女性が輝く時代 「オク氏夫人伝」「元敬」「ジョンニョン」韓国時代劇でも“女性パワー”炸裂
女性主人公を前面に押し出したドラマ「元敬(ウォンギョン)」、「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」、そして昨年は「ジョンニョン:スター誕生」が、視聴者から熱い反応を受けている。これらの作品は、女性の力強さと賢明さを描くことで人気を博している。
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■女性が輝く韓国時代劇
今年1月6日、tvN×TVINGでオリジナルドラマ「元敬」が放送開始となった。この作品は、夫の朝鮮第3代王・太宗李芳遠(イ・ヒョヌク)と共に権力を掌握した元敬王后(チャ・ジュヨン)を中心に、王と王妃、夫と妻、その間に秘められた熱い物語を描いている。特に王妃、元敬を中心にした視点が、多くの人々の注目を集めた。
制作発表会でキム・サンホ監督は「元敬は思ったよりもずっと主体的で、女丈夫だということを感じながら、私もドラマに没頭しながら撮影した」と語り、元敬を演じたチャ・ジュヨンも「元敬は炎のような人生を生きた人物」と称している。作品内の元敬は波乱に満ちた人生の中で、他とは一線を画する度胸を見せた。彼女は恐れに震える李芳遠に勇気を与える存在だった。
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昨年11月からスタートしたJTBCドラマ「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」は、名前も身分も夫もすべてが偽物だった外知部オク・テヨン(イム・ジヨン)と、彼女を守るため命を懸けた芸人チョン・スンフィ(チュ・ヨンウ)の激しい生存詐欺劇。イム・ジヨンは奴婢クドクが、両班夫人オク・テヨンとして偽りの人生を歩く聡明な主人公を堂々と演じている。
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昨年10月~11月にかけて放送されたtvNドラマ「ジョンニョン:スター誕生」に至っては、主要登場人物がすべて女性だった。1950年代、女性国劇を舞台に、少女ジョンニョンがその天性の美声と表現力を武器にスターダムを駆け上がる感動のサクセスストーリー。キム・テリが困難や障害に直面しても諦めず、目標に向かって進み続ける強い信念の女性と演じた。
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■なぜ、主体的な女性主人公が愛されるのか?
3つの作品に共通しているのは「元敬」、「玉氏夫人伝」、「ジョンニョン」と、いずれもタイトルに女性主人公の名前を冠しており、女性が物語が中心であることが分かる。これまでにも「宮廷女官チャングムの誓い」や「トンイ」といった時代劇は存在していた。しかし過去のそうした作品は、控えめで、男性キャラクターと共に行動、または男性キャラクターのために身を引くという展開もあった。しかし、今回紹介した3作は男性に引っ張られず、女性自身が自ら主導的に与えられた仕事(役割)を務めている。
儒教的思想の影響が強い韓国では、長く男性優位の社会が続いたが、2000年前後から公務員採用で男女比の均衡を義務付けるなど、男女平等に向けた取り組みが本格化した。世界から見るとまだまだ少ないが、女性議員も19.2%と日本の16.0%よりはるかに多い。(2024年の世界の女性議員割合 国際比較統計・ランキングより)
主要大企業における女性役員の割合も2019年の3.9%から2024年は7.3%と倍増している。特に、サムスン電子では女性役員が81人と最も多く、前年より9人増加している。現実社会のいたるところで、主体的な女性の姿が目立つ中、視聴者はより主体的で自立した女性主人公に共感する傾向が強まっている。
こうした状況の中で、主体的な女性の物語を前面に押し出した時代劇が、視聴率でも成果を上げている。「ジョンニョン」は16.5%の視聴率を記録し、「オク氏夫人伝」も10%台の視聴率で話題性を証明している。「元敬」も第1話はケーブル及び総合編成チャンネルで同時間帯1位を獲得した(視聴率調査会社ニールセンコリア調べ)。時代劇における「女性パワー」は今後も続く見通しだ。
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