朝ドラ「あんぱん」戦争は激化し、伍長となった北村匠海は中国にかり出される…第11週あらすじと第12週予告

06月13日08時31分ドラマ
©NHK

嵩(北村匠海)、健太郎(高橋文哉)、八木(妻夫木聡)は中国へ動員される。宣撫班に配属される嵩と健太郎だったが、どんどんと悲劇が拡大してゆく。そして戦禍はのぶ(今田美桜)がいる高知にも迫っていた。NHK朝ドラ「あんぱん」の第12週「逆転しない正義」(6月16日~6月20日)のあらすじとみどころを紹介。予告動画は番組公式サイトに公開されている。



朝ドラ「あんぱん」とは
「あんぱん」は『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現し『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語だ。その第11週が6月9日から放送された。

雰囲気の違う妻夫木聡に驚きの声

大河ドラマで主演を演じたこともある妻夫木聡だが、実は朝ドラは初めてであり、本人も念願かなっての出演になったという。その妻夫木の役は、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)に大きな影響を与える八木という人物だ。9日に始まった第11週では戦争編で、嵩の世話係として、威圧感たっぷりの一等兵としての登場となった。八木は厳しく嵩にあたるが、それは決して“暴力”を伴うものではなく、嵩の特性を理解して、横暴な上官たちからうまくかばってくれていたのだ。

嵩(北村匠海)が陸軍幹部候補生試験で甲種ではなく乙種合格になったのは運が良かった?

嵩は試験の日に厩舎で眠り込んでしまったのだが、八木(妻夫木聡)が班長の神野(奥野瑛太)に頼み、神野が島中隊長(横田栄司)に頼み込み、島が上官に頼んでくれたおかげで乙種合格となった。甲種合格ではなく乙種となったが、このことがどの戦地で戦うことになるのかをわけたかもしれないことを考えれば、生きて帰れた嵩は乙種合格で結果的に良かったかも知れない。

少尉となっていた千尋(中沢元紀)

京都大学に進んでいた千尋だったが、戦局が厳しくなると、海軍に士官していた。少尉となって嵩の前に現れたが、その考えはすっかり軍人のものとなり、「のぶや子ども達を守るのは自分」と強く言う。やなせたかしの弟の運命を知っているだけに、この立派な姿はかえって辛い。ただ、兄の嵩には本音を語る。「この戦争がなければ…」と3回繰り返した後、最後の最後は「この戦争さえなければ」といって、国のために死ぬよりも愛する人と生きていきたいと切実な思いを漏らした。史実に沿えば、千尋は戦死という運命をたどる。切なすぎる兄弟のシーンとなった。

嵩(北村匠海)と健太郎(高橋文哉)は宣撫班に配属へ

絵の才能がある二人は、占領地の人々に日本軍の目的、方針などを教えて、暴動などを防ぐことを目的とした宣撫班に配属になる。紙芝居を見せて中国の人々を安心させるようにするのだが、嵩も健太郎もこれは軍の中でも一番に向いている役目といえる。「日本は兄、中国は弟。日中は双生の兄弟である」というスローガンを現地の人に広める役目をしていた。このエピソードは実際にやなせたかしが経験したものだ。銃や武器を持つことはないが、“精神的な戦い”をしていたと回想している。

【第11週(2025/6/9-6/13)ネタバレあらすじ】

嵩(北村匠海)は高知連隊から福岡の小倉連隊に転属した。そこにいた新兵教育係の馬場(板橋駿谷)ら先輩兵士の厳しい指導の下で過酷な軍生活が始まり、ここでやっていけるのかと暗い気持ちになる。行動が遅めの嵩は馬場らに目をつけられて、なにかにつけては殴られていた。その中で、嵩の世話係である八木上等兵(妻夫木聡)だけは厳しいながらも決して殴らず、古兵たちとも一線を引いていた。八木は嵩に軍事勅諭を暗記するよう命じる。そんなある日、嵩は先輩の戦闘帽を盗んだ容疑をかけられる。それは馬場たちが仕組んだことだったのだが、嵩は散々に殴られてしまう。八木がやってきて「顔をかせ」と連れ出した。そして、「お前は戦場まで持つかな」と厳しい言葉をかけるが、それは嵩を心配しての言葉だった。そして、大量の靴を磨くとともに、軍事勅諭を明日の朝までに覚えるように指示する。

ひとり靴磨きをする嵩の前に、健太郎(高橋文哉)が現れる。思いがけない再会に嵩は心が救われる。半年前に配属になった健太郎と話をすることで少し心の余裕を持てた。健太郎に八木のことを聞いてみたが、健太郎もなぜ八木が皆から一目置かれているのかはわからないといった。

島中隊長(横田栄司)の前で軍人勅諭をすらすらと暗唱した嵩は、島の推薦で陸軍幹部候補生試験を受けることになった。試験を間近に控えた嵩に、八木は受かるしか道はないと発破をかける。試験の内容はかなり多岐にわたり大変なものだが、もしも落ちたら古参兵からのいじめがさらに加速する。

嵩は徹夜で勉強しようと厩舎の不寝番を申し出て、一人厩舎で勉強をしていたが、朝の当番が来た時には嵩はすっかり眠り込んでいた。厩舎で居眠りしてしまったものの、神野(奥野瑛太)に頼まれた島の取り計らいで受験できた嵩は、乙種幹部候補生に合格する。神野に礼を伝える嵩に、神野は自分も変わり者に頼まれたと言う。嵩は寝台で本を読む八木のところへ向かい、礼をいうが、八木は自分ではないという。そんな八木になぜ試験を受けないのかと聞くと、「こんなところで出世する気はない。早くシャバに戻りたい」と本音を話した。

高知では、のぶ(今田美桜)のもとに次郎(中島歩)から手紙が届く。その手紙には日本の勝利は難しいというようなことが書かれてあった。

嵩が入隊して2年後の夏。千尋(中沢元紀)から手紙が届き、二人は久しぶりに会うことが出来た。千尋は海軍の士官になっていたのだ。ショックを隠せない嵩に、千尋は海軍予備学生に志願したことを説明する。半年繰り上げて卒業し、同期の仲間達と海軍に志願したという。「もう後戻りはできん」と淡々と話す千尋は、嵩にある古びた手帳を渡す。それは父の手帳だった。“お守り”という千尋に嵩は「千尋こそ持っていろ」というが、千尋は写真があるからいいと古い父の写真を出す。

別れ際、千尋はこの後、すぐに進軍することになり、南方へ向かうという。強い言葉を発していた千尋だったが、兄・嵩の優しい目を見ていると、本音を話す。戦争がなければ、法律をもっと学んで弱者の味方になりたかったこと、母に一言優しい言葉をかけたかったこと、嵩と酒を酌み交わしてもっと話したかったこと、そして「国のために死ぬよりも、愛する人と生きていきたい」と言った。嵩はそんな千尋に「必ず生きて帰れ」と言葉をかけた。

小倉連隊に動員が下令され、嵩は中国に行くことになった。出発前日、嵩はひとり星を眺める八木にこれまでのお礼を伝え、八木の横顔が描かれたスケッチを渡す。八木に「弱いものが助かるにはどうしたらいいのですか?」と質問すると、“卑怯”になれと言われた。

中国福建省についた嵩たち。そこには高知連隊から来ていた岩男(濱尾ノリタカ)もいた。指令があるまで休んでいるように言われた嵩たちだったが、嵩は急に呼び出され、八木の横顔をかいたスケッチを見せられ「これを描いたのはお前か?」と詰問される。

【第12週(2025/6/16-6/20)あらすじ】


■第56話(月)

嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、物々しい雰囲気が漂っていた。数日後、健太郎(高橋文哉)も宣撫班に入ることになり、2人は地元民から反感をかわない紙芝居を作ることに。

■第57話(火)

嵩(北村匠海)たちが仕上げた紙芝居は、八木(妻夫木聡)の助け船のおかげで無事審査に合格する。紙芝居披露の日。重々しい雰囲気の中で始まった紙芝居だったが、次第に村人たちから笑いと拍手が起こる。泣かすつもりの内容になぜ笑うのかと首をかしげる嵩たち。嵩の意図とは違う伝わり方をしたものの、上官に評価された嵩は夢中で絵を描く日々を過ごす。

■第58話(水)

駐屯地への補給路が絶たれ、乾パンを食べながら朝田パンを思い出す嵩(北村匠海)。その朝田パンも、材料がなくなり休業していた。のぶ(今田美桜)は勤労奉仕となった生徒たちと共に農家の手伝いをする日々。ついに食料が底をついた駐屯地では、正気をなくした康太(櫻井健人)が民家に向かって駆け出し、老婆に小銃を向ける。

■第59話(木)

銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかたきをうったのだと言い、嵩に岩男のかたきをとりたいかと尋ねる。そして、やり場のない怒りを爆発させる八木。初めて見る八木の姿に、嵩は立ちすくむだけだった。やがて食料難は限界を達し、嵩はとうとう地面に倒れこむ。

■第60話(金)

次郎(中島歩)からの便りに顔を輝かせるのぶ(今田美桜)だったが、それは海軍病院からだった。のぶが不安な気持ちで病室に入ると、笑顔でベッドに座る次郎の姿が。次郎は質問するばかりで、自分のことは話そうとしなかった。戦況は一層厳しくなり、昭和20年7月4日、高知の町に空襲警報が鳴り響く。行き交う人々の中に飛び出したのぶは、遠くから子どもの泣き声が聞こえると、皆が逃げていく方向とは逆方向へと走り出し…。

■スタッフ他


脚本:中園ミホ
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り: 林田理沙アナウンサー
出演:今田美桜,北村匠海,江口のりこ,河合優実,原菜乃華,高橋文哉,奥野瑛太,田中俊介,櫻井健人,濱尾ノリタカ,薄平広樹,板橋駿谷,萩原亮介,渋谷そらじ,妻夫木聡,浅田美代子吉田鋼太郎 他

 <総合>(月~土)午前8時~8時15分/午後0時45分~1時[再]
 <BSプレミアム>(月~土)午前7時30分~7時45分/午後11時00分~11時30分[再]
   (土)午前9時45分~11時[1週間分]

NHK朝ドラ「あんぱん」番組公式サイト
NHK朝ドラ「あんぱん」番組公式Twitter @asadora_nhk

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