“嫌われてほしい”三浦貴大、朝ドラ「風、薫る」で描く“複雑な夫”像とは

08時15分ドラマ

2026年前期の連続テレビ小説「風、薫る」で、主人公・一ノ瀬りんの夫・奥田亀吉を演じる三浦貴大が、役への思いや人物像について語った。



「風、薫る」は、明治18(1885)年に日本初の看護婦養成所が誕生した時代を背景に、看護の黎明期を生きた若き女性たちの姿を描く物語。➡【全話あらすじと見どころ】

■一代で財を成した男・亀吉の“歪んだ感情”
三浦が演じる奥田亀吉は、飛脚から身を起こし、運送業で成功を収めた実業家。努力と才覚で財を築いた一方、旧来の価値観が残る社会では、周囲から冷ややかな視線を向けられる存在でもある。

三浦は脚本を読んだ第一印象について、率直にこう語る。

「役としては面白いですが、個人的には“あまり好きじゃない人”という印象でした」

しかし、その違和感こそが役作りの出発点となった。時代背景を丁寧に調べ、人物の内面を掘り下げていく中で、亀吉という男の本質が見えてきたという。

■結婚が生む劣等感とすれ違い
亀吉は、自身の商売をさらに発展させるため、元家老の娘・りんを妻に迎える。だが結婚後、身分差への劣等感が彼の中で大きく膨らんでいく。

三浦はその心理をこう分析する。

「身分がない自分への劣等感が刺激されて、被害妄想に近い感情になっているのでは」

さらに、りんが前妻の息子と同じ年齢であることも、関係性を複雑にしている。真っ直ぐな性格でありながら、不器用にしか愛情を表現できない――そんな矛盾を抱えた人物像が浮かび上がる。

■「嫌われてほしい」その真意とは
印象的なのは、三浦のこんなコメントだ。

「見ている人には“亀吉をぜひ嫌いになってほしい”という気持ちで演じています」

一見すると強い言葉だが、その裏には明確な意図がある。亀吉は、主人公りんが新たな道へ進むための“転機”となる存在。明治という時代の結婚観や男女関係の象徴として、あえて視聴者に反発を感じさせる役割を担っているのだ。

■作品を彩る豪華スタッフ・キャスト
『風、薫る』は、原案に田中ひかるの『明治のナイチンゲール 大関和物語』を据え、脚本を吉澤智子が担当。音楽は野見祐二が手がけ、主題歌「風と町」はMrs. GREEN APPLEが担当している。

語りは研ナオコ、主演は見上愛が務めるなど、実力派が集結。作品の世界観を多角的に支えている。

■“嫌われ役”が物語を動かす
朝ドラにおいて、視聴者の感情を揺さぶる存在は物語の鍵を握る。三浦貴大が演じる亀吉は、まさにその典型といえるだろう。

愛すべき主人公の成長の裏で、あえて“嫌われる”ことを選んだキャラクター。その複雑な人間像が、『風、薫る』に深みを与えている。

今後、りんと亀吉の関係がどのように変化していくのか――視聴者の注目が集まる。

NHK朝ドラ「風、薫る」番組公式サイト
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