「誘拐の日」最終回、安達祐実の怪演爆発で韓ドラ越え?天才レシピは新庄(斎藤工)の頭の中にあった【テレ朝】

テレビ朝日系ドラマ「誘拐の日」最終回の第9話(9月2日放送)では、院長殺害事件の真相が明かされた。凛(永尾柚乃)を見下ろす汐里(安達祐実)の怪演が視聴者を震え上がらせた。最終回のネタバレあらすじと見どころ、韓国版との違いを紹介する。
「誘拐の日」は、“心優しき誘拐犯”と誘拐された“記憶喪失の天才少女”の奇妙な疑似親子バディが、次々と襲い掛かる危機を乗り越えながら、犯人捜しのための逃亡を繰り広げるヒューマン・ミステリー。2023年に話題となった韓国ドラマ「유괴의 날」を原作とするリメイク。⇒【全話あらすじ】
■キャスト
⇒日韓メインキャスト比較(画像付き)誘拐犯・新庄政宗役:斎藤工
天才少女・七瀬凛役:永尾柚乃
新庄の妻・新庄汐里役:安達祐実
刑事・須之内司役:江口洋介
弁護士・山崎忠役:深澤辰哉/Snow Man)
医学博士・水原由紀子役:内田有紀
ほか
■第9話あらすじ(※ネタバレあり)
クライマックスへ――政宗と凜がたどり着いた真実
妻・汐里(安達祐実)の通報により、新庄政宗(斎藤工)は泣き叫ぶ凜(永尾柚乃)と引き裂かれ、県警に逮捕されてしまう。頼みの須之内刑事(江口洋介)も取り調べを受け、絶望的な状況に見えた。
しかし凜は山崎弁護士(深澤辰哉)の協力を得て、副理事長の七瀬富雄(長谷川初範)と県警幹部・辰岡(徳重聡)の不正を暴く。辰岡の妨害も明らかとなり、彼は失脚。須之内が捜査指揮に復帰し、凜を「アドバイザー」に迎えて真相解明に挑む。
一方汐里は、研究データを収めたペンダントで10億円を得て国外逃亡を企てるが、須之内(江口洋介)らに逮捕される。さらに松田(春海四方)が殺害した田川医師(デビッド伊東)のスマホから、汐里が七瀬院長殺害当日に院長宅を訪れていた事実も判明する。決定的証拠を得るため、凜と新庄たちは汐里を自白に追い込む作戦を立てた。
30年前の真相と「空白の1日」
凜は汐里を出国禁止にして呼び出した。呼び出されたのは、新庄と汐里が育った施設の聖堂。凜は記憶をつなぎ合わせ、30年前の真相に迫る。――七瀬院長(半田周平)は妻(蒲生麻由)と汐里を同時に葬ろうとし、汐里に罪を着せた上で殺害する計画を立てたが、逆に汐里が日本刀で院長を刺殺。直後に松田を呼び、罪を隠そうとしたのだった。さらに汐里は凜を眠らせ、“空白の1日”が生まれたことも明らかになる。
追い詰められた汐里は「本来なら政宗が背負うはずの不幸を自分が代わりに負った」と叫び、ついには院長殺害を自白。警察が駆けつけると、凜にも同じ不幸を味わわすとエイズに感染している自らの手をメスで切って血を流し、そのメスを凜の首元に突き付ける。しかし駆けつけた新庄が「一度も憎んだことはない。幸せでいてほしかった」と語りかける。30年前の少年・政宗の祈り「汐里ちゃんがずっと幸せでいられますよう」を思い出した汐里は、「汐里はこれからも俺の家族だ。愛している」という新庄の胸で泣き崩れた。
裁判、そして未来へ
事件解決後、須之内は記者会見で動機を「財産目的」とだけ発表し、凜を守る。凜は新庄の裁判に出席し、「政宗との時間は私にとって自由で特別なものだった」と声を詰まらせて証言し、減刑を訴えた。
その後、凜は芽生とともに小学校へ通い始める。凜たちが地下室を整理する中、額装された言葉『真の医道は善き心に宿る』を見た凜は「なんか、政宗みたいだね」と呟く。その頃、刑務所の作業場で、新庄は塀いっぱいに数式を書き殴る。それは少年時代、先代院長(渋川清彦)の傍らで目にした“次世代知能開発プロジェクト”の組成表――失われた“レシピ”だった。
■韓国版との違いと見どころ
これまで日本版「誘拐の日」は、韓国版にかなり忠実に沿って展開してきた。凜の推理で明かされる事件の真相や、裁判で凜が新庄の減刑を訴える場面のセリフまで、ほぼオリジナルと同じ。
ただし、作品の色合いはやや異なる。韓国版は知的で抑制の効いたクールな演出と「余白の美学」が特徴で、緊張感に満ちたミステリー。一方、日本版は感情表現や親子の心の機微に焦点を当て、人情ドラマ的な味わいが強くなっていた。
キャラクターの設定にも違いがある。韓国版の水原博士は「娘を天才にするため」にレシピを追い求めたが、日本版の水原は「寝たきりの息子のため」という動機に。最終回では息子は自然の力で指を動かし、その仕草が「お母さん」の意味だと新庄が解釈する場面は、多くの視聴者を感動させた。
しかし、ラストで印象は逆転した。韓国版のロヒ(凜)は弁護士接見に同席し、ミンジュン(新庄)に何度も会いに行く姿が描かれる。二人はまるで本当の親子のようで、最後は家族愛で幕を閉じた。
ところが日本版では「レシピは見つからなかった」としながらも、天才のレシピはペンダントではなく、“善き心”を持つ新庄政宗自身の頭の中にあった、という大胆な結末に。視聴者を驚かせるだけでなく、「この先、新庄はどうなるのか」と続編を期待させる展開だった。
日本版は最後の最後でミステリーファンをうならせたと言えるだろう。そして何より、最終回で強烈な印象を残したのが汐里役・安達祐実だ。韓国版を超えるとも言える怪演で、SNSでも「安達祐実の怪演が爆発していた」「演技が圧巻」と絶賛の声が相次いだ。
韓国版の最終回は【第12話(最終回)】で紹介している。
テレ朝「誘拐の日」はTVerで最新話配信開始、TELASAで全話配信中だ。
◇テレ朝「誘拐の日」HP
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