韓ドラの「学暴」と何が違う?NHKが描く日本の“いじりといじめ”の境界線
韓国ドラマでは、学校内暴力(通称「学暴」)をテーマにしたリアルで過酷な作品が数多く制作されている。
近年は「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」や「弱いヒーロー Class 1」などを通じて、日本でも「学暴」という言葉や、その深刻さが広く知られるようになった。被害者の壮絶な苦しみや加害者への復讐、社会が抱える闇を描く作品は、世界中で大きな反響を呼んでいる。
こうした海外の衝撃的なドラマが関心を集める中、私たちの身近にある「いじめの芽」に焦点を当てた番組が日本で放送される。NHK Eテレでは8月3日(月)、特集番組「いじめのキョウカイ線~いじりといじめ~」を放送する。
番組は、日常の何気ない「いじり」が、どこから「いじめ」へと変わるのかを実話をベースにしたドラマで描き、子どもたちや保護者が考えるきっかけを届ける。物語の主人公は、中学校サッカー部に所属するタカト。俊足を武器に活躍する一方、独特な走り方を仲間たちから「タカト走り」と面白半分に呼ばれ、自身も笑って受け入れていた。しかし、その“いじり”は次第に部内外へ広がり、やがてタカトは部活動に姿を見せなくなってしまう。
番組では、「いじりはいつ『いじめ』になるのか」という問いを軸に、周囲の生徒や教師が向き合う姿を描く。
教師・境真一役を演じるのは、お笑いコンビ・ココリコの田中直樹。田中は「『キョウカイ線』がどこにあるかは人によって違うし、その日の気持ちも関係する。答えが出ないことかもしれないが、それを考えることが大事」とコメント。
また、「嫌だったことや意図を互いに話し合える場が大切であり、その環境をつくるのは大人の役割」と番組のテーマについて語っている。番組制作の背景には、深刻化するいじめ問題がある。
国が把握した全国の学校でのいじめ認知件数は年間約76万9,000件に上り、NHKは「知らぬ間に誰かを傷つけていないか」を視聴者とともに考える機会にしたいとしている。
韓国ドラマの「学暴」作品が壮絶な暴力や復讐劇を描くのに対し、本作は日常のコミュニケーションの中に潜む「いじり」と「いじめ」の境界線という、誰にでも起こり得るテーマに焦点を当てている。被害者だけでなく、周囲の友人や大人がどう向き合うべきかを問いかける内容だ。韓ドラを通して「学校での問題」に目を向けた人にとっても、今度は日本の足元で起こっているリアルなテーマを改めて見つめ直す、絶好のきっかけとなりそうだ。
『いじめのキョウカイ線』~いじりといじめ~
【出演】 教師・境真一 …田中直樹(ココリコ)
タカト(中2) 島田帆純 ツバサ(中2) 嶺岸煌桜 ソウタ(中1) 山田海人
ユウダイ(中2)小島怜珠 カオリ(中2) 高梨琴乃 リョウ(中1) 塩野夢人
【脚本】 藤沢秋
◇NHK「いじめのキョウカイ線」HP