【韓国歴史コラム】NHK「コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密」の時代背景は?王様は誰?

2023年06月04日21時43分ドラマ

7月2日からNHKBSプレミアムにて日本初放送する「コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密」は、大人気小説を原作にした仮想時代劇が、物語からドラマの舞台となる時代背景がみえてくる。今回はそんな時代背景と王様についてネタバレなしで検証しよう。YouTubeにて関連動画が多数公開中だ。



「コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密」(コッソンビ熱愛史=꽃선비 열애사)は、朝鮮版シェアハウス“二花院”の若き女主人ユン・ダノと、役人登用試験“科挙”の受験を目指す3人のイケメンたちが二花院存続を目指して消えた“お世継ぎ”探しをするミステリータッチの青春ラブロマンス。
各話のネタバレあらすじと見どころ、視聴率、参考:時代背景などは【「コッソンビ」を2倍楽しむ】で紹介している。

■「コッソンビ」の王様イ・チャンは政変で王になった暴君
本作で、本来“お世継ぎ”である王世孫イ・ソルを執念深く捜し出そうとする王イ・チャン。作中ヒョヌが演じているこの王を、筆者は第10代王・燕山君か、第16代王・仁祖に近いとみている。これについては王イ・チャンは実在の王?で詳しく解説している。
※参照:【朝鮮王朝系図】

■時代背景は17世紀後半?
本作は小説を原作にした仮想時代劇だが、ドラマの中にはいくつも時代が特定できる事象が描かれている。詳しいネタバレなしで、3つの手掛かりからドラマの舞台背景を特定しよう。
※参照:【韓国歴史年表】

①馬蹄銀
<第1話>でダノの父親がある人物に馬蹄銀100両の借金をしていることがわかる。この馬蹄銀は「明」・「清」時代に流通した銀塊なので、明・清に特定。

②朝鮮を離れる
ある人物が清に行く船の手配をし、また<第18話>では別の人物が清に行こうとする。清は17~20世紀初頭まで、女真(満州人)が中国を支配した征服王朝。ヌルハチが、1616年に後金国を建国し、国号を「後金(アイシン)」とし、第2代のホンタイジ(太宗)が1636年に国号を中国風に改め「清」としたので、それ以降がドラマの舞台と考えられる。

③五軍営
<第17話>である作戦を立てるために「五軍営」という言葉でてくる。これは「壬辰倭乱」(1573~1619)以降に組織された軍事機関なので「17世紀」以降となる。

■「コッソンビ」は17世紀後半、仁祖の時代?
以上から考えるとドラマの舞台は17世紀後半で、政変で王になった第16代・仁祖から第17代・孝宗が時代背景と考えるのがよさそうだ。
※同じ時代を描いたドラマは【ドラマの年表:朝鮮王朝】で確認できる。

こうした人物探しや時代背景を探るのも時代劇のだいご味。あなたも歴史の中で探し物をしては?

二花院の主人と朝鮮版F3のコッソンビが織りなす青春史劇「コッソンビ」は、2023年7月2日(日)よりNHKBSプレミアムにて21時から日本初放送する。

NHK「コッソンビ 二花院(イファウォン)の秘密」
 2023年7月2日 日21:00-22:00 日本初放送
YouTube|SBS「꽃선비 열애사」関連動画

kandoratop

【作品詳細】【「コッソンビ」を2倍楽しむ】