『二十四の瞳』 高峰秀子主演、木下恵介監督の抒情的な作風を代表する傑作。

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子どもの頃の懐かしい情景は、たいてい小学校や級友、それに教師とともに思い返される。土地や時代に関わらず、そうした懐かしい情景には共通の色や香りがあるようだ。この『二十四の瞳』を見ると、その思いを強くする。そう、妙に郷愁を感じてしまう映像なのである。
もちろん、壺井栄の名作を、名匠・木下恵介が自ら脚本を書いて監督した作品。

昭和3年、大石久子(高峰秀子)は「おなご先生」として、瀬戸内海小豆島の分校へ赴任する。初めて立つ教壇で、一年生12人を教えることになったのである。
やがて久子は本校へ転任することに。かつての教え子も五年生となって本校に通うようになる。村の子どもたちは貧しく、思うように進学はできなかった…。

この時代の高峰秀子は、木下恵介に限らず、巨匠から若手に至るまで優秀な監督の作品に軒並み出演している。
本作品のような素朴な女性役もあれば、同じ木下作品でも『カルメン故郷に帰る』のように奔放な役どころもある。とにかく達者なのだ。日本では、名子役と言われた俳優は大成しないことが多いが、高峰秀子は希有な例だろう。
最も勢いのある時期の彼女の芝居は、注目である。
  • 脚色・監督:木下惠介/原作:壺井栄/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司/美術:中村公彦/照明:豊島良三/録音:大野久男/編集:杉原よ志
  • 郷古秀樹/郷古仁史/渡辺五雄/渡辺四朗/宮川真/宮川純一 /寺下雄朗/寺下雄章/佐藤国男/佐藤武志/石井裕子/石井シサ子/小池泰代/小池章子/草野節子/草野貞子/加瀬かをる/加瀬香代子/田辺由実子/田辺南穂子/神原いく子/尾津豊子/上原博子/上原雅子/月丘夢路/小林トシ子/井川邦子/田村高廣/笠智衆/夏川静江/浦辺粂子/清川虹子/浪花千栄子/明石潮/天本英世/高原駿雄/小林十九二/高橋トヨ子/篠原都代子/南眞由美/大塚君代 /草香田鶴子/本橋和子/三浦礼/戸井田康国/大槻義一/清水竜雄/永井美子/鬼笑介/高木信夫/上村勉/寺田佳代子/八代敏行/八代豊/木下尚爾/浮田久之/郷古慶子/小豆島苗羽公民館演劇グループ /高峰秀子

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