日本初放送「高麗契丹戦争」第31話・32話(最終回)顕宗の奇策、最後の戦い“亀州大捷”
韓国専門チャンネル「KNTV/KNTV801」で日本初放送中の「高麗契丹戦争」(原題)。今回紹介する第31話と第32話(最終回)では王、顕宗(キム・ドンジュン)の奇策に民が協力し、カン・ガムチャン(チェ・スジョン)とソベアプ(キム・ジュンベ)との亀州での最終戦が描かれた。ネタバレあらすじと見どころを紹介する。予告動画はKNTV番組HPで公開中だ。
「高麗契丹戦争」(原題)って?
本作は、数々の苦難を乗り越えて高麗に平和をもたらした8代王・顕宗と、彼の政治の師でもある姜邯賛(カン・ガムチャン)将軍を中心に、契丹の侵攻にさらされた激動の高麗時代を描く超大型本格時代劇。時代背景や実在人物、各話のあらすじと見どころ、豆知識などは【「高麗契丹戦争」を2倍楽しむ】でまとめている。
■キャスト
⇒【キャスト、登場人物、実在人物の紹介】
カン・ガムチャン(姜邯賛)役:チェ・スジョン
顕宗(ヒョンジョン)/大良院君/スン役:キム・ドンジュン(ZE:A)
ヤン・ギュ役:チ・スンヒョン
元貞王后(ウォンジョン)/第一王后役:イ・シア
元成王后(ウォンソン)/第三王后役:ハ・スンリ
契丹の老将ソベアプ(蕭排押)役:キム・ジュンべ
契丹皇帝ヤユルユンソ(耶律隆緒)役:キム・ヒョク
ほか
■第31話あらすじ
ヒョンジョンは、臣下たちと協力し、契丹軍の偵察部隊を排除して本軍の侵攻を遅らせる作戦を実行。開京近くで活動していた契丹の先鋒隊は、ユ・バン(チョン・ホビン)やチ・チェムン(ハン・ジェヨン)らによってせん滅された。また、契丹軍が新たに先鋒隊を送り込むと予想した顕宗は、契丹軍を欺くために「大軍が存在するように見せかける」策を提案した。
民衆とともに松明を持って行進する様子は、契丹軍に「続々と増える高麗軍が迫っている」と錯覚させ、ソベアプ(キム・ジュンベ)は混乱の末に撤退を決断した。
一方、契丹軍が慌ただしく撤退しているとの報告を受けたカン・ガムチャン(チェ・スジョン)は、退路を封じて亀州へ追い込む作戦を展開。契丹の退路となる峡谷に伏兵を配置し、ソベアプには「老将2人で、この戦争を終わらせよう」と挑発的な文書を送った。
亀州の平野に到達したソベアプは、峡谷に潜む高麗軍を目にして戦いを決意。「ここで決着をつけなければ、この地獄が終わらない」とカン・ガムチャンの挑発に応じる形で、大決戦の火蓋が切られた。
※これが、歴史に残る1019年の「亀州大捷」だ。現在の北朝鮮平安北道の亀城市(구성시、クソンシ)に該当する。
風は契丹に味方した。向かい風で高麗軍の矢は敵陣へ届かない。高麗軍は、長盾兵による「剣車陣」の第1陣を前進させ、契丹の軽騎兵と対峙。契丹側は激しい攻撃を仕掛け、軽騎兵による側面攻撃や矢の一斉射撃、さらには通行を妨害する戦術で高麗軍に圧力をかけた。</p>
■感想、見どころなど
いよいよ始まる亀州大戦も見ごたえがあるが、顕宗の「大軍が存在するように見せかける」奇策。ソベアプに見破られそうになったとき、老若男女の民や王后たちまでが松明を手に集まって来るシーンには、激闘シーンを越える感動を与えてくれた。
この回ラスト、契丹の猛攻に苦しむ高麗軍と、決戦に向けて進軍中の重装騎兵を待つカン・ガムチャンの姿が描かれ、視聴者を息のむ展開となった。韓国で放送時、この回の全国視聴率は12.0%(ニールセンコリア調べ)を記録し、4週連続で同時間帯のトップを維持。特に、ソベアプがカン・ガムチャンからの書簡を読むシーンは、瞬間最高視聴率13.1%に達し、最終回への期待を一層高めた。 最終話で、この激戦の結末と高麗の未来がどう描かれるのか注目が集まる。
■第32話(最終回)
高麗軍では重騎兵の到着を待つ中、「剣車隊」第1陣が突破される。勢いに乗ってソベアプは本陣への総攻撃を命じ、高麗の第2陣を守る兵士たちも恐怖に駆られて逃げようとする。その時カン・ガムチャンが自ら剣車を守りながら「高麗は必ず勝つ」と叫び、軍の士気を鼓舞した。
そこに開京を救援していた高麗の重騎兵が合流し、不利だった風向きも変わったことで戦局が逆転した。最終的に高麗軍は契丹軍10万人のうち数千人だけを生還させるという大勝利を収めた。
契丹に戻ったソベアプは皇帝の前で死を覚悟するが、皇帝ヤユルユンソ(キム・ヒョク)は切ることができずに彼を許す。
見事大勝利を勝ち取った高麗軍。顕宗は、凱旋したカン・ガムチャンに「千年経っても、君が轟かせた勝利の報が高麗の地に響き続けるだろう」と功績を称えた。これを機にガムチャンは辞職を申し出るが、顕宗はまだ戦争は終わっていないと、辞職を受け入れない。
実は、宋の国から契丹を挟み撃ちにして戦おうという密書が届いていた。重臣たちは20年以上も苦しめられた契丹を倒すために宋と手を組もうという意見が出た。しかしガムチャンは、契丹との関係の回復を顕宗に進言した。
契丹の皇帝は、勝利した高麗から『顕宗を高麗の王として冊封すれば、契丹を宗主国として敬意を払う』という書簡を受け取ると、皇帝は契丹を軽視していると怒るが、宋が高麗に共闘を申し出ているだけに、他に選択肢はない。和議を受け入れるしかなかった。こうして高麗は、契丹や宋とも手を結ばない外交戦略で、高麗が再び戦争に巻き込まれるのを防いだ。
これで高麗に本当の平和がもたらされたと知った顕宗は、父のような存在であり、師であり、時には敵対した忠臣カン・ガムチャンの辞職を認めた。
■見どころ、豆知識
多額の制作費を投じ、コンピュータグラフィック(CG)を駆使して壮大な戦闘シーンを描いた最終の2話。多くの時代劇で人気を牽引してきたチェ・スジョンが、亀州大捷の指揮官カン・ガムチャンを熱演し、凛々しい姿を見せた。
第二次戦争の勢いのまま最終話まで契丹との外交、戦争をあがくのかと思ってきた射s田が、康兆の最期があっけなく終わり、また内紛(チェ・キムの反乱)が思いのほか長かった。そしてその陰の首謀者が架空の人物パク・ジンというのも、想定外だった。そして何より本作の目玉である「亀州大捷」がわずか20分というのにはほんの少しがっかりした。それでも凝縮した20分の大戦争は朝鮮王朝時代の政争が多い韓国の時代劇で、久々に圧倒された。
韓国でも中盤では顕宗と臣下たちの対立がやや誇張され、歴史的事実と異なるという論争もあったが、終盤まで人気を維持した。チェ・スジョンは本作でKBS演技大賞の大賞を受賞。キム・ドンジュン、チ・スンヒョン、イ・ウォンジョンもそれぞれ最優秀賞、優秀賞、助演賞を受賞し、脚本家のイ・ジョンウは作家賞を受けた。最終回は、韓国で放送時、最終回は視聴率13.8%を記録し、第30話の放送分が達成した自己最高(12.9%)を上回った。
■『高麗契丹戦争』(原題)
放送日時 8月16日(金) 日本初放送スタート
毎週(金)20:00~22:10 (2話連続)
再放送日:毎週(木)11:30~13:40(2話連続)
話数 全32話
◇KNTV「高麗契丹戦争」(原題)
■視聴方法
KNTVはスカパー!、スカパー!プレミアムサービス、ひかりTV、J:COMほか各ケーブルテレビで視聴可能。
◇KNTV視聴方法ページ
【作品詳細】【「高麗契丹戦争」を2倍楽しむ】