パク・ジフン“ワカメ天使”が話題 韓国ドラマ界で広がる「真顔コメディ」の魅力
韓国ドラマ界で今、従来のコメディとは一線を画す“真面目に笑わせる”作品が存在感を高めている。かつては俳優が大げさな表情やコミカルな演技で笑いを生み出していたが、最近のヒット作では、むしろ荒唐無稽な設定を俳優たちが真剣に演じ切るスタイルが主流となりつつある。
その代表格として注目されているのが、「伝説のキッチン・ソルジャー」(原題:취사병 전설이 되다)だ。パク・ジフン 主演の本作は、軍隊生活にゲームの世界観を融合させた異色作。主人公の前にゲームのステータス画面が現れ、料理ミッションをクリアするごとにレベルアップしていくというユニークな設定が話題を呼んでいる。
特に視聴者を驚かせているのが、脈絡なく飛び出す大胆なCG演出である。中でもSNSを席巻したのが、“ワカメ天使”のシーンだ(第1話)や、サッカーゴール前で突然カムジャタンの骨をアコーディオンのように演奏する場面(第3・4話)は、公開直後からSNSで爆発的な反響を呼んだ。
この作品の魅力は、奇抜なCGやギャグそのものではなく、それらを本格ドラマと同じ熱量で演じ切る俳優たちの姿勢にある。視聴者の間では「笑うのを我慢するチャレンジを見ているようだ」との反応も上がっている。
特にオ・ジョンセは、記憶を失った間のどこか頼りない姿と、本来の凄腕工作員としての姿を行き来する緩急のある演技で作品を牽引。シン・ハギュンらとの絶妙な掛け合いも高い評価を受けている。
朝鮮時代からタイムスリップして無名の女優に憑依した主人公を演じるイム・ジヨンが、時代劇口調で巻き起こすトラブルや、現代になじむために韓国ドラマでも猛勉強姿は、古くからの韓ドラファンのハートをつかむ。一方で財閥御曹司を演じるホ・ナムジュンは、恋愛ドラマの王道シーンであっても、どこかズレたセリフを真剣な口調で言い放ち、視聴者の意表を突く。シリアスな演技とコミカルな内容のギャップが作品の大きな魅力となっている。
こうした作品群は、韓国で「ビョンマッ(意味不明だからこそ面白い笑い)」と呼ばれる独特のユーモア文化をベースにしながらも、単なるギャグ作品の枠を超えつつある。軍隊やスパイ、財閥といった韓国ドラマならではの題材にファンタジーやゲーム的要素を融合させることで、海外の視聴者にも親しみやすい作品へと進化しているのだ。
近年は“ドラメディ(ドラマ+コメディ)”という言葉も定着しつつあり、笑いと物語性を両立させる韓国作品への注目はさらに高まっている。俳優たちの圧倒的な演技力が支える“真剣にふざける”スタイルは、韓国ドラマの新たな強みとして世界市場でも存在感を放っている。
そんな韓国発の“真面目に笑わせる”ドラメディは、日本でも配信サービスを通じて楽しむことができる。
日本では、tvN月火ドラマ「伝説のキッチン・ソルジャー」とMBC金土ドラマ「50%の人生リスタート」はDisney+(ディズニープラス)で、SBS金土ドラマ「素晴らしき新世界」はNetflixにて独占配信中だ。
●【Netflix】 / 【Disney Plus】