ!
原作は、英国が誇る偉大なる推理作家、P・D・ジェイムズの代表作の一つである「アダム・ダルグリッシュ」シリーズ。2022年で誕生から60年となる世界中から愛されるベストセラーだ。3エピソード全6話が制作され、こちらも古き良き(昭和の2時間ミステリー的な、スタンダードな)ドラマを、美しいイギリスの風景とともに楽しむことが出来るので是非チェックされたい。
■後編 ネタバレあらすじ
トマシーナの遺産相続人となった継母イヴォンヌを怪しんだマークは、彼女を問い詰めて、〈蒼ざめた馬〉の3人の魔女が、魔法をつかって殺したい相手に呪いをかける仕事を請け負っていることを聞き出す。
クレメンシーの葬儀に〈蒼ざめた馬〉の女たちが現れ、クレメンシーの甥のデビッドがひどく動揺する。マークがデビッドを問い詰めると、金策に困っていた彼も、叔母クレメンシーの遺産を狙い〈蒼ざめた馬〉を訪れて“邪魔者の排除”を願ったことを告白する。
そんな中、ルジューン警部は、1年前に起きた元妻デルフィーヌの事故死に疑問を抱き、マークを疑い始めていた。一方のマークは自分の髪が抜けはじめたのは、妻ハーミアが自分を殺そうと〈蒼ざめた馬〉に依頼したからではないかと考え…。追い詰められたマークは、自らも〈蒼ざめた馬〉に足を運んで、3人の女たちにハーミアと、自分に疑いを抱いているルジューン警部を殺してほしいと依頼する。
実は、デルフィーヌは事故死ではなかった。デルフィーヌの浮気を疑ったマークが感電死させていたのだ。彼がデルフィーヌの白昼夢をみるのは、罪の意識に苛まれてのことだった。マークが村から帰宅すると、薬の過剰摂取で意識不明のハーミアを発見する。さらに、ルジューン警部も突然血を吐いて病院に搬送される。マークがおこなった〈蒼ざめた馬〉の呪いがもう効きはじめたのだろうか…。
その後、マークはこの事件のすべての黒幕が、オズボーンだったことに気がつく。〈蒼ざめた馬〉で女たちが殺害を依頼されると、それを聞きつけたジェシーがオズボーンに伝え、「何でも屋」でもあるオズボーンが、彼らの身辺に出入りし、気づかれないようタリウムを使って毒殺していたのだ。
オズボーンは、魔女たちに殺人を依頼したマークが、警察に通報することはないと高をくくって、罵倒する。オズボーンに馬鹿にされて激高したマークは、彼を殴り殺し、そして金物店に火をつけ遺体ごと燃やしてしまう。
病院で意識を取り戻したハーミアは、ベッドの脇にいた〈蒼ざめた馬〉の女たちから、事件の真相を明かされる。〈蒼ざめた馬〉の女たちは、ただ占いをしていただけで、ジェシーも詳細を知らされぬまま、オズボーンに利用されていたのだ。3人の女たちがクレメンシーの葬儀に現れたのは、事件と自分たちの占いの因果関係を探っていたからだった。
オズボーンを殺害し、自宅に戻ってきたマークは、自分の死を報じる新聞記事に驚く。バスルームには、死んだはずのデルフィーヌがいて、いつもの悪夢が繰り返される。
マークがこの悪夢から目覚めることはなさそうだ…。
■キャスト
マーク・イースターブルック(ルーファス・シーウェル :根本泰彦)
ハーミア・イースターブルック(カヤ・スコデラーリオ:庄司宇芽香)
デルフィーヌ・イースターブルック(ジョージナ・キャンベル :うえだ星子)
スタンリー・ルジューン警部(ショーン・パートウィー:中博史)
ザカライア・オズボーン(バーティ・カーヴェル :多田野曜平)
サーザ(シーラ・アティム:きそひろこ)
シビル(キャシー・キエラ・クラーク:小宮和枝)
ベラ(リタ・トゥシンハム :野村須磨子 )
デイビッド・アーディングリー(ヘンリー・ロイド・ヒューズ:五十嵐明)
イボンヌ・タッカートン(クレア・スキナー :日野由利加)
オスカー・ベナブルズ(ジェームズ・フリート:関輝雄)
ポピー(エレン・ロバートソン:志田有彩 )
ほか
原題:The Pale Horse
制作:2020年 イギリス
【放送予定】総合 2022年3月13日(日)、20日(日)午後11時00分
全2話
[ステレオ2か国語(主:日本語吹き替え/副:英語)| 字幕放送有り]
◇NHK「蒼ざめた馬」nhk公式サイト
◇YouTube「蒼ざめた馬」プライムビデオ公式トレーラー(2分間予告・英語版)
【作品詳細】【「蒼ざめた馬」関連・ネタバレあらすじ】