「哲仁王后 俺がクイーン!?」第15-16話ネタバレあらすじ:ノータッチ禁止同盟と王妃の未来講義|全20話版
王妃の姿のボンファンと哲宗だけが知るウソの合図で意思疎通を図った2人…3月25日(金)WOWOWプライム・オンデマンドにて放送・配信の「哲仁王后(チョルインワンフ) 俺がクイーン!?」(全20話)第15話~第16話のあらすじと見どころ、※豆知識を紹介しよう。
※翌週金曜午前10時50分~2話連続再放送する。
「哲仁王后 俺がクイーン!?」は、現代の男性の魂が朝鮮時代の王妃の体に入り込んだことから巻き起こる騒動を描く、“魂入れ替わり”のラブコメディ要素を含んだ時代劇。【哲仁王后」を2倍楽しむ】では、韓国での評判や制作発表会の様子、実在の哲宗王と哲仁王后・金氏とドラマでの描かれ方などをまとめて紹介している。
■キャスト
キム・ソヨン/王妃(魂ボンファン)役:シン・ヘソン
哲宗/イ・ウォンボム役:キム・ジョンヒョン
純元王后(スンウォンワンフ)役:ペ・ジョンオク
キム・ジャグン(朝鮮語版)(金左根)役:キム・テウ
キム・ビョンイン役:ナ・イヌ
チャン・ボンファン役:チェ・ジニョク
ほか
■第15話「この王宮の腫れ物」
幼い宮女タミャンは麻沸散で眠っているだけで無事に王宮外に連れ出され官奴(国が所有する奴婢)の母親を免賤して一緒に暮らせるよう手配されていた。たかが宮女のためと言う永平君に、「この一人を諦めればこの先10人、100人、全ての民を諦めることになる」と哲宗。ボンファンは哲宗に感謝し、独特の表現で哲宗を誉める一方で、自身とタミャンを殺そうとした連中に復讐を誓う。
※麻沸散(マビサン):チョウセンアサガオを主成分とした麻酔薬。天才外科医・華佗が発明したとされる。日本でも1804年(文化元年)10月、青洲が60歳の患者に対する乳がんの手術で使用したとされている。
ビョンインは父キム・チャグンに「父上を尊敬してきたが、王妃に手を出すなら、私にとって父上ではありません。誰であろうが王妃様に害を与える者は必ず首をはねます」と絶縁宣言。背を向けるビョンインに「いつでも戻って来い。私にとってはお前はいつでも息子だ」と声をかけるチャグン。
王妃を助けるためにキム一族とチョ一族の大臣たちを一堂に集めて酒席を設けたビョンインは、両家門が生き残るための和合を約束する意味で大赦令(特定の罪人に対しての恩赦)を要請し、官職を追われた者たちを赦免すると約束する。その頃チャグンは、横領は兵曹判書の独断だがそれを管理できなかった自分の罪も大きいので、訓練大将の座から降りるという上疏文を書き、必ず返り咲くと心に誓う。
ボンファンは、王妃の父ムングンを王宮に呼んで、帳簿が家門の不正を記録したもので、帳簿を盗んだのが宜嬪らしいと聞く。そこで王妃の命を狙った大王大妃、裏で交錯していた大妃、そのきっかけを作った宜嬪に復讐を開始する。大王大妃には“食”で脅しをかけ、大妃には“祭壇に線香投げつけ”で脅す。そして池に佇む宜嬪には、少しずつ怪物になっているのに気づいていないのかと、池に追い詰め、落ちそうな宜嬪の手をつかんで助けてやり、「ソヨンが池に落ちそうなときに宜嬪は助けなかったことで、王妃が宜嬪よりいい人だと証明できた」と被害者面する宜嬪をぎゃふんと言わせる。
御前会議。哲宗は政治の乱れを正すべく新官庁「三政釐整庁(サムジョンイジョンチョン)」の設立を発表し、先王(純宗)の墓号を純祖に替えることも宣言する。【拡大する】そこに新兵曹判書としてキム・ビョンインが現れる。大赦令の件もビョンインが糸を引いていると推察した哲宗は、釐整廳の総裁監を永平君に、按覈御使(アネクオンサ)として民心の動揺が酷い三南地方から調査させることにする。
※※三政釐整庁(イジョンチョン):1862年、哲宗の晩年の施策で、腐敗した高官たちのせいで混乱に陥っている3政(田政=地税、軍政=軍役、還政=還穀)収めるための機関。 ※按覈御使(アネクオサ):王から特別任務を受け公開的に派遣される御使。隠密に行動するのが暗行御史。
※功労のある王は祖、徳のある王は宗。※三南地方:慶尚道・全羅道・忠清道の三道のこと。
復讐を果たしてご機嫌のボンファンは哲宗と同盟を結ぶことにし、「ノータッチ禁止」宣言する。哲宗は王妃殺害の理由を「国舅暗殺計画」を聞かれたからだと明かして謝り、壊れた朝鮮を立て直すために王権強化するのだと打ち明ける。そして王妃の「私は笑いながら死ぬ」という言葉に少年の頃に井戸で助けてくれた少女を重ねる。
ボンファンの次の標的はハン室長の祖先ハン・ピョジン。両班なりすましの罪、毒草混入の罪、そしてろくでもない子孫を残した罪で宦官になるよう命じ、去勢させることで復讐を果たす。
ビョンインは王妃に、王妃暗殺を企てた父や家門側の人間ではないと告げた後、大王大妃の元へ。哲宗の政治改革を心配する大王大妃を安心させ、大王大妃を騙したのは宜嬪で、王妃はそのせいで家門の敵と目されて苦しんでいると擁護する。
一方、哲宗は宜嬪に井戸の宮女の遺体は大妃の仕業なので今後は大妃を信じてはいけない。真実を知ったことも伏せておくようにと忠告するが、宜嬪はそれでも遺体がオウォルだと信じようとする。宜嬪が大妃に帳簿を渡す場面も目撃していた永平君は、哲宗に内証で確かめに行くが、宜嬪は頑なにオウォルだと言い張る。
王妃の父のことが心配で眠れないボンファンは、ラーメンを作って哲宗のところに持っていく。鍋敷き代わりに使った『童蒙先習』が大切な本だと王妃が知っていたことで、少年の頃井戸から助けてくれたのが王妃に思えてならない哲宗。
※童蒙先習:朝鮮で李朝時代に作られた初学者のための入門的な教科書。不遇の儒臣,咸陽の人朴世茂(1487‐1564)の著で,1541年に成った。
■見どころ
冒頭、立派なことを考えると長生きできないぞと言ったボンファンが、ついに哲宗と手を組み、「今日から王宮一番の狂った女になってやる」と雄叫びを上げる。その変人ぶりを目の当たりにした永平君の表情に注目。
ボンファンのソヨン化が止まらない。今話では王妃の父とボンファンの息ぴったり、「血は争えない」エピソードが描かれる。そんなボンファンが美しく、豪奢に着飾って復讐に行く姿は自称『プラダを着た悪魔』。
また韓国現代ドラマでよくみられる風習なども描かれる。王妃姿のボンファンと哲宗とがノータッチ禁止同盟を結んだ後、「ウォンシャ」と掛け声してお互いの腕をからめあってお酒を飲む。「ウォンシャ」は「원샷(ウォンシャ):one shot」一気飲みで、腕を絡めて飲むのは「ラブショット」。また深夜ボンファンが哲宗に「ラーメン食べていく」と言うが、これは韓国では「異性への誘い文句」として「キム秘書はいったい、なぜ?」(5話)などドラマでよく使われる。
闘銭一方、ボンファンがチェ尚宮やホン・ヨンと「闘銭」で遊ぶ。「テバク~運命の瞬間(とき)~」(3話)などに登場する、朝鮮王朝時代後期に庶民の間でもっとも人気があったカードゲームで、1から10までの数字が書かれた札各4枚の合計40枚を用いて、「親」が「子」に配った札が示す数で勝敗を決める。
■第16話「オールイン」
「無能な王として人生を終える悪夢」に怯える哲宗。自分の運命と戦うためにこうしているのかもしれない、と話す哲宗に全てを懸けたいという思いが芽生えるボンファン。未来から来たと言っても信じない哲宗に200年後の朝鮮について語り始める。未来は大韓民国となり、身分制度がないことや選挙などの話に、哲宗は信じないと言いながらも王妃の未来講義に興味を示し2人で夜を明かす。
※現代の身分分けとして話した土の匙、金の匙:韓国で言われる“スプーン階級論”のこと。詳細は第8話で。
翌朝、王妃の父が倒れたとの知らせに王妃姿のボンファンが実家に戻ると、父親から王妃の座を降りるように言われてしまう。キム一族に仕返しをすると言って父を説き伏せ、不正から手を引き、徳を積んで欲しいと頼み、ムングンは民に米などを分け与える。帳簿の内容をすべて覚えているムングンは、その内容を書き出してボンファンに渡す。父の処遇が気になるボンファンは王宮に戻ってこれを哲宗に渡す。哲宗は内部告発しても国舅の罪は消せないが、王妃の父と言うことで「功禍のうち、功の方が多ければ禍はなかったことにできるので、不正の証拠集めに協力することで罪の帳消しができる」とボンファンを喜ばす。
御前会議。哲宗は大臣たちの反対を押し切って三政釐整廳の総裁監に永平君を任命し、嶺南地方に暗行御史(アネンオサ)を派遣すると発表。横領している者たちの罪を明らかにし、集めた財産を民の救済に使い、全国の模範として自首させるとも。ところが領議政が王への報告なしに兵馬節度使を派遣したと言い、激怒する哲宗に「東匪たちが役所を襲う事件が発生したため、東匪を根こそぎ処理するため」と事後報告。朝鮮が抱える常習的な横領に目をつぶる大臣たちを一喝すると、ビョンインが「王様は群衆の習性を知らない。彼らの要求には答えるのではなく、武力で制しなくては何度でも立ち上がる」と反論。これを聞いた哲宗は「投獄された民の中で無実の者がいないか検討し、横領した者たちに厳罰を与え教訓にさせ、問題を起こした道臣と帥臣も処罰する」と告げる。
※兵馬節度使(ピョンマ チョルトサ):北方の咸吉道と平安道の軍事と行政を同時に担当していた指揮官のこと。
※道臣と帥臣:地方に派遣された観察使と節度使。
ボンファンは王様の行く手を阻むキム一族の大臣たちを集めて疫病神呼ばわりし、憤る大臣たちに、今後、自分はキム・ソヨンの姓を変えてチャン・ソヨンで行くと宣言。そして「“いけません”禁止、上告文禁止、雑談禁止、玉打亭(妓楼)禁止」を言い渡す。王妃を守るために大妃と会っていたビョンインがこれを聞きつけ、王妃姿のボンファンに、なぜ家門を敵に回すのかと詰め寄る。ボンファンはビョンインの気持ちを受け入れる気がないこと、お互いの行く道は違っているときっぱり拒絶する。それでも自分は王妃の味方だと言い、なぜ王様なのかと涙目で訴え「私の手を離すな。ソヨン、お前は私の全てだ」と差し伸べる手を握らずその場を立ち去るボンファン。
哲宗は、祖功宗徳の原則に従って純宗を純祖に改めた記念に御真(王の肖像画)を描かせ、同席したボンファンの元に剣が届く。ボンファンは退任したキム・チャグンを呼び出し、その剣をチャグンの人生だと贈る。剣を抜いたチャグンは刃がないのに驚く。かつて女の身では何もできないと言い捨てたチャグンに、「見ていてください。私に何ができるか。これからはノーフィルター、ノーブレーキ、ノバックだから」と、チャグンの肩をたたいてその場を立ち去るボンファン。
※祖功宗徳:王の墓号を決めるときに、功を立てた方は祖、徳を積んだ方は宗をつけるのが原則。
その後、井戸で助けたのが自分だと印象付けようとする宜嬪に、哲宗は8年前に井戸で会った子だから宜嬪に気持ちが向いたのではない。もう一度漢陽に戻って会って好きになったと、説明するが、2人に間の気まずい雰囲気は消えない。
その夜の未来講義は「立憲君主制=君臨するが統治しない」。王はいるが権力は民にあるという考え方を説明する。一方宜嬪は、8年前の少女が自分ではないことを哲宗は知っているのではないかと不安が募り、王の元へ行くが、そこで見たのは哲宗と王妃が顔寄せあって転寝している姿だった。
ボンファンの未来講義に感動した哲宗は兵書作りにも王妃の力を借りることに。男装の王妃を軽んじるホン別監にボンファンが最高の兵士訓練法(筋トレ)を伝授し、哲宗はそれを描いていく。また、王妃を敵視する永平君にも家門に宣戦布告したことで王妃は味方だと説得するが…。
哲宗が夜ごと王妃と夢について語っていると聞いた宜嬪は、『童蒙先習』の持ち主は自分ではないと打ち明ける。ところが哲宗が気づいていたと知り、王妃が憎くて国舅の家から帳簿を持ち出して大妃に渡したと告白し、哲宗の心が王妃に向き始めたからだと、嫉妬の気持ちを口にする。信じていた宜嬪が自分の夢を壊そうとしたと知りショックを受ける哲宗。
『童蒙先習』に本当の持ち主“金昭容(キムソヨン)”と認めた哲宗は、未来講義にやってきた王妃に「生きたくなったら返して」と8年前にソヨンが言った言葉と共に本を返し、気づかずに申し訳ありませんでしたと謝る。ソヨンの記憶もあるボンファンは本を受け取り「8年ぶりに持ち主に戻った」と表紙を撫でる。「時間を取り戻すことはできないが、二度と王妃を誤解したりしません」と哲宗。
いよいよ永平君による取り締まりがはじまり左議政が官位はく奪となる。後任には側室の父ミン・ウジンが任命され、キム一族は重要な官職をまた一つ失う。大王大妃に呼び出され叱責されたビョンインは、王妃が王に危険思想も教えていると聞かされ、王妃の部屋を家探ししする。哲宗からの恋文を見つけて握りつぶし、『童蒙先習』の1ページを破る。そこには東非が使う暗号が書き込まれてあった。その頃ボンファンは、哲宗やホン別監と効果的な武器について話していると、ファンが飛び込んできて、男装のボンファンを見て、イ・センマンが生きていたと再会を喜ぶ。過度なスキンシップにやきもち焼く哲宗。
左議政の不正発覚が帳簿の流出せいかと不安がる領議政たち。ビョンインは罪を犯した者は自ら職を辞し、盗んだものを返し、証拠も残さず、状況を知る者をか始末するよう指示する。
その頃、哲宗たちはどんどん大きくなるビョンインの勢力に手を焼き、ビョンインの不正を見つけようとするが、彼自身は清廉で難攻不落。一方、ついに兵書『武備要覧』が完成し、王妃に見せて共に喜ぶ哲宗。その時、王妃が吐き気もよおし…。
■見どころ
ビョンインとファンとの従兄弟同士の会話。「王様とキム一族が仲良くして欲しい」と願うファンに対して、ソヨンへの執着愛から現実を直視できないビョンイン。王妃を見つめるビョンインの目がいつも涙目なのが、悪役ながら憎めない。演じたナ・イヌは「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」でもヒロインに一途愛を貫いている。ナ・イヌが両作品をどう演じたかこちらで比較している⇒ナ・イヌは真逆の一途愛をどう演じたか?
いつも王妃を変人扱いする哲宗だが、御真(王の肖像画)の場面でふさぎ込む王妃(ボンファン)を喜ばせようとする哲宗も相当変人だ。そんな2人の夜の未来講義。ボンファンの親は教員。教師者の血のなせる業。
◇WOWOW「シン・ヘソン×キム・ジョンヒョン「哲仁王后 俺がクイーン!?」番組サイト
2022年2月4日スタート 金18:45-21:30 2話連続
【作品詳細】【「哲仁王后」を2倍楽しむ】