カン・テオ×キム・セジョン主演「この川には月が流れる」MBC金土ドラマ復活の切り札となるか?

16時40分ドラマ
画像:MBC「이강에는 달이 흐른다」

近年のMBC金土ドラマは、かつての勢いを欠き、視聴率・話題性ともにやや低調な状況が続いている。

かつて「宮廷女官チャングムの誓い」「トンイ」といった名作を生み出し、“時代劇の名門”として知られたMBCだが、近年はtvNやJTBCといったケーブル局が斬新な企画とスターキャスティングで市場を牽引し、地上波作品は視聴者層拡大に苦戦している。




「恋人」と「夜に咲く花」の成功


その流れを変えたのが2023年の「恋人」と、2024年の「夜に咲く花」だ。

「恋人~あの日聞いた花の咲く音~」は分断と戦乱の中に翻弄される男女の愛を描き、深みあるストーリーと映像美、主演ナムグン・ミンの圧倒的演技力で注目を集めた。最終的に全国視聴率12.9%を記録し、停滞していたMBCドラマを救う立役者となった。さらに。『2023MBC演技大賞』ではナムグン・ミンの大賞を含む9冠を達成し、その勢いを証明した。

一方の「夜に咲く花」は、コミカルさと切なさを併せ持つ“変化球時代劇”として好評を博した。主演イ・ハニのアクションとキャラクター性が話題を呼び、従来の重厚一辺倒な時代劇のイメージを刷新。最終回は18.4%を記録し、2021年「赤い袖先」を超えてMBC金土ドラマ史上最高視聴率を更新。『2024 MBC演技大賞』でも3冠に輝き、MBCの時代劇制作力を改めて印象づけた。


変化する視聴者ニーズ


ただし、週末プライム帯ではロマンスやファンタジーが主流となり、若年層の嗜好も変化している。今の視聴者が求めるのは「重厚さ」だけではなく、「新鮮さ」や「テンポ感」だ。

今春SBSで放送された「鬼宮」(ロマンス×悪鬼×憑依)や、tvNの「暴君のシェフ」(ロマンス×タイムスリップ×料理)は、まさにそのバランスを押さえて大きな話題を呼んだ。


新作「この川には月が流れる」に期待


そうした中、10月31日スタートの新作「この川には月が流れる」は、まさにMBCが放つ“勝負作”だ。

物語は、笑顔を失った世子イ・ガンと、記憶をなくした富商の娘パク・ダリが魂を入れ替えるというファンタジー設定。時代劇版「シークレット・ガーデン」と呼ばれる立場逆転のロマンスで、軽快なラブコメ要素に加え、深い人間ドラマを織り交ぜているのが特徴だ。主演のカン・テオは確かな演技力で知られ、キム・セジョンも幅広い役柄を演じ分ける人気女優。二人の共演は、作品に安定感と新鮮な化学反応をもたらすと期待されている。


MBCは再び“時代劇王国”に返り咲けるか


「この川には月が流れる」は、伝統的な時代劇の重厚さと、現代の視聴者が求めるテンポ感やラブコメ的軽やかさを兼ね備えた作品だ。成功すれば、MBCが誇る時代劇ブランドを再び輝かせ、金土ドラマ枠の完全復活を象徴する一作となるだろう。

今、視聴者と業界関係者の視線は、この川に流れる“月”がMBCの未来を照らすかどうかに注がれている。本作の予告動画はYouTubeにて公開中だ。

[이강에는 달이 흐른다 2차 티저] (2次ティーサー)
MBC「이강에는 달이 흐른다」HP

MBC新金土ドラマ「この川には月が流れる」は「月まで行こう」(달까지가자)のあと、10月31日21時50分から初放送される。10月3日現在、日本での配信は未定。

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