NHK大河「べらぼう」蔦重が仕掛けた笑いの矢、的外れに定信に刺さる 第35話ネタバレ第36話予告

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜総合20時~、BS、BSP4K18時~)9月14(日)放送の第35話「間違凧文武二道」では松平定信(井上祐貴)の政を風刺した黄表紙で一矢報いる蔦重(横浜流星)だったが、定信は賛辞と受け取り大喜び。9月21日(日)放送の第36話「鸚鵡(おうむ)のけりは鴨(かも)」では蔦屋に絶版のおふれが下る。予告動画は番組公式ホームページで公開中だ。
大河ドラマ64作目となる「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は貸本屋から身を興し、書籍の編集・出版業を開始し、のちに江戸のメディア王として時代の寵児となった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の人生を描く。
9月14日放送の第35話では、蔦屋から『文武二道万石通』が出版され、鎌倉時代の忠臣・畠山重忠が文と武の才をもって武士たちを選り分ける風刺作品にも関わらず、定信は自分への賛辞と受け取り感激する。歌麿(染谷将太)がきよ(藤間爽子)と結婚を決意し、喜ぶ蔦重だが、一方でせっかくの風刺作品の意図が読者に全く伝わらず、思惑が外れた蔦重たちが頭を悩ませ次の一手を探る・・・というストーリーが展開した。
ラストでは恋川春町の新作の草稿が出来上がるが、あまりの皮肉ぶりに、てい(橋本愛)は眉を顰め出版を拒んだが、9月21日放送の第36話では、ていの悪い予感が的中。春町の新作『鸚鵡返文武二道』が定信の怒りを買い、絶版に追い込まれる。
■歌麿の描く艶本『歌枕』
女性の優美さを描いた歌麿の作品の中でも、春画は、男女の親密さが情景に溶け込んだ革新的で芸術性の高い作品群として知られている。代表的な春画作品には、ドラマでも出て来た『歌まくら』が挙げられる。
『歌まくら』は天明8年(1788年)に出版された錦絵。男女の性愛を描いた艶本で、繊細な表情や仕草に感情の揺れまで表現されており、登場人物のセリフが添えられ、会話劇のような構成になっている。全12図構成で、第10図では、娘が男に抵抗する場面が描かれ、力関係や葛藤がリアルに表現されている。
しかし、定信による寛政の改革による出版統制のもと、この錦絵を描いた歌麿は手鎖の刑を受けることになる。ドラマでは移り行く政治の荒波に蔦重が巻き込まれていく様子が描かれるが、歌麿もまた、時代の荒波にもまれることとなる。
■第35話ネタバレ
朋誠堂喜三二(尾美としのり)が書いた『文武二道万石通』を手にした松平定信は、畠山重忠が“文”と“武”で武士を仕分ける内容と、重忠の着物に松平家の家紋・梅鉢紋が描かれていることから、自分への賛辞と受け取り大喜びする。自分の政治が認められたと勘違いした定信は、ますます改革を加速させ、弓術指南所の設置や湯島聖堂の改修に乗り出していく。
この黄表紙の大ヒットに、満足気の蔦重だが、皮肉が読者に伝わっていないことに頭を悩ませていた。さらに、恋川春町(岡山天音)が手掛けた『悦贔屓蝦夷押領』の売れ行きがいまいちで春町はしょげてしまう。
一方、江戸城では、家斉(城桧吏)が正室を迎える前に、女中との間に子供をつくってしまい、定信はその放蕩ぶりに頭を抱えていた。また一橋家の豪華な暮らしにも悩まされてしまう。柴野栗山から助言を得て、『御心』や『老中心得』など政治理念を伝えるマニュアルを作成するも、周囲にはなかなか受け入れてもらえなかった。
ある日、歌麿は再会した耳の不自由な女性・きよと心を通わせ、所帯を持ちたいと思うようになる。時を同じくして師匠である石燕(片岡鶴太郎)が他界。そこで歌麿は石燕の作業場を購入するための援助を蔦重に依頼。同時に、きよとの結婚報告と、石燕の遺作に触発された春画を蔦重に渡した。生きる希望を持てなかった歌麿が「きよを幸せにしたい。ちゃんとしたい。」と語る姿に蔦重の目も潤み、百両の援助を決意する。
巷では定信の評判が上がるが、文武奨励の風潮の中、論語の意味を取り違えた人々が「凧をあげれば国が治まる」と信じるほど、定信の思惑通りには物事が進んでいなかった。それを知った蔦重は、再び仲間を集め、わかりやすい風刺作品を作ろうと声をかける。
その後、「凧あげ」の話からヒントを得た春町が新作『鸚鵡返文武二道』を書き上げる。ていは皮肉が過ぎると出版を拒むが、春町は「からかいではなく、諫めのつもり」と語り、さらにていから「不遜だ」と言われてしまう。そこへ、次郎兵衛(中村蒼)が、定信は黄表紙の大ファンで、春町贔屓だという情報を持ってくる。蔦重は、この話しを聞いて春町の本の出版を決意する。
■第36話あらすじ
定信は蔦重が出した新作の黄表紙に激怒し絶版を言い渡す。喜三二は筆を断つことを決断し、春町は呼び出されてしまい・・・。
NHK大河ドラマ「べらぼう」は2025年1月5日(日)から総合20時より、BSプレミアム、BS4K午後6時より放送。脚本:森下佳子、出演:横浜流星、染谷将太、橋本愛、生田斗真、冨永愛、高岡早紀、風間俊介、尾美としのり、里見浩太朗、渡辺謙ほか。番組公式Xアカウントは「@berabou_nhk」。第36話予告動画は番組公式サイトにて公開中。
◇大河ドラマ「べらぼう~蔦屋栄華乃夢噺」番組公式サイト
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蔦重(横浜流星)が吉原案内本で客寄せに挑戦。予告動画は番組公式ホームページで公開中、初回15分拡大で放送。