【韓国歴史コラム】隠密捜査官・暗行御史(アメンオサ)と馬牌(マペ)など必携品を詳しく紹介

2023年11月29日15時00分ドラマ
「御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~」より
(c) STUDIO DRAGON CORPORATION

2PMテギョン主演の「御史<オサ>とジョイ」など隠密捜査官である“暗行御史”が登場するドラマで、『水戸黄門さま』の印籠のように皆が「ハハーッ」とひれ伏す馬牌(マペ)…今回は暗行御史と馬牌について詳しく紹介する。

「御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~」は、ひょんなことから王の“隠密捜査官”である“暗行御史(アメンオサ)”になった美食家のお坊ちゃまと、離婚を決意し幸せを探して突き進むバツイチ女性のドタバタ捜査記録を描くラブコメ時代劇。予告動画はYoutubeで公開中だ。



■暗行御史って?
暗行御史出典:EBS歴史チャンネルe暗行御史の必須品より暗行御史は王直属の臨時の官職で地方官の不正摘発と民心調査の目的で隠密に地方に派遣された。王から「封書」と「事目」、「遺尺」、「馬牌」をもらって地方に旅立った。「封書」は暗行する地域と任務が書かれた秘密の手紙で、「事目」は暗行御使のすべきことを書いた本。また、「鍮尺」は死体を検視する時に使う真鍮製の物差しで、「馬牌」は特別の身分証明。この馬牌は朝鮮後期の馬牌は暗行御史の象徴だった。
国は全国の主要地域に「駅站(역참=よくチャム)」を設置しており、馬牌を見せると馬と兵を調達できる。この制度を「駅站制」という。暗行御使は任務を終えて地方官の業績と弊害、村民が経験する困難などを文書に作成して報告した。この文書には、暗行御史を象徴する馬牌が押されている。

■馬牌でわかるランク
馬牌出典:韓国「国立中央博物館」より馬牌には直径10センチほどの丸い銅牌に馬の絵が1~10頭まで刻まれている。馬牌の一面には官吏が利用できる馬の数が刻まれている。これは官吏の等級によって変わった。もう一面には、鋳造日時である「年号と年月日」と王の印章を担当する官庁である尚瑞院がこの馬牌を発行したことを証明する尚瑞院印という文字が刻まれている。馬の数は1~10頭までだが、実際は1~3頭くらい。 暗行御史の場合も、ほとんどが3頭の3馬牌を使い、10頭が描かれたものは王室でしか使えない。

■馬牌の起源は?
そもそも馬牌が誕生したのは高麗後期。元(中国)の干渉を受けていた当時は馬の使用が厳しく制限され、そのため許可された官吏だけが馬を使用できるように馬牌制度が施行された。役人はここで休息したり馬を借りたりできた。最初は木製だったが、簡単に折れたり損傷したりすると、朝鮮時代に入って第4代王・世宗16(1434年)に鉄で作って使用し、その後は銅で作られた。

御史とジョイ© STUDIO DRAGON CORPORATION本作は12月3日よりNHKBS、BSP4K(日曜21時~)にて「御史(オサ)とジョイ」というタイトルで放送される。第1話ではテギョン扮するラ・イオンが御史に任命され、出発するときに「封書」を開いて任務地を確認する。回が進んでイオンたちが捕らわれる場面では「鍮尺」が役立つのでお見逃しなく。またイオンが持っている馬牌とパク御史の馬牌の馬の数などもチェックしておこう。

「御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~」
DVD-BOX1 発売中
DVD-BOX2 2023年12月6日(水)発売
各17,600円(税込)/16,000円(税抜)
※同時DVDレンタル開始
発売元:ストリームメディアコーポレーション
販売元:TCエンタテインメント
原題:어사와조이

NHK「御史ジョイ」番組サイト
 2023年12月3日スタート 日曜21:00-22:00

トレーラー
公式サイト

kandoratop【作品詳細】「御史とジョイ」を2倍楽しむ】