2PMイ・ジュノ主演「テプン商事」―サブタイトルに込められた“90年代リスペクト”

Netflixで配信中のtvNドラマ「テプン商事」が、第3話にして全国・首都圏ともに7%台を突破。週末ミニシリーズ1位を記録するなど、勢いが止まらない。NetflixKOREAの公式Xには、1990年代を彷彿とさせるスチール写真が公開されている。
●【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】
激動の1997年IMF危機を舞台に、普通の若者や家族が不器用ながらも懸命に生き抜く姿を描く「テプン商事」は、どこか懐かしい温もりを漂わせている。その理由のひとつが、各話の“サブタイトル”に隠された90年代リスペクトだ。

■ 第1話「台風の季節」―嵐に挑む若者たちへ
イ・ジュノ扮する主人公テプンが、人生の嵐に立ち向かう姿を描いた第1話のサブタイトル「台風の季節」(폭풍의 계절)は、1993年にMBCで放送された同名ドラマのオマージュ。
キム・ヒエ、チェ・ジンシル主演の名作で、平均視聴率34.2%、最高52.1%を記録した。当時の若者が直面した“選択と成長”というテーマを、令和の視点から再解釈した形だ。
■ 第2話「アスファルトの男」―熱き情熱の象徴

これは1995年、SBS特別企画として放送されたイ・ビョンホン主演の同名ドラマへのオマージュで、車に情熱を傾ける若者たちを描いた作品。当時はSNSやブログがまだ普及しておらず、ユーザーがnaviconに「사나이=サナイ」の意味を尋ねることも珍しくなかった。そのため、今でも当時のやり取りが記憶に新しい。「サナイ」の意味はこちら
■ 第3話「ソウルの月」―混沌の都市を生きる人々
全国7.4%、首都圏7.0%と数字を伸ばした第3話。この回のサブタイトル「ソウルの月」(서울의 달)は、1994年MBCで放送された社会派ドラマをモチーフにしている。チェ・シラが主演し、同年のMBC演技大賞で大賞を受賞。ハン・ソッキュ、ユン・ミラも最優秀演技賞に輝くなど、当時5冠を達成した名作だ。混沌とした都市ソウルを舞台にした群像劇という点でも、「テプン商事」との共鳴が見て取れる。
■ サブタイトルが紡ぐ“世代を超えた共感”
SNSやブログでは、「元ネタ探し」がひとつの楽しみとなっており、「懐かしさと新しさが混じる独特の世界観」と評されている。とりわけ第2話の“アスファルトに寝そべる”場面は、往年の韓国ドラマの名シーンを想起させると話題だ。
「テプン商事」は、1997年のIMF経済危機という荒波のなかで、希望を失わずに前を向く人々を描く。サブタイトルの一つひとつに、あの時代を生きた人々への敬意と、世代を超えて響く共感が込められている。
当時の社会背景を振り返りたい人は、【IMF時代とは?】【“オレンジ族”の自由と苦悩】の特集もチェックしたい。
■ 次回はどんな“オマージュ”が?
あのころを知る世代なら思わずニヤリとしてしまう絶妙な仕掛け。サブタイトルそのものが“イースターエッグ”として機能し、物語の理解をより深めてくれる。90年代を知らない世代にとっても、そのエネルギーと人間味は新鮮に映るだろう。

「テプン商事」第4話は本日18日21時10分、tvNで放送。その後Netflixを通じて世界配信される。果たして次のサブタイトルには、どんな90年代へのオマージュが込められているのか──。
懐かしさと希望をつなぐ“テプン商事ユニバース”の展開から、目が離せない。
【「テプン商事」を2倍楽しむ】では、全話あらすじと見どころや【制作発表会】動画&レポートまとめ、視聴率、視聴者の反応、関連動画などをまとめている。
◇YouTube|tvN「태풍상사」3話予告(日本語字幕なし)
