「剣樹抄~光圀公と俺~」第3話:石坂浩二×加藤シゲアキの因縁対決、山本耕史&八嶋智人の兄弟の絆復活

NHK BSプレミアム/プレミアム4Kで放送中の時代劇『剣樹抄~光圀公と俺~』。8月17日(日)放送の第3話「兄の真意」では、光圀(山本耕史)の家族ドラマと、氷ノ介(加藤シゲアキ)と吽慶(石坂浩二)という父と子の壮絶な過去の衝突—歴史的陰謀を土台にしつつ、深い人間ドラマが描かれる。この回の見どころとあらすじを紹介する、YouTubeにてPR動画が公開中だ。
※あらすじは、ネタバレしているので気になる方は、見どころだけをチェックして、あらすじは視聴後の確認用としてください。
ドラマ「剣樹抄~光圀公と俺~」は、明暦の大火という実際の歴史事件を背景に、後に黄門様と呼ばれる徳川光圀が子どもたちで組織する諜報団「拾人衆」とともに謎を解いていくミステリー × 時代劇の融合作品。原作は冲方丁の原作で、NHK BSプレミアム「BS時代劇」で2021年に放送された。⇒【関連記事・全話あらすじ】
■第3話見どころ
第3話では、物語を大きく揺さぶる二つの人間ドラマが描かれた。ひとつは、水戸家の家督をめぐる複雑な思いを抱えてきた徳川光圀と、兄・松平頼重の再会。弟が家督を継いだことに心を痛め続けていた光圀だったが、頼重は「恨みなどない」と伝え、幼いころからの弟の優しさを肯定する。長年のしこりが解けて兄弟の絆が取り戻される場面は、胸を熱くさせる見どころだ。
もうひとつは、仏師として静かに暮らしていた吽慶の正体が明かされ、氷ノ介が実の息子であることが判明する衝撃の展開。父と子でありながら剣を交える壮絶な対決は、氷ノ介の右腕が斬り落とされるという悲劇的な結末を迎え、彼の父と公儀への憎しみがさらに強まる。光圀は「生き抜いたことこそ尊い」と吽慶を慰め、武士ではなく仏師として生きる道を託す姿を見せ、人間味あふれる器の大きさを示した。そのやりとりを部屋の外で聞いた了助が涙を流すシーンも、若者の心の揺れを鮮烈に描き出している。それにしても、光圀が了助を見る目が、時折悲し気なのはなぜなのか?
そして物語の最後には、心を通わせた兄弟の再会の直後に「剣を抜く音」が響き、再び不穏な気配を漂わせながら幕を閉じる。兄弟の和解と父子の悲劇が交錯する今回の物語は、シリーズ全体の重厚さを一層際立たせるエピソードとなっている。
■第3話「兄の真意」あらすじ(ネタバレ)
火付けの首領・氷ノ介の動向
江戸を騒がせた火付けの首領・氷ノ介(加藤シゲアキ)は行方をくらませたまま。徳川光圀(山本耕史)は、彼の真の目的がただの金銭ではなく別にあるのではないかと疑念を抱く。
兄・松平頼重との再会
光圀は、家督を巡る複雑な思いを抱きつつ、兄で讃岐高松藩主・松平頼重(八嶋智人)と再会する。弟である自分が水戸家を継いだことに負い目を感じていたが、妻・泰姫(松本穂香)が二人の間を取り持ち、ぎこちなさを和らげる。
二千両の行方と仏師・吽慶
大火の混乱で盗まれた二千両が松前屋に戻された。
その頃、仏師の吽慶(石坂浩二)は、了助(黒川想矢)に棒術の極意を伝授。氷ノ介が自分の実の息子ではないかと疑い始める。
やがて予想通り氷ノ介が二千両を奪い返そうと現れ、父子は対峙。吽慶は、彼がただの盗賊ではなく「公儀を嘲笑う」ために火付けをしていると確信する。剣を交える父と子の前に光圀が現れ、氷ノ介は火を放って逃走する。
光圀の策略と吽慶の正体
実は、二千両が戻ったのは光圀の仕組んだ作戦で、氷ノ介を誘い出すためのものだった。
吽慶は、光圀に自らが元・丹波稲川家の家老「霜山重蔵」であり、氷ノ介は実の息子・九郎であると告白する。
稲川家は乱心した当主が暴政と狼藉を繰り返し、幕府の使者にまで鉄砲を向ける始末。重蔵は藩を守るため主君を討ち取るが、家は断絶。その混乱の中、生き延びたのが息子・九郎=氷ノ介だった。
父と子の悲劇
氷ノ介は「一族を守るために仕方なく主君に従ってきたのに、公儀や父に裏切られた」と父を恨む。父の説得も虚しく、剣を交えた末に右手を父に斬られ、断崖から川へ身を投じて姿を消す。
その後、重蔵は息子を捜し続けるが見つけられず、亡き者と思い仏師として弔いの道を歩んできた。
涙ながらに謝罪する吽慶に、光圀は「生きてきたことこそ尊い」と慰める。そして「氷ノ介を討つ役目は自分に任せ、吽慶には武士として仏を彫ってほしい」と告げる。その会話を偶然聞いた了助は涙を流す。
一方、氷ノ介は父が徳川と手を組んだことに激しい怒りを募らせていた。
兄弟の絆の修復
翌日、泰姫の勧めで頼重が光圀のもとを訪れる。光圀は長年抱いてきた「兄を差し置いて家督を継いだことへの負い目」を吐露するが、頼重は「恨みなどない。お前は水戸家を継ぐにふさわしい人間だ」と励ます。
「優しい弟」という幼少期からの印象を語ることで、兄弟のわだかまりは解け、光圀の心は晴れていく。
光圀は屋敷に戻り、泰姫に感謝の言葉を伝える。だがその矢先、亀一が「大勢の者が剣を抜く音がした」と知らせ、再び不穏な影が忍び寄っていた――。
■放送情報
プレミアム4K/NHK BS:毎週日曜 18:45~19:28
再放送(プレミアム4K):毎週金曜 19:30~20:13
【原作】冲方丁『剣樹抄』
【出演】山本耕史 松本穂香 黒川想矢 福田転球 内村遥 山本裕子 金恒那 川口和空 藤原颯音 黒澤諒
三宅弘城 北乃きい 山口馬木也 坪倉由幸(我が家) 西村まさ彦 本田博太郎/加藤シゲアキ/舘ひろし/石坂浩二 ほか
(各回ゲスト)八嶋智人 美村里江 駿河太郎 中嶋朋子 升毅
◇NHK「剣樹抄〜光圀公と俺〜」HP
◇YouTube「剣樹抄~光圀公と俺~」PR動画
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