「イカゲーム」米国版スピンオフが制作中止へ…デヴィッド・フィンチャー監督×ケイト・ブランシェット登場で期待もNetflixが戦略転換

12時05分芸能
Netflixシリーズ「오징어 게임」シーズン3

Netflixの世界的大ヒットシリーズ「イカゲーム」の米国版スピンオフとして企画されていたプロジェクトが、制作中止となったことが明らかになった。デヴィッド・フィンチャー監督が手がける予定だった同作は、数年にわたって企画・開発が進められていたものの、Netflixの事業上の優先順位が変更されたことが大きな理由とみられている。



米メディアのThe PlaylistやGizmodoなどによると、Netflixは「イカゲーム」の英語版スピンオフ作品「ヘックラー(Heckler)」(仮題)の制作をこれ以上進めないことを決定したという。

「ヘックラー」は、「セブン」「ファイト・クラブ」「ゾディアック」「ゴーン・ガール」などで知られるデヴィッド・フィンチャー監督がメガホンを取り、「ユートピア」シリーズのデニス・ケリーが脚本を担当する予定だった。

当初は米国を舞台にした英語版として企画されていたが、撮影は英国で行われる予定で、2026年中の撮影開始が見込まれているとも伝えられていた。

■「イカゲーム3」最終回、ケイト・ブランシェット登場で米国版への期待が急上昇

米国版スピンオフへの期待を大きく高めたのが、「イカゲーム3」の最終回だった。

2025年6月27日にNetflixで配信されたシーズン3の最終回では、フロントマン(イ・ビョンホン)がロサンゼルスを訪れた場面で、ハリウッド女優のケイト・ブランシェットが登場。

ケイト・ブランシェット演じる女性が、路地裏で参加者を相手に「メンコ」に興じる姿をフロントマンが目撃するという、短いながらも強烈なシーンが描かれた。

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「イカゲーム」の舞台が韓国から米国へ広がる可能性を示唆するような演出だったことから、当時から「米国版スピンオフへの布石ではないか」と大きな注目を集めていた。

しかし、その期待とは裏腹に、米国版プロジェクトは幻となることになった。

■Netflixの優先順位が変更、米国版より「各国版」へ

制作中止の背景には、Netflix内部の戦略変更があるとみられている。

関係者によると、数年にわたる企画・開発期間の間にNetflixの経営陣が相次いで交代し、「イカゲーム」フランチャイズに対する事業上の優先順位も変化したという。

当初は英語圏をターゲットにした大型スピンオフを制作する構想だったが、現在は一つの米国版に注力するよりも、それぞれの市場に合わせた「イカゲーム」の展開を検討する方向へ戦略がシフトしたと伝えられている。

一方で、現時点で特定の国や地域を舞台にした「イカゲーム」の新たなスピンオフ制作が具体的に進行しているわけではないという。

世界的な人気を誇る作品だけに、今後どのような形で「イカゲーム」の世界観が広がっていくのかにも注目が集まりそうだ。

■デヴィッド・フィンチャー監督も別プロジェクトへ

さらに、フィンチャー監督自身も別の大型プロジェクトに軸足を移していると伝えられている。

現在はブラッド・ピット主演のNetflix映画「クリフ・ブースの冒険(The Adventures of Cliff Booth)」に取り組んでおり、追加撮影や再撮影も予定されているという。

同作は11月25日の劇場公開が予定されており、フィンチャー監督にとって「イカゲーム」米国版スピンオフとは別の重要プロジェクトとなっている。

フィンチャー監督の今後の作品候補には、「チャイナタウン」の前日譚や西部劇「ビタールート」、さらに「ゴーン・ガール」の原作者と共同開発中の長編映画なども挙げられている。

■「イカゲーム」は完結後も世界観を拡大

ファンを熱狂させた「イカゲーム」は、ファン・ドンヒョク監督が手がけ、イ・ジョンジェ、イ・ビョンホンらが出演。シーズン3をもって本編シリーズは完結した。

2021年に配信がスタートすると世界的な社会現象を巻き起こし、韓国作品として初めてクリティクス・チョイス・アワードを受賞。さらに2022年のエミー賞では、韓国作品として初めて主要部門を含む6冠を達成するなど、Netflixを代表する作品へと成長した。

本編終了後も、Netflixはリアリティシリーズ「イカゲーム:ザ・チャレンジ」などを通じて、そのIP(知的財産)を拡大している。

幻となった米国版スピンオフ「ヘックラー」。フィンチャー監督というハリウッド屈指の映像作家と「イカゲーム」という世界的IPの組み合わせだけに、今回の制作中止はファンにとって大きなニュースとなりそうだ。

最終回でケイト・ブランシェットを登場させ、米国へと世界観が広がる可能性を強く印象づけながらも、その先の物語は実現しなかった。「イカゲーム」が今後、どの国や地域を舞台に、どのような新展開を見せるのか、引き続き注目される。

「イカゲーム」シリーズは2021年に配信されたシーズン1が社会現象級の大ヒットを記録し、Netflix史上最も人気のあるシリーズに。その後、シーズン2も公開直後に非英語作品TOP10入りを果たし、公開3日で歴代人気シリーズ第3位にランクイン。2シーズン合計の視聴回数は約6億回を超える驚異的な数字を記録し、韓国コンテンツのグローバル成功例として不動の地位を築いた。そしてシリーズのグランドフィナーレとなるシーズン3(2025年6月配信)は、主人公ギフンとフロントマンの因縁、そしてゲームの裏に隠されたすべての謎が明かされる完結章として公開。シーズン2の衝撃的なラストから直結するさらに過酷な「最終ラウンド」を描き、世界中のファンを熱狂させたシリーズの壮大な幕引きとして、不動のグローバル人気を決定づけた。

シーズン全話のあらすじと見どころ、キャスト・キャラクター解説などは、【「イカゲーム」シリーズを2倍楽しむ】でまとめている。