原作は新田次郎で、昭和63年放送の大河ドラマ第26作。
戦国武将としては、最も天下人に近い位置にいたにも関わらず、若き信長にその座を譲ってしまった武田信玄。
信長、家康にも恐れられた組織力と統率力、父との葛藤や家族関係の複雑さ、戦国最強と言われた武田騎馬軍団の面々、川中島における上杉謙信との数度にわたる戦いが絢爛な絵巻のようにして描かれる。

ライバル上杉謙信には柴田恭兵、信玄に追放される父・信虎に平幹二朗、山本勘助に西田敏行、他にも菅原文太、宇津井健が出演。
女優陣も豪華だったが、とくに原作にはない信玄の正室の侍女役を演じた小川真由美は、お歯黒メイクの徹底した悪女として描かれ、話題になる。
また、信玄の母役の若尾文子はドラマ内で死んだ後もナレーションを務め、番組の最後に口にする「今宵はここまでに致しとうござりまする」は流行語大賞にも選ばれた。
この前年が、やはり大人気の『独眼竜政宗』であり、常に比較されることになったが、こちらも最高視聴率49.2パーセント、平均視聴率39.2パーセントと高視聴率を誇った。
なお、この作品も全50回が視聴できる。
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信玄の父、信虎が永正16年(1519年)に移った躑躅ヶ崎館には、その後、信玄、その子の勝頼が居住した。
この館の跡地には武田神社が置かれている。大正時代、地元民の寄付で作られたが、当時からの堀、石垣、古井戸等が残り、境内に武田家ゆかりの品々が展示された宝物殿も設置されている。また、「三葉の松」は珍しい樹で、葉が黄金色になって落ち、その落ち葉を身につけると「金運」のご利益があると言い伝えられている。