東出昌大、主人公・金子勇氏の実姉サプライズメッセージに感涙!映画『Winny』完成披露試写会レポート
2月14日都内劇場で『Winny』の完成披露試写会が行われ、東出昌大(35)、三浦貴大(37)、渡辺いっけい(60)、吹越満(57)、そして松本優作監督(31)が出席した。映画公式サイトで予告動画が公開されている。
映画『Winny』 先行上映会舞台挨拶<概要>
【⽇時】 2 月14日(火)*上映前イベント・観客あり
【場所】TOHO シネマズ 六本大ヒルズ スクリーン 2
【登壇者】 東出昌大、三浦貴大、渡辺いっけい、吹越満、松本優作(監督)
⾰新的なソフト「Winny」を開発した⾦⼦勇役の東出。本作に出会う以前は、⾦⼦勇さんのことも事件のことも知らなかったため、取材をしながら役作りに励んだという。その過程で⾦⼦さんについて「こんな天才がいたのかと驚いた。ここまで純粋無垢でプログラム愛に溢れた⼈が歴史と 7 年に渡る裁判の中に埋もれてしまったのかと」と衝撃を受けたことを語る。そして、演じる上では「皆さんに⾦⼦さんを知ってもらいたい、⾦⼦さんが素晴らしいからこそ⾃分も⾦⼦さんになりたいという⼀⼼でお芝居をしました。体重を増やしたり、⾦⼦さんの遺品を借りたりしましたが、⾦⼦さんを知っている⽅々皆さんが嬉々として⾦⼦さんの話をしてくれて、その⼀つ⼀つが役作りに繋がりました」とその想いを明かした。
サイバー犯罪に詳しい弁護⼠・壇俊光役の三浦は「壇さんが⾦⼦さんのことをどのように思っていたのか?それは壇さんからお話を伺う中で、壇さんの表情から⾦⼦さんへの思いが伝わってきたので、そこを⼤切に演じました」と回想。裁判シーンの撮影に際しては、実際に裁判に関わった関係者を交えての模擬裁判が事前に⾏われたそうで「実際の裁判記録に沿って壇先⽣がやってみせてくれたので、僕はそれを丸々コピーしようと思いました」と三浦が⾔うと、東出は「丸々コピーできるのが凄いですよ!」と絶賛!
関係者の証⾔や書物を熟読して主任弁護⼠・秋⽥真志を演じた吹越だが、模擬裁判について初⽿だったとのこと。「え?それいつやったの?なんで俺が知らないの?模擬裁判に参加していない僕が映っているの?」とビックリするも、東出からは「吹越さんと渡辺さんは本番前の段取りから半端じゃなかった。その段階からカメラを回したいと思うくらい凄い!観客の皆さん、お楽しみください!」と賞嘆されていた。
⾦⼦を不当逮捕する警察・北村役の渡辺は、⾦⼦を熱演した東出について「あの時の東出君は憑依していた。家宅捜査に⼊るときの⾦⼦さんの無防備さは、ヒールを演じながらも⼼中いたたまれなかった」と振り返る。そして、松本監督の⼿腕についても「細かく演出されていて、場⾯が緻密。しっかりエンターテインメント作品になっていて、監督の⼒量に⾆を巻いています」と唸ることしきりだった。
この⽇は登壇者には、⾦⼦さんの実姉からのキャスト、監督それぞれへのメッセージも⼊った⼿紙が読み上げられるというサプライズも!
<以下、全文>
本⽇は「Winny」映画完成披露上映会という貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
弟は 2013 年 7 ⽉ 6 ⽇に亡くなりました。今年の 7 ⽉で弟が亡くなってから 10 年になります。そして、2004年5⽉に逮捕された⽇から約 20 年近くの⽉⽇が流れようとしています。弟は⼤変穏やかな性格で、⼩さい頃から兄弟喧嘩はほとんどなく、仲良く過ごしてきました。私が弟と最後に話をしたのは、弟の 42 歳の誕⽣⽇でした。その⽇は、私は海外駐在のフライトのため成⽥空港近くのホテルにいました。電話で、弟に「いってきます。次はブラジルで待っているね。」と会話をしたのを覚えています。しかし、次に会えたのは、病院で変わり果てた姿の弟でした。
【東出様】
弟とブラジルで再会することはできませんでしたが、映画の中の東出さんは弟が⽣き返ったようで、思わず涙が出てしまいました。そして、お墓詣りをしてくださり、お墓をぴかぴかに綺麗に掃除してくださったこと、⼀⽣忘れません。本当にありがとうございました。
【三浦様】
壇先⽣の役を三浦さんがされると聞いた時は、イケメンすぎるのでは?、、と思っていました。「あ、壇先⽣、ごめんなさい。。」でも、映画の中の三浦さんは、すっかり雰囲気が壇先⽣でした。すごい演技⼒だと思いました。
【吹越様】
裁判で⼀番の分岐点となった法廷の重要なシーンを⽬の前で拝⾒させていただき、セリフの抑揚や⽬線での表現が素晴らしく、⾝震いがするほど感動しました。
【渡辺様】
吹越さんとの法廷でのシーンで、するどい眼光や声の抑揚の変化だけで感情の揺れを表現されていて、本当に素晴らしい演技でした。あの名シーンを拝⾒できたこと、本当に嬉しく思いました。
【松本監督】
松本監督は、丁寧に取材を重ねて映画を作りあげ、絶妙なバランス感覚と包容⼒で、若い監督さんではありますが、お兄さんのような存在でした。⾊々と⽢えさせていただき、本当にありがとうございました。
⾦⼦さん死去から今年 7 ⽉で 10 年。撮影時の東出の姿を⾒た⾦⼦さんの実姉から「勇ちゃんがいる」と⾔われたという東出は「役者冥利に尽きる」としみじみしながら、⼿紙の感想については「お⼿紙をいただけるとは思ってもいなかったので…。あとで直接お礼を申し上げたいです」と⽬を真っ⾚にして涙汲んだ。
最後に東出は「この裁判には 7 年の歳⽉がかかったけれど、勝者のない裁判でした。しかし誰も不⽑だとは思っていないし、未来のためにと思って戦っていらした。その中に悲喜こもごもの思いがあり、⼈の⽣き⽅、何に命を賭けるのか、⼀筋縄ではいかないし簡単に説明ができないから⼀本の映画にしたりする。その 7 年の⽉⽇の熱量と信念を僕らは受け取って映画に焼き付けたいと思って、それがどうやら出来たと僕は思っています」と⽬を潤ませながら完成に⾃信。松本監督も「この映画には、⾦⼦さんが⽣きた時間と弁護団の皆さんが戦った時間が刻まれていると思います。映画の中で起こっている出来事で今とリンクすることが沢⼭ある。この映画を観ていただき、今の時代を考えることに繋がってもらえたら嬉しいです」と期待を込めていた。
2002 年、開発者・⾦⼦勇(東出昌⼤)は、簡単にファイルを共有できる⾰新的なソフト「Winny」を開発、試⽤版を「2ちゃんねる」に公開をする。彗星のごとく現れた「Winny」は、本⼈同⼠が直接データのやりとりができるシステムで、瞬く間にシェアを伸ばしていく。しかし、その裏で⼤量の映画やゲーム、⾳楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出、次第に社会問題へ発展していく。次々に違法アップロードした者たちが逮捕されていく中、開発者の⾦⼦も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004 年に逮捕されて
しまう。サイバー犯罪に詳しい弁護⼠・壇俊光(三浦貴⼤)は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた⽮先、開発者⾦⼦⽒逮捕の報道を受けて、急遽弁護を引き受けることになり、弁護団を結成。⾦⼦と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第⼀審では有罪判決を下されてしまう…。しかし、運命の⽷が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展する――。
『Winny』
監督・脚本:松本優作
出演:東出昌大 三浦貴大
皆川猿時 和田正人 木竜麻生 池田大
金子大地 阿部進之介 渋川清彦 田村泰二郎
渡辺いっけい / 吉田羊 吹越満
吉岡秀隆
企画: 古橋智史 and pictures プロデューサー:伊藤主税 藤井宏二 金山
撮影・脚本:岸建太朗 照明:玉川直人 録音:伊藤裕規 ラインプロデューサー:中島裕作 助監督:杉岡知哉
衣裳:川本誠子 梶原夏帆 ヘアメイク:板垣実和 装飾:有村謙志 制作担当:今井尚道 原田博志 キャスティング:伊藤尚哉
編集:田巻源太 音響効果:岡瀬晶彦 音楽プロデューサー:田井モトヨシ 音楽:Teje×田井千里
制作プロダクション:Libertas 制作協力:and pictures 配給:KDDI ナカチカ 宣伝:ナカチカ FINOR
製作:映画「Winny」製作委員会(KDDI Libertas オールドブリッジスタジオ TIME ナカチカ ライツキューブ)
原案: 朝日新聞 2020年3月8日記事 記者:渡辺淳基
2023│127min│ color │ CinemaScope │ 5.1ch
(C)2023映画「Winny」製作委員会
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