第6章 「太王四神記」のその後|NHKを唸らせた「太王四神記」
2007年韓国MBSで放送され、日本でも大ヒットした韓国時代劇ドラマ「太王四神記」と主演のペ・ヨンジュンの魅力を探る。
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キム・ジョンハク監督は、「太王四神記」の主人公タムドクにペ・ヨンジュンを抜擢した理由として、「これまで、韓国ではタムドク王を古朝鮮の領土を取り戻すべく戦った強い英雄“広開土大王”として描いてきたが、「太王四神記」では、優しさの中にあるカリスマ性で人心を掌握していく新しいタイプの英雄を描きたかった。そのイメージにぴったり合うのはペ・ヨンジュンしかいなかった」と手放しの誉めようだ。一方、ペ・ヨンジュンもお気に入りのドラマとして、キム監督のドラマ「砂時計」を挙げ、いつか一緒に仕事をしたいと願っていたという。互いに相思相愛の作品作り。(こういう場合絶対にすんなりいく訳がない!)よりよいものにするため何度も構想を練り直し、台本を書き換え、演技を繰り返す。リアルさを求めるためには、主演俳優自らが危険なアクションにも果敢に挑戦したテサギ。ドラマの回数が進むうちにタムドクと同じように傷ついていくペ・ヨンジュン。指に肌色の絆創膏が貼ってあってもいいのだ。タムドクのアクションがだんだんぎこちなくなっていってもいいのだ。あれだけの戦いをすれば、実際のタムドクだってあっちこっちにガタがきていたはず。いや、このリアルさが視聴者をより深くドラマの中に引き込んだのかもしれない。
ネットで論争が起きたエンディング
エンディングについては、多くの人が首をかしげた。(NHKの小川さんも「納得がいきませんでしたね」と語っていた。4章のインタビューで紹介)確かに、前半が素晴らしかっただけに、終盤の荒さは目立つし、終わり方があいまいだった。しかし、これだけの注目作品。どんなエンディングが来ようと必ず文句は来たはず。それならいっそ視聴者に“下駄を預けた”この手法、個人的には“有り”だと思う。ドラマのエンディングでタムドクは「…わたしは人を信じる。私の見果てぬ夢は、後世で誰かが成し遂げてくれると信じている」というセリフを残している。視聴者自身が考えたいろんなテサギがあって、いろんなタムドク王がいていいのだ。
監督と主役が、「まだ終わっていない」「遣り残した」と公言し、揃ってパート2を作りたいというコメントを残している。俳優業以外のところで、こんなにも忙しくなってしまったペ・ヨンジュンを見る限り、パート2の実現は限りなく不可能に近いのかもしれない。しかし、これまで様々なことに挑戦し夢をかなえてきた彼のこと。あっと驚く何らかの方法でテサギを完結させてくれるかもしれない。
あなたの好きなセリフ
「太王四神記」ファンの皆様にご参加いただいた「あなたの好きなセリフTOP10」の集計ができました。結果は、[付録]のページでご覧いただけます。
※特にTOP5に応募が集中したので、今回はTOP5として発表しました。
また、皆様からの応募は、次のような形で1月~2月末日まで受け付けました。
①セリフ ②言った人の役名 ③選んだ理由 ④あなたの性別 ⑤あなたの年齢 ⑥あなたの名前(本名でなくてOK)を記入するだけ。(もちろん、①~⑥のすべて埋めなくても、①だけでも、ご意見や感想だけでもOK!)
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【作品紹介】【「太王四神記」を2倍楽しむ】