Netflix韓ドラ「京城クリーチャー」第1−3話:パク・ソジュン、謎の失踪事件を追って知り合ったハン・ソヒに恋におちる
パク・ソジュンとハン・ソヒが初共演し、1945年を舞台に京城 (ソウル) の謎を紐解く超大作スリラー「京城クリーチャー」が、Netflixで12月22日から(パート2は2024年1月5日より)配信を開始した。
●【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】
「京城クリーチャー」は1945年の春、京城 (ソウルの旧称) にある謎めいた甕城 (おうじょう) 病院を舞台に、人間の貪欲さによって生まれた怪物(クリーチャー)と対峙し、生き残るための戦いに身を投じる実業家とトドゥクンの姿を描く。【「京城クリーチャー」を2倍楽しむ】では各話のネタバレあらすじと見どころ、キャスト、制作発表会レポートなどまとめて紹介。
■キャスト
チャン・テサン役:パク・ソジュン
ユン・チェオク役:ハン・ソヒ
前田ユキコ役:スヒョン
ナウォル夫人役:キム・ヘスク
ユン・ジュンウォン役:チョ・ハンチョル
クォン・ジュンテク役:ウィ・ハジュン
詳しいキャストやそれぞれの役柄についての詳細はこちらも参照→
Netflix韓ドラ「京城クリーチャー」押さえておくべきキャスト・登場人物を写真付きでまとめて紹介
■第1話「納人(ナジン)」あらすじ
Netflixシリーズ「京城クリーチャー」独占配信中太平洋戦争末期、大日本帝国に支配されていた朝鮮半島。軍部は半島で行っていた人体実験の痕跡をすべて隠滅する決定を下し、山積みになった犠牲者の遺体、口封じに一斉に射殺された被験者、そして異型の怪物ごと研究施設は爆破された。
1945年3月、日本の敗戦色が強まり、独立運動家の弾圧が強まる京城では、女性が行方不明になる事件が多発。妻を探すジュンウォン(チョ・ハンチョル)は娘チェオク(ハン・ソヒ)を連れ、列車で京城に降り立った。同じ頃、京城でも随一の質屋「金玉堂」の当主で影響力のある資産家でもあるテサン(パク・ソジュン)は独立運動家と疑われ石川(キム・ドヒョン)から拷問を受けていた。しかし、その実は京城を牛耳る日本の名家の娘で石川の妻由紀子(スヒョン)との不倫を疑われ、拷問された挙げ句、行方不明になった愛人・明子(ジウ)の消息を探る任務を言い渡される。失敗したら全財産を失い、戦地に送られるという理不尽な任務が与えられたのも、彼が京城屈指の情報通と目されるがゆえ…。
一方、妻を探すジュンウォンもテサンの情報力の噂を耳にする。その頃、チェオクはスクラップになったバイクを買うと、瞬く間に修理してしまった。金玉堂に戻ったテサンは、失踪した女性を探しながらも財産を確保して逃亡する準備を進める。そんな中、財産を確保するために動いていたナウォル夫人(キム・ヘスク)は、失踪者捜索の専門家「トドゥクン」の存在を知る。京城を訪れているトドゥクン、それはジュンウォンら親子だった。
石川の監視をかいくぐりどこかに向かうテサンを尾行したチェオク。気配に気づいていたテサンと武器を向け合い一触即発の状況に。さらにテサンの発言が原因で険悪な雰囲気が漂うが、結局はトドゥクンとして再会し、ジュンウォンら親子は失踪した明子を、テサンは10年前に姿を消したチェオクの母と、その手がかりである幸本(ウ・ジヒョン)の行方を探ることに。
甕城(おうじょう)病院では明子をはじめ、さらわれた女性たちが加藤中佐(チェ・ヨンジュン)のもと人体実験の材料にされ、幸本は怪物化した女性のスケッチを命じられていた…。
■第2話「惺沁(セイシン)」あらすじ
Netflixシリーズ「京城クリーチャー」独占配信中甕城病院で行われるおぞましい人体実験を記録するために雇われた幸本。現状を直視できずにいた彼を励ましたのは囚われていたソンシム(カン・マルグム)だったが、再び呼び出された幸本が見たのは怪物として変わり果てた彼女の姿だった。
ソンシムそっくりの母親の似顔絵を眺めるチェオク。今回の依頼にただならぬ予感を感じながらもある人物を尾行し、失踪した明子の手がかりを手に入れた。彼女は愛人の正妻である由紀子に呼び出された後、甕城病院まで連れて行かれて姿を消していた。甕城病院には限られた人しか入れないことを知りながらも、チェオクに挑発されて腹を立てたテサンは、祖国のあり方を巡って喧嘩したばかりの独立運動家ジュンテク(ウィ・ハジュン)に独立運動の資金として大金を渡す代わりに、身分証を使わせてほしいと願い出た。ジュンテクの家系は甕城病院への出入りを許された数少ない名家だった。
甕城病院へ忍び込むことに成功した一同。ガッピョン(パク・ジファン)が騒ぎを起こした隙に資料室に忍び込んだチェオクは明子の情報を探るが、清掃員(イム・チョルス)に見つかってしまう。一同は地下から銃声を聞いて場所を移す。地下では暴れ出した怪物により兵士が犠牲になっていた。部下がやられながらも、怪物を「女神」と呼んで実験の成功を喜ぶ加藤中佐。
失踪した弟を探る清掃員の協力で、軍病棟の地下が怪しいと睨んだチェオクら親子はテサンの反対を押し切って病院に潜伏して軍病棟を探ることに。そして怪物の暴走により、病院には警報が鳴り響き、真相を知らないテサンはほかの外来患者らと共に病院から出されてしまう。
加藤中佐は窒素で怪物を眠らせることに成功するが、怪物は炭疽菌の胞子を放ち続け、それを吸った他の女性たちも突然苦しみ息絶えていく…。軍病棟に忍び込んだチェオクは、兵士たちがおびただしい数の遺体を運び出す様子を目の当たりにして言葉を失う。一方、チェオクのことが気がかりでたまらないテサン。恋煩いに呆れたナウォル夫人の喝で、幸本を探すのに石川を利用し始める。幸本はジュンテクの酒場「月光バー」でソンシムの似顔絵を書いていた。
甕城病院が伝染病で無期限閉鎖されるという速報が京城を駆け巡る。厳戒態勢が敷かれ、病院の内外の往来が遮断されたと知ったテサンはチェオクの身を案じるが、そこにやってきたのは病院で会った看護婦だった。独立軍の一員だった彼女からチェオクからのメモを渡されたテサンは、直接病院に乗り込むことを決意して飛び出していく…。
■第3話「信号」あらすじ
Netflixシリーズ「京城クリーチャー」独占配信中窒素で眠らされた怪物は移送中の機器の破損で再び目を覚まし、兵士の生き血をすすっては成長していた。茶具の注文で交流があった由紀子に接触したテサンは甕城病院で起きている事件の真相に探りをいれるが、明子を探すことを止められる。言動からメモがフェイクではなく明子が病院にいることを確信したテサンは周囲の反対を押し切り病院への潜入を宣言する。彼は石川の尾行を知った上で奇妙な足取りを辿り、訪れた洋服店ではヨンチュン(オク・ジャヨン)がこっそり入手した幸本のスケッチを受け取り、幸本との接触を試みるが邪魔が入り、機会を逃してしまう。失意に暮れるテサンだが、本人の希望で幸本との接触を果たし、彼の荷物に紛れて病院への侵入を成功させる。
病院で防疫兵として酷使され、自ら命を絶とうとしていた同胞を懐柔したチェオクは地下で行われている生物実験や明子生存の情報を手に入れると、救出・脱出の作戦を立て始めるが、満州でも行われていたおぞましい人体実験の記憶が親子の頭をよぎる。おぞましい人体標本の数々を目の当たりにしたチェオクは、作戦を控えながらも人質を見捨てられず医師を殺害してしまう。
人質を引き連れて行動を余儀なくされてしまったチェオクは、侵入したテサンらと合流に失敗し、更に想定外の日本軍兵士の行動で窮地に立たされてしまう。親子の危機を救ったテサンだが、明子捜索の前に人質の子どもたちを救出してほしいというチェオクの頼みに困惑。同じ頃、軍の科学者一路博士(ヒョン・ボンシク)は怪物を飼いならそうと新たな実験を開始する…。
■見どころ
おどろおどろしいアニメーションのオープニングで幕を開ける本作は、日帝時代と呼ばれる、日本の植民地時代末期を舞台にしたSFサスペンス作品だ。Netflixシリーズ「Sweet Home-俺と世界の絶望-」のシーズン2が12月1日から配信されるなど、怪物がひとつのドラマジャンルとして確立していく中、大日本帝国と怪物の誕生を結びつけたユニークな作品だ。
これまでの同じ時代を描いた作品同様、当時の日本や日本人は極悪非道な存在として描かれているため、日本の視聴者の中には嫌悪感を示す人もいるかとは思うが、昨今のNetflix韓ドラブームの恩恵で潤沢な予算を投じられるようになり、臨場感溢れる怪物登場シーンや、細部まで表現された当時の京城の町並みやファッションなど地上波では実現不可能なスペックの映像美を楽しめる作品であることは間違いない。日本の支配下で理不尽さを感じながら生きる人々の姿を描いてはいるが、9月にNetflixで独占配信されたキム・ナムギル主演「剣の詩」がシリアスな作品だったのに比べれば、コミカルな要素もありライトに視聴できる印象だ。
久々のNetflix作品登場となるパク・ソジュンの役柄も、2枚目だと自覚しながらもどこか抜けていて、「彼女はキレイだった」「キム秘書はいったい、なぜ?」に近く、親しみが持てる。第1話から第3話までは日本軍の極秘研究、失踪者の真実、パク・ソジュンとハン・ソヒのロマンスなど物語の核心部分が明確に示される一方、多大な犠牲と失敗を経て、誕生した怪物がハン・ソヒの母親であることが示唆され、第4話以降のストーリーラインにも興味が湧く。
厳しい意見を言うとすれば、他のドラマ同様、数多く登場する日本人もすべて韓国の俳優が演じているので、日本語ネイティブの我々が見ると、全員カタコトの日本語に聞こえてしまい没入感が得られないという点と、敢えて二部に分けて前半をクリスマスホリデーに配信する必要があったのかという疑問はあるものの、クリーチャーと反日をかけ合わせた独創性、豪華なキャスト、映像美など一見の価値はある作品だ。
なお、韓国での辛口批評はこちらで紹介している。⇒闇の時代&怪物の二兎を追った「京城クリーチャー」韓国での評価は?
Netflixシリーズ「京城クリーチャー」パート1は2023年12月22日、パート2は2024年1月5日より独占配信する。
■作品情報
原題:경성크리처「Gyeongseong Creature (英題)」
監督:チョン・ドンユン
脚本:カン・ウンギョン
製作: Story & Pictures Media
共同製作: Studio Dragon、kakao ENTERTAINMENT
配信: Netflix
【作品詳細】【「京城クリーチャー」を2倍楽しむ】