イ・ドヒョン主演「五月の青春」は記録より記憶に残る感動作!あらすじ、キャスト、見どころ、韓国での評判まで徹底紹介
韓国ドラマ「ザ・グローリー」で大注目を浴び、最新作「良くも、悪くも、だって母親」にも出演するなど現在最も話題の俳優イ・ドヒョン主演のドラマ「五月の青春」が、現在Unextで独占配信中だ。今回は本作品の見どころや韓国での評判などご紹介したい。YouTubeにて日本版予告動画があるのであわせて見てみよう。
韓国KBSにて2021年5〜6月に放送された「五月の青春」は、1980年5月、歴史の渦中で運命のように出会ってしまった男女のラブストーリーを描いたレトロヒューマンメロドラマだ。1980年代の光州を背景、というとこれだけでピンとくる方もいるかもしれないが、韓国で歴史的に有名な「5·18民主化運動」を扱ったドラマだ。原作は小学生の視点から見た518民主運動を描いた児童書とのことで、そこから脚色しラブストーリー要素なども取り入れたという。
ソウル大医学部主席合格した主人公ファン・ヒテ役は「ザ・グローリー」で大注目を浴び、先日最終回を迎えたばかりの「良くも、悪くも、だって母親」に出演したイ・ドヒョン。「テセ(韓国語では大勢の漢字語で流行り、旬といった意味)俳優」とも呼ばれる彼の出演作品であること、今年も5月18日を迎えたことなども相まって、去る5月は本作品が再び注目を集め連日のようにSNSやニュースなどで取り上げられた。
看護師として働くキム・ミョンヒ役には「智異山<チリサン>」「シークレット・ブティック」のコ・ミンシ。彼女は2021年にミョンヒ役を演じた以後も、5·18記念財団への寄付や、5·18民主化運動無名烈士や行方不明者を扱ったドキュメンタリー「私を探して(原題)」のナレーション、また5月18日に合わせSNSでメッセージをアップするなど積極的な活動を見せている。今年も5月18日になってすぐ「あなた達がいたから今の大韓民国があります。忘れません」( "그대들이 있어 지금의 대한민국이 있습니다. 잊지 않겠습니다”)というメッセージと国旗の写真を自身のSNSのストーリーへアップし、話題を呼んだ。
ほかにも、Netflixにて独占配信したばかりの「ブラッドハウンド」で見事なアクションを披露しているイ・サンイと、同じくNetflixシリーズ「愛と、利と」や「熱血司祭」のクム・セロクが兄妹役で重要な役どころを担当している。
日本では映画『タクシー運転手~約束は海を越えて~』といった人気作品も上映されたこともあり「5·18民主化運動(光州事件)」についてご存知の方も多いだろうが、韓国では現在においてもかなりセンシティブな問題でもあり、作品の内容によっては批判殺到する可能性も十分有り得る題材だ。おそらく製作陣はそれを十分理解し細心の注意を払った上で製作したのであろう、結果的には多くの視聴者に愛されるドラマとなった。演出のソン・ミンヨプ監督は「このドラマは、今現在も辛い記憶を抱えながら1日1日を生きる人々のために作った」と第34回韓国PD大賞で作品賞を受賞した際に語っており、また脚本のイ・ガン作家も「この歴史で '残された人々’のため、彼らにとって慰労になるような話を書きたかった」「本作品によって不要な論争が生じたら '残された人々’を更に傷つけてしまうと思って、最大限雑音なしに静かに作品を終えるのを目標にした」と語る。
このように、実在する歴史を取り扱ったドラマであり、見ていて胸が苦しくなるような、悲しいシーンも多く涙なしには見ることができない本作品。しかしながら勿論それだけではない。イ・ドヒョンとコ・ミンシはNetflixオリジナル「Sweet Home-俺と世界の絶望-」に続く共演となったが、序盤は主人公2人の初々しい恋愛模様が美しく描かれ、見ていてキュンキュンすること間違いなしだ。この2人のケミが反響を呼び、ドラマを見ている熱狂的ファンだけでなくお茶の間にも広く知れ渡るほどの人気カップルとなる。そして2021年KBS演技大賞にてイ・ドヒョンは最優秀賞、コ・ミンシは優秀賞を受賞、そして2人でベストカップル賞を受賞した。
2021年の象徴だったと言っても過言でない2人。そんな2人はその直後、コンディションという二日酔いドリンクの広告の一環として作られたドラマ「転生恋愛」で3度目の共演!ファンは「企画した人、素晴らしい」「二人の共演は何度でも飽きない!」など 嬉しい悲鳴をあげた。
尚、本作品放送時の視聴率は5%前後を推移し、最高視聴率は第8話の5.7%とまずまずの記録。しかしながら、ありきたりな表現ではあるが「記録よりも記憶に残る作品」というのはまさに本作品に対する言葉ではなかろうか?視聴者達はラブストーリーにキュンキュンしつつも、歴史に翻弄された若者達の辛い姿を見て大粒の涙を流し、余韻に残るドラマだったと絶賛の嵐だった。
ソン・ミンヨプ監督が「辛く大変な瞬間が多かったが、皆様からの'5月になるたびに見たくなるドラマだ'という言葉が記憶に残っている。これからもあたたかいドラマを作るために努力したい」と語り、イ・ガン作家は「他人の悲しみに深く共感して一緒に涙を流すことほど善良な心はない。我々の「五月の青春」と共に涙を流してくれた視聴者の皆さんのその善良で温かい心が、2021年の現実を生きる多くのヒテに届くことを心より祈る」と語っており、2人の言葉からは優しさが滲み出て出ていると強く感じる。このドラマは内容としては悲しいものの出演者やスタッフ達の人柄を映し出すように優しさ、温かさ、余韻を感じることができるドラマだ。5月は過ぎてしまったが、改めてじっくり作品を視聴してみでは如何だろうか。
■あらすじ
2021年、光州で身元不明の遺骨が見つかる。その41年前の1980年、民主化運動の熱を帯びた時代。ソウルからある事情を抱え、光州に帰ってきた医大生のファン・ヒテは、看護師のキム・ミョンヒと出会う。それは、5月に訪れた春のような恋だった…。
■キャスト:
ファン・ヒテ役:イ・ドヒョン
キム・ミョンヒ役:コ・ミンシ
イ・スチャン役:イ・サンイ
イ・スリョン役:クム・セロク
ファン・ギナム役:オ・マンソク
ほか
■スタッフ:
演出:ソン・ミニョプ
脚本:イ・ガン
原題:오월의 청춘
配信:2023年3月17日(金)スタート U-NEXTで独占配信 各330円(税込)/視聴期間:3日間
※価格などは「動画配信サービス」ページへ
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